3-11
*描写あり
「……!鬼々さん!俺の事、分かる!?」
「………うるさい……」
「よか……よかったぁ……!」
みのるはボロボロと涙を流す。
「悪いが…少し、休ませて…くれ……」
鬼々の体から煙が出てきて、その煙が消えると鬼々の体が小さくなっていた。
「来夢くん、これ……」
「あー、血を少しでも早く体内に巡らせるために体を小さくしてるだけだよ。大丈夫だから」
「そっか、よかったぁ…」
落ち着いたところで周りを見回すと、草間たちはいなくなっており、その場にはみのるたちしかいなかった。
「終わった…?」
「みのる、大丈夫ですか?」
「兄さん…ありがとう、あと、ごめんなさい。俺、迷惑かけちゃって……」
「もう…本当に……貴方たちは…ぐす…。とりあえず鬼々さんをベッドへ連れていきましょう」
「あ、うん」
宝の指示で、鬼々を家へと運ぶ。
「全くもう、兄弟揃って突拍子もないことするんだから。まあ二人が無事で良かったよ」
「え、私もですか?」
宝は突然自分の事を言われキョトンとしていたが、来夢は呆れたように笑う。
「当たり前だよ、いきなり女の子のほっぺはたいてお説教し出すんだから」
「あ、あれは……!」
「まぁ俺らの気持ち代弁してくれたし。ありがとう」
そう言って宝のほっぺにキスをする。
口をあんぐり開けたままわなわなしている宝を見て、来夢は笑っていた。
みのるはその後ろに続いて、家に入る。
「一日くらい寝てれば元に戻ると思うよ。俺の血もあげたし」
眠ったままの鬼々を見て不安がるみのるに来夢が伝える。
「よかった……」
「ま、今日は一日ゆっくりしな。みのるも結構血あげてるだろうから無理せずに寝た方がいいよ」
「うん、ありがとう…」
(鬼々さんの横で寝たら明日怒られるかな。ま、いいか…もう俺も眠いし……)
みのるはそのまま眠りについた。
***
「つっかれた~!!」
「お疲れ様でした、来夢くん」
「宝こそ」
「ごめんね、宝にあんなことさせるつもりなかったのに」
美沙を平手打ちした宝の手を撫でる。
「私にあんな事言う資格なんてないんです。でも、我慢出来なくて」
「そんな事ないよ、宝は頑張ってるじゃん」
「そうでしょうか」
「うん、大丈夫。頑張ってるよ、頑張りすぎてる位にはね」
「みのるもそう思ってくれているでしょ…ふぁっ」
宝のほっぺたをむにーっと引っ張る。
「俺が大丈夫って言ってんの。信じらんない?」
「ふぁ、ふぁかりまひたから…」
「大丈夫、宝には俺がいる」
ぎゅうっと抱きしめられる。
「来夢くん、好き、好きです、愛してる」
「ふふ、俺も」
二人は甘い口付けを交わした。
翌日。
「ふぁ~よう寝たわ。…ん?何故みのるが横に……」
何があったのか、昨日の事を思い出す。
(わしは、なんて事を………)
昨日どころか、一昨日も、その前日も。
宝を傷つけ、弟を傷つけ、何よりも大切なみのるを傷つけた。
自分が情けない。
あんな簡単な罠に嵌って、記憶を無くして。
(わしはこやつの傍にいる権利はない)
そう思い、みのるの傍を離れようとしたが、みのるが鬼々の腕を掴んだ。
「鬼々さん、行かないで」
「………離せ。わしは、わしはお主の傍にいるべきではない。来夢と宝の傍にもな」
悔しさに唇を噛む。
「俺、もう鬼々さんがいなくなるなんて嫌だ。いるべきとかいないべきとかどうでもいい。いて欲しいの」
「しかし……」
「そんな事言うと、俺は鬼々さんのこと忘れてた。ううん、違う。忘れるように洗脳されてたんだって」
情けないよね、とみのるが苦い顔をする。
「あんなにも鬼々さんの事好きだ好きだって言ってたのにね。それならいなくならなきゃいけないのは俺の方なんだよ?でも、離れたくない。だって俺鬼々さんの事が好きだから」
「みのる……」
みのるのアプローチにたじろぐ。
『わたし、貴方が好きよ』
(あやつもああ言って結局は…)
鬼々の中の嫌な記憶が蘇る。
「鬼々さん?」
「……わしはお主を好きになるかわからんのだぞ」
「でも俺とするのは嫌いじゃないから…って、んっ」
「ん、ちゅ、ちゅうう…っは、黙っておれ」
言えない。
言ってしまえば、また一人になってしまうのではないか。
口だけではいくらでも言える。
だから。
(体と血の関係だけで良い。こやつもいずれ死ぬ、それまでに次を探せば良いだけじゃ)
***
「だ、め、鬼々さん、っつ!」
「うるふぁい、らまれ。ぢゅぽ、ぢゅぽっ」
みのるはなぜ今こんな事になっているのか、訳が分からなかった。
「ふ、んぶ、んんっちゅううっ、はっ、ふっ、ぷぁぁ…少し舐めただけでコレとは」
つん、とみのるのちんこを撫でる。
「ご、め……!」
びゅるるるっ!
みのるはそれだけで射精した。
「~~ッ!貴様人の顔に……」
「鬼々さん、エロすぎ」
「はぁ!?ふざけ……っあ!?」
顔についた精液を舐められたかと思うと、そのまま押し倒され、尻を舐められる。
「な、めるなぁ!は、離せっ!ひうぅっ!舌が、尻に入ってくる……っ、ん、んんっ、……ッ」
「声出してもいいよ?」
「下にあやつらがいるじゃろう…!」
小声でみのるにそう伝える。
「別に今更じゃない?前、兄さんたちの声も漏れてたし」
「~~~ッ!ふぅぅぅっ、そういう事では……っ!」
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