おまけ

「鬼々さん、なにこれ!?モデル!?」

「何じゃみのる、うるさいぞ」


学校が終わり帰宅したみのるは興奮気味に鬼々を問い詰める。

友人から、これ鬼々さんじゃない?とファッション雑誌を見せられた。

それはみのるの服を長身でも着こなし、読者モデルとして掲載されている鬼々の姿だった。


「ねぇ、こんなのしてたって聞いてないんだけど!!」

「金が貰えると言うのでな」


と、机に金を置く。


「い、いちまんえん……」

「お主も働き詰めでは大変じゃと思うてな」

「鬼々さん……」


みのるは少し泣きそうになった。

鬼々が自分の事を考えてくれていたなんて。


「まあ時々やってくれとの事なのでな。連絡用?にすまほも貰ったぞ」

「えっ、初耳なんだけど」

「今言うたんじゃ、知らんで当たり前じゃろ」


使い方も教えて貰ったらしい。


「しかしすまほというものは凄いのう!文を手書きしなくても良いとは!しかもすぐに返事が帰ってくるぞ!」


と目をキラキラさせている。


「おいみのる!お主の連絡先も教えろ!…みのる?」


みのるは自分が一番でないことにショックを受け放心状態になっていた。


「みのる。お主に言わなかったのは悪いと思っておる。じゃがお主に言えばまた1人で無理しかねないと思ったのでな」

「鬼々さん……」

「まあ、その、なんじゃ、連絡はお主を一番に優先してやる。だから落ち込むでない」

「鬼々さん!」

「いきなり抱きついて来るでない!!」


鬼々のことで一喜一憂する程に、鬼々の事が好きなのだとみのるは改めて実感したのであった。

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