一章 一部 魔法少女協会篇

第1話 誕生!!成人魔法少女


 私、星屑美波ほしくずみなみは成人女性である。

 誰がなんと言おうと成人女性なのである。それはこの幼女と思われる容姿の私が、あるきっかけでそう謎生物によって開き直り、魔物たちを駆逐する。

 これはそんなに八つ当たりのような魔法少女?になった成人女性(26)の物語



 西暦2045年、令和27年8月の猛暑日真っ只中に私星屑美波は会社の有給を取って家で動画を見ながらレモンサワーを飲んでいた。


「ふはぁ〜!!レモンサワー美味しい〜それに今活躍してる魔法少女ちゃんも可愛いなぁ〜ウェヘヘ♡」


 昼間から、飲んだくれている私は幼女と言える見た目をしているが歷とした成人女性である。

 そんな私美波は、最近になってやっとこの体型を気にすることが無くなってきた。

 最初は中学から成長が止まり、家族にも親戚そして仲の良い友人や親友にもはや幼女で若々しいとネタにされてきた。

 そして今私(26)はこのコンプレックスを受け入れて家族に説得〈脅迫〉して一人暮らしをさせてもらっている。

 仕事は、お客様サポートセンターというこの見た目を晒さなくていい電話対応の仕事をしている。


 最初入った時は、皆から子供?なんて言われたが今ではこの会社の成績上位を誇る一人となって皆から慕われて(可愛がられて)いる。

 そして、今私は密かに私よりも子供である。魔法少女たちを撮影した動画を観賞している。

 魔法少女とはなんだ?と言われるとどう答えればいいかあれだけど、所謂思春期のお年頃な少女が謎生物精霊?によって不思議な力を授けられてこの世界に突如として現れる魔物という存在を倒す。少女達のことである


 一先ずおさらいとして魔物と言う存在が現れてから30年それは突如として起こった。

 大規模な大災害スタンピードと呼ばれる魔物が異空間からこの世界に現れた。

 そしてそれと同時に謎生物が一人の少女と契約をしてその魔物たちを食い止めたのがこのと始まり、そして年々増える魔物の肥大化で魔法少女の数もこの30年で50人程に膨れ上がっていた。


 そして大体の魔法少女になる平均年齢は、13〜18歳と凡その目星が8年前に確立された。それが今の基盤となる社会組織:魔法少女協会という名前はシンプルだが、全ての魔法少女のリストを管理する。本当に巨大な組織だ。


 発言力で言えば政府のお偉いさんをねじ伏せられるぐらい財力を持っていると囁かれている。

 そんな謎生物と共に過去の魔法少女達が作り上げた組織と言えば、大体の人は納得するだろう。


 過去の最初の魔法少女がその機関を作り上げたことには私も平和を支えてくれる存在がいてすごく心強いと思えた。

 その為に私は、私より小さい子があんな風に戦って傷ついているのだからメソメソこの見た目で愚痴ってもしょうがないと消去法的に考えて今に至るわけだ。


 まぁ、お昼からお酒を飲むのはどうかと、作者としてはどうなんだと言わざる終えないが、そこはご了承ください。

 そんなこんなで私は、支えになればいいなと思い数年前から、私よりも“年齢が”低い“女の子達”の助けに慣れるようにお金を寄付する。


 そう私は大人なのでね。

 そう私のお気に入りとなっている魔法少女の動画を見ながら、呑んだくれいたら、窓の方からするりと窓を開けずに入ってくるベンギンの見た目のぬいぐるみのような謎生物が唐突に不法侵入してきて告げる。


『君、僕と契約して魔法少女になってよ』


 そう言われて、目を見開き私は叫ぶ


「私は、幼女でも少女でもないから!!もう成人女性(26)だから!!」


 とそう言うと、そのぺンギンは表情こそ変わらないが、驚いたような反応をしたのだと思える程には言葉に詰まったような空気を醸し出している。

 それから追い討ちのように私は畳み掛けるようにその謎生物に対して告げる。


「どうしてもっていうなら私の望みを叶えてくれるなら魔法少女?になってもいいけど、これって年齢(26)でも契約はできるの?」


 私は酔った行き良いでそう告げる。

 思考回路はもはやお酒の所為で記憶があるのか怪しい状態だか、それでも私は望みを叶えたい一心で告げる。それに対して


『うん!君の魂は未だに少女と言える程に膨大なエネルギーを放出している。見た目もそれに相まって素晴らしいモノだと僕は思うよ。それじゃあ君の願いを聞かせてくれるかい?出来るだけ君の望みを叶えてあげるよ。』


 そういって謎生物は何を考えているのか分からない表情でこちらを見つめてくる。それに私は


「なら、私の変身時に背を伸ばすのと、あ大体165ぐらいね、でちょっと大人っぽい見た目の服装にして、ステッキは鎌のようにしてそれから、それから――――」


 私は、ありとあらゆる要求をその謎ベンギンにつらつらと告げていく。

 何が却下で何がいいのかは、全く返答がなかったのでひとまずは詰め込んでみた。

 そう、私がイメージする魔法少女のモデルは今は皆ポップな感じの見た目しかいないこの魔法少女たちの中で、一人だけ妖艶にそうダーク的な見た目の魔法少女を描くように告げる。


 もはや闇サイドの方なのではと匂わせるような魔法少女を理想のモデルを連想しながら謎ベンギンにこれでもかと話す。

 そして私は酔いのせいなのかそれとも謎ベンギンが何かをしたのかは分からないが、私は深い眠りにつく。

 そして夢の中でその謎ぺンギンから『君の望みの7割を取り入れて上げたよ。これで僕との契約はなった』と意味深に告げられて私は目覚める。


「う……うぅん〜〜!!」


 私は目覚めて開口一番に私の体に違和感を覚える。それは記憶の片隅にあった言葉と夢の中で告げられた契約それを持って今私はとんでもないことをやらかしたのでは?と思わずにはいられない。

 そして恐る恐る机に突っ伏して寝ていた私は姿見の前に立つ。それを見た私は


「―――綺麗」


 そこに立っていたのは、私が思い描いていた。魔法少女の姿だった。

 髪はそのままの長さでストレート目は紫で身長は165程の身長それでいて、服装は白と黒を基調としたロングドレスのようなデザイン。

 そして最後に、私が願うように私の専用武器である何かを刈り取る見た目の鎌が出現する。


 そしてベッドの上で転がるようにしている謎ぺンギンは告げる。


『君の望みを最大限叶えてあげたよ!!これからは君のサポーターとして一緒に魔物を倒していこうね。』


 そう告げられて私はやっと正気を取り戻した。そうなるはずじゃなかったはずの魔法少女にお酒の勢いで馬鹿な妄想を垂れ流しそれを受理されたことに対して、私は絶句しその場に倒れ込む。


 それを見た謎ペンギンが、変わらぬ表情のまま『大丈夫?』と言われて、心の中で全然大丈夫じゃなぁぁい!!と叫ぶのは言うまでもなかった。

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