第14話期末テスト後


今回はかなりの急展開です!!キレる方もいるかもしれませんが、すみません。俺のストーリーが悪いので…………。







「なぁ、桃花。」

「なに。」

ふ、不機嫌だなぁ………。そんな掴まれたのがいやだったんだなぁ。

「じゃぁ、お前の好きなマスコンやるか。」

「うん。」

「じゃ、今回は俺が勝つな!!」

「そう、かもね。」

「絶対勝つ!!」

「隼人は私の後ろよ。常にね。」

「そう、なんだよなぁ。でも、それがいい。後ろにいるのが好きだ。」

「っ、私は!!………わたしは、あのとき怖かった。隼人が、隼人じゃない感じがして。」

「なぁ、俺演技上手いんだよ。」

「え?」

そう。ほんとに演技が上手い。取り繕うのが上手い。それは俺の特技だ。取り繕うってことが。

「実は楓も遠慮して言わなかったんだが、成績も改竄されててなぁ。」

「え?」

「成績が悪かったんだよ。お前は気にしなかったんだろうけど。」

「…………」

「気にしないのは当然だ。あれは俺が悪いからな。噂は知らないか??」

「え?」

「『犯罪者、本当にあの成績の良さは嘘。実は最下位になるほど頭が悪い』って。」

「あ、聞いたことあるかも。」

「そう。俺は頭が悪いらしい。」

「うそ、でしょう??私の話にもついていけてる。」


「それが本当は嘘だったら??ぜーんぶ取り繕ってたら??」

「え?これも、あれもぜんぶ嘘??」

「だとしたら、どれだけ良かったかなぁ。」

「え?あ、え??」


「そう。もし、小学生から会わなかったら??

声、かけないよね。俺に。

もし、ずっと毎日登校しなかったら??

周りに俺が白い目で見られることもなかった。そんでもって隠れて殴られることもなかった。

もし、手を出してなかったら??

こんな関係になってなかったのかもしれない。

だから──────あれ??俺、何言いたいんだっけ??」


「ち、ちよっと!!私と隼人が出会わなきゃ良かっただなんて言っちゃ─────」

「そう。俺が言いたいのはそういう事だ。出会わなきゃ良かったんじゃないか??って。出会わなきゃお前が怯えることもなかった。好きな男と付き合えた。さっき居た男ともなんかの関係になれたかもしれない。あの男は捕まらなかったかもしれない。」

「でも全部『タラレバ』でしょう??」

「そう。俺らには分岐点があるよね。ターニングポイントともいうんだっけ??んで、俺がとにかく言いたいのは──────この関係なんて所詮すぐ消えるんだろうなぁ。って思って。」

「っ!!このっ、ばかっ!!」


はたかれた。ビンタっていうの??初めてぶたれたんだけど。

「いった。なにすんの??」

「あなたと会わなかったらよかった???ふざけないでくれない!?わたしは、あなたと出会えて嬉しくって、たのしくって、あのも、隼人がちゃんと『好きだ。付き合ってくれ。』って言って、キスしたなら、わたしは許した!!わたしは………あなたのことずっと好きだった!!だから、わたしはお母さんに『警察に言わないで。それと、このことは隼人に言わないで』ってお願いしたの!!隼人だから!!隼人だから─────おねがい、したのに。それを!!あなたは、無碍にするってことなの!?!?」


あぁ、こんなにほめてくれるんだなぁ。いや、でも、これはほめてるわけじゃないか。とはいえ、俺は付き合えない。資格ないだろう??


「た、たしかに────お前のことは好きだ!!だいっ、すきだっ!!でも、俺はお前に対して、犯罪をおかしたっ!!だから、資格なんて──────」

「資格なんて要らないわよっ!!」


は??何言ってんだよ。


「わたしは、あなたが好きだから、警察には言わなかった!!他の男なら絶対言った!!タラレバ??だから何よっ!!わたしはあなたが好きだった!!今も好き!!この7年と3ヶ月を経てようやくわかった!!だから、だから─────私にずっと付き添ってくれる罪を償い続けて??」

あぁ、ずるいなぁ。叶わないなぁ。住宅街で、夕日をバックにして、その笑顔で、その言い方はずるいだろ。それはもう─────まるで、

「俺でも、いいのか??」

「ええ。あなたで、じゃなくて、あなたいいのよ。」

よろしくお願いしますごめんさい。」


まるで──────告白の様なシチュエーションだ。

命令も含まれてて、告白をされる。だから、俺は受ける。もう、逃げない。どんなものからも。今まで逃げてた。『資格がない。』とか言って、自分の恋心に蓋をして。バカみたいだ。でも、だからこそ強調される。この、桃花の強さを。惹かれてる。ずっと。初めて見た時から。




「ええ。一生、私に罪を償い続けなさい。」



あぁ、もう逃げないよ。罪からも。自分からも。親からも。他人からも。全部。


「はい。償わさせていただきます。一生をかけて。幸せにすると、誓います。」

「うん。ありがと─────それと、これからもよろしくね。」

「うん。不束者ですがよろしくお願いします。」

「よろしくね。隼人。」

「うん。よろしく。桃花。」




そうして、俺は、いや………俺たちは晴れてカップルとなった。





ちょっと急展開でしたが、お許しください。すでに懺悔の札は掲げております。(楓特製の懺悔の札。)

えーと、まだ序盤って訳じゃなくって、終わりでもないです。これからですね。本番は。一応高3まで続ける予定なので、気長に待っていただけると幸いです。

あいも変わらず不定期にこうしんします。

ちなみにこの2人は下校途中です。はい。



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