第9話 夢の後とお友達ご招待

「起きろぉおおおおお、この、馬鹿馴染みぃいいいいいいい!!!!!」



「うぉ、わぁああああああああああ!?!?!?」

「な、何してくるのよ!!」

「何がだよ!!」

「こっち向いてその言葉言ってみなさいよ!!」

「は!?何言って………………大変申し訳ありませんでした。」


あれ??おかしいな。寝始めた時はいなかったけどな??それになんで俺は………桃花の胸に手を当ててるんだ??


「さっさと手をどかしなさい。」

「はい、すみません。」

「どんな悪い夢見てたのかはしらないけど、汗だくよ??シャワー浴びてきたら??」

「あ?………浴びてくるわ。」

「ええ。それと、教えてくれない?なんで私が通っている高校に来たのか、それと────今父親は何をしているのか。」

「いいよ。ただ、後者は知らない。興味無いから。」

「あ、へぇ〜。(それが1番知りたかったんだけどなぁ。)」

「まぁ、でもなんで興味無くしたかは教えれるよ。」

「え!!ほんとに!?」

「なんで食い気味??」

「いや、うちのお母さんがさ??」

「ふーむ??うちの父親のことを知りたいと??」

「なんでだろうね?」

「さぁね。あいつのことはどーでもいい。あ、桃花のお母さんに聞かれたらそう答えておいて。」

「ふーん。あ、止めちゃってごめんね??」

「いいよ。それじゃ、風呂入ってくる。」






桃花side


「はぁ、びっくりしたぁ。寝てたら急に胸揉まれるんだもん。まったく、あの変態は。にしても、すっごい汗だくだったなぁ。美味しそうだったなぁ。………ハッ!?何を言ってるの、私は!!」


そうやって悶々としていると─────

「ただいまー。戻ったよ。」


と急に声をかけられた。


「わぁ!?び、びっくりしたなぁ。おかえり。」

「あぁ、ただいま。………どった??」

「い、いや??なんでも、ないわよ??」

な、何を私は想像してるのよ!!隼人が色っぽくって、なんか襲われそうみたいなんてことを思ってるだなんて───


私にはそんな資格ないんだから。



隼人side


まったく、何をしてるんだ??桃花は。ベットでゴロゴロしやがって。ってか、今日が学校じゃないからいいものの………はぁ。声掛けてやるか。


「ただいまー。戻ったよ。」

「わぁ!?び、びっくりしたなぁ。おかえり。」

「あぁ、ただいま。………どった??」

「い、いや??なんでも、ないわよ??」


「なんなんだよ。まぁ、いいや。今日友達来る予定だから出てけ。」

「はぁ!?あんたが出てきなさいよ!!バカ馴染み!!」

「はぁ!?家に来ていいよ。って言っちゃったんですけどぉ!?」

「あなたがどっか行きなさいよ!!私だってねぇ、友達を作って今日呼ぶ予定なんだから!!」

「何時だよ。」

「えーと………13時ね。」

「はぁ!?何してんの!?お前、マジで!!もう12時だし、俺も13時に来てもらうんですけどぉ!?」

「う、こ、この際言っちゃって黙ってもらうのはどう!?」

「やけくそか!!無理だっての!!こんな小っ恥ずかしい話したらうちの友達が揶揄うに決まってんだろ!!」

「うぅ〜、それは私の友達もそうなのよね。」

「くっそ、いっそのことオープンするか!?」

「大して変わらないじゃない!!あ〜もう!!いいわよ!!呼んでみせなさい!!あなたの友達を!!私の友達も呼ぶから!!」

「わかったよ!!クソが!!これがほうれんそうを買い忘れた末路だとでも言うのかよっ!!この世界に神がいるんなら呪ってやる!!」

「えぇ、私も呪ってやるっ!!末代まで恨んでやるぅう〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」


そうして、かれこれ時間となり────

「あれ??遅いわね。」

「そーだな。」

「あれ??外から声が聞こえてこない??」

「あぁ、そうだな。」



「だぁかぁら!!お前がなんでいんだよ!!」

「うるさいわねぇ!!私は友達に呼ばれてきてんの!!住所はあってるのよ!!じゃぁ、あなたがまちがえてんでしょぉ!!」

「いーや、俺はあいつにおしえてもらったんだよ!!お前こそ住所間違えてるんじゃないですか!?あーもう!!!!!」


「あれ??これ、俺のせい??」

「ええ、私もやらかしたかも。」

「とりあえず開けるか。」

「そうね。家主として、開けるしか………ない、わよね。」


玄関を開けて───


「他人の家の前で何やってんだ。久遠くどうかける。」

「いやな、隼人!!それはこいつが悪いんだよ!!」



「あら、人の家の前で何やってるのかしら??不破ふわ香澄かすみちゃん??」

「いや、それはこいつが─────」


「「とりあえず、頭冷やすためなのと周りの迷惑になるからこっち 来て。/来てくれるかしら??」」


「「はい。」」



家に入ってから。


「とりあえず、自己紹介しよっか。まず、俺が武田隼人。よろしく。」

「私がこのバカ馴染みの幼馴染やってます、三島桃花です。よろしくお願いします。」

「あ?」


「俺が隼人の友達やってる久遠 駆だ。よろしく。」

「あたしがこの駆ってバカの元幼馴染で、不破香澄です。よろしくねー。」

「は?バカはお前だろ?」

「うぐぐぐー、言い返せない。」


なんだこれは。まず、桃花と俺が関係悪い状態なのに、駆と『香澄さん』が幼馴染だった??なんなのこのマンション。元幼馴染が集まるように仕向けられてるんですか??なんかの呪い??呪霊きてる??払ってやるぞ。クソ呪霊が。


「んーと、なにすんだ。こんなやばい状況で。」

「こんな時はマスコンね。」

「おーい。お前ブレねぇな。」

「何がよ。」

「お前、この状況わかってる??」

「何がよ。」

「周り見ろって。………はぁ。こんなやばい状況でマスコンなんて出来ねぇだろ。」

「いいえ。よく見なさい。2人ともやる気だわ。」

「………こいつら。」

「仕方ないじゃない。………ってことでマスコンやることになったけどいいかしら??」


「異論なし。」

「あたしもないよー。」


それじゃ、爆弾投下しよ。面白そう。


「それじゃ、タッグ戦で。」

「誰と組むの??(駆とは組みたくない。)」

「たしかにな。(香澄とは組みたくない。)」

「それじゃ、言い出しっぺの俺と桃花で組むから、駆は隣にいる『香澄さん』と組んでくれww」

「おい、まて。笑いを隠すならちゃんとしろ!!」

「そうよ!!って、何桃花ちゃんも笑ってるのよ!!何が面白いのよ!!」

「いや、面白いだろ。幼馴染の修羅場って。」

「お前が言うな。」

「あなたが言わない方がいいですよ??」

「あなたが言わないでくれない??」

「うん、ごめん。でも香澄さんに言われる理由はわからない。」

「私、聞いちゃった。」

「あ、そう。」

「じゃぁ、お前の黒歴史も話していいよな。」

「だ、だめにきまってるじゃん!!」

「はぁ??なんでダメなんだ??」

「は、恥ずかしいし。そもそも、黒歴史だから、ダメだよっ!!」

「理由になってない。」

「うぐぐぐ〜。これだから、腐れ縁の幼なじみはっ!!」

「なんだよ。お前ら。ニヤニヤしやがって。」

「いや、別にな?」

「ええww別になにもないわよw?」

「なんかムカつくんだが。ボコしてやる。」

「よーし、選ぶのからスタート!!」



「おいおい。ツンデレ姉ってバカムズいだろ!!」

「大丈夫なの??桃花ちゃん。」

「大丈夫。勝てる。余裕で。」


「駆は………へぇ。殺されないの??」

「………うん。後で家ついたら殺しておくから大丈夫。」

「今、言いたいこと言っておいた方がいいわよ。香澄ちゃん。」

「………それじゃ遠慮なく。スゥーーーー。おい。駆。ふざけんなよテメェ。」

「え、いや、あの……その。」

「私への当て付けか??あ?どうなんだよ。答えてみろよ。」

「いや、あのその、は、隼人、助けてくれ。」

「「wwwww」」

「おい。隼人たちお前ら覚えてろよ!!」



というわけで説教中。ゲームはまだしていない。


「なぁ、駆??お前は、なんだ??巨乳な姉ってなんだよ??完全に私への当てつけだよな??貧乳な私に対する当てつけだよな??」

「い、いや、その、でっかいのは男のロマンといいますか………」

「ふぅーん。マザコンなのね?」

「い、いや違くて、」

「じゃぁ、小さいのは好きなのかしら??」

「うーん、ど、どっちも好きです??」

「ふーん、胸しか見てないのね?」

「ち、違うって!!」

「じゃぁ、何よ?」

「まぁ、いいわ。小さいのは嫌いなのね?」

「い、いや、そうじゃないです。」

「好きなのかしら?」

「………正直に言えば、はい。」

「……あら、ロリコンって言って欲しいの??」

「ち、ちがいます!!」

「じゃぁ、いいわ。喜んであげる。貧乳好きなあなたにご褒美あげようかしら。」

「う、はい。お願いします。」



「おーい。夫婦の痴話喧嘩の説教は終わったかー?」


「「ふ、夫婦じゃないっ!!」」

「夫婦だろ。」

「夫婦ね。」

「おまえらぁ!!絶対しばいたる。」

「かってみせる。」

「勝てるといいね。2人とも。」

「そう。私たちに。」






そうして、ゲームがスタートした。


「なんで勝てないのよぉ!!」

「なんでだ??まじで。」

「いや、俺は足引っ張ってるけど、桃花はな、実は世界一だぞ。ツンデレ姉で。」

「は?」

「え?」

「ずるいよなぁ。3対1でもいいくらい。」

「先にいえよぉ!!!」

「先に言ってくれない!?!?ってか、友達なのに教えて貰えなかったんだけど!!」

「だって、教える必要ないと思ったし??」

「ひどい。」

「え、えーと、3対1でもいいよ??フレンドリーファイア無しで。」

「それなら勝てる??」

「うーん。微妙なとこ。だってこいつ、数コンマの無敵時間を確実に攻撃に合わせされる驚異な技術持ってるんだもん。」

「そ、そうなのね。………勝てなくない??」

「まぁでも勝ってやろうじゃん。楽しそうだ!!」

「戦闘狂ね。」

「うるせー。」

「………」

「いっでぇえええ!!?何すんだよ!!香澄!!」

「ぅるさい。黙ってて。」

「なんなんだよ。」

「嫉妬じゃない?」

「………駆のばか。」

「い、いや、悪かった。」

「駆のアホ。マザコン。へんたい。巨乳好き。」

「そ、そこまで言わないでもいいだろ!!」

「私知ってるもん。」

「何をだよ。」

「駆が、大きいおっぱい見た時鼻の下が伸びてること。それで───私のちっぱいには反応しないこと。知ってるもん!!」

「いや、おかしいだろ!!なんで知ってるんだよ!!ってか、下世話な話はやめろぉおおお!!」


「………なぁ桃花。これが幼馴染漫才って奴か。」

「ええ。むしろ───夫婦漫才と言っても過言ではないわね。むしろ強調すべきね。」

「「お前らが言うな!!」」

「え?」

「私たちが夫婦漫才??笑わせないでよね。」

「ほんとだな。夫婦なんてありえないからな。」

「じゃぁ聞くけどなんで同棲してるの??」

「………親からの罰ゲーム。」

「え、ええ。そうよ??」

「ふーん。その親ってどこにいるの??」

「と、隣の部屋だけど??」

「へぇー。両方の親が公認だって。」

「ね。面白い話だね。バラしちゃう??」

「おい。聞き捨てならないことを言わなかったか?」

「気のせいじゃないわよね。それじゃ、私達もあなた達が幼なじみのこと話しちゃおっかなー。ツルッと滑っちゃうかもなー。」

「い、いやでも私たちのほうが交流関係あるし口封じはたやすい────」

「あら、それをしたら認めてることになるけど??それに、私たちはそこそこ交流関係がある。それに、あなた達は堂々と家に来ていることを公表済み。………分かるかしら?落ちるなら」

「道連れだ。なーんてな。」

「私のセリフ取らないでくれない?」

「とってない。」

「とったわよね。………このふたりが出ていったら覚えてなさい??(髪の毛を)むしり取ってあげる。」



「む、むしり取るだって!!何をむしり取るんだろうね!!」

「さ、さぁな。俺は知らない。お前は何を考えてたんだ??」

「え、エッなこと??」

「いや、変態かよ。お前の友達の桃花さんは髪の毛を毟るとか言ってるつもりだと思うぞ?」

「え?違ったの??」

「お前と一緒にすんな。エロガキ。」

「あたしはえろガキじゃないし?ガキでもないんですけどぉ?」

「いや、ストンってしてるじゃん。」

「は?殺すぞ?」

「いだだだだ……痛いって、ナチュラルに足を踏むな!!小指も踏むな!!お前のなけなしの胸を押し付けられたって興奮もなにもしねぇよ!!」

「…………むか!!」

「いたい!!ってか、そもそもここはマンションだっての!!いつもの一軒家じゃねぇんだよ!!」




「なぁ、桃花。あいつらって同棲してんのかな?愛の巣ってやつ??」

「………やめてwwおきなさいよww」

「「おい 聞こえてんぞ!!/聞こえてるよ!!」」

「大体、隼人もここが愛の巣だろうが。」

「は?愛の巣??どこをどーみて言ってるのかな??駆くん。」

「これは愛の巣だろ!!違うのか!!」

「ただの罰ゲームで起きた同棲だけど??」

「いや、愛の巣だろ───」

「い、いい加減にしとかないと、追い出されるよ!!」

「す、すまなかった。悪かった。愛の巣とか言っちまって。」


こうやって自分が悪かったとこを直ぐに謝れるのがこいつの好きなとこだ。友達として。


「いや、俺も悪ふざけが過ぎたわ。悪かった。」


桃花side

「ところで、香澄ちゃん。私にだけ教えて。幼馴染のこと、どう思ってる??」

「………好きです。まだ好きです。多分、駆は冷めちゃってると思いますが。私は隼人さんと違って未遂じゃなくて本当にってしまったので。」


別に私は気にしないけどね。

まぁ、でも本当に好きなんだなぁ。でも申し訳なさが勝ってる。多分、うちの隼人と同じタイプ。

多分、なんかやらかして、自己嫌悪になってるタイプだ。で、幼馴染である、駆さんを狙ってる。


「そう………なのね。私はそうは思えないけどね。」

「え?」

「それは内緒。ちゃんと顔とか仕草とか見てご覧。そしたら、多分きっといつか気づくわよ。」


そう。反応していないフリをしているが実は反応していた。唾を飲み込んでいたし、なにより表情の変化。顔色がわかりやすい。くっつかれただけで顔も、耳も赤くなっている。気づくのは時間の問題かな?


「そうなんですね。よく分かりませんが、頑張ります!!」

「ねぇ、鈍感って言われない??」

「………言われる気がします!!」

「………はぁ。」

気が遠くなりそうね。駆さん。頑張れるのかしら。


「あ、だとするなら、桃花ちゃんもですね!!」

「え?」

「あれ、気づいていませんか?桃花ちゃん、ちゃん隼人さん見ていると。」

「し、知ってるわよ。それくらい。でも、私は拒絶したから、資格がないのよ。」

「そーなんですか?資格もなにもないと思いますよ?被害者側には。特に。でもま、犯罪を犯した側の加害者は無理ですけどねー。だから、隼人さんとはどーるいってやつです。よく分かりませんけど。あ、気にしないでください。付き合うなら───駆がいいです。」

「………そうなのね。私の隼人より幼馴染がいいと?」

「当然です。桃花ちゃんだって隼人さんの方がいいでしょ?」

「ええ。そうね。」

「それじゃ、頑張ろ!!2人でダブルカップルを目指そう!!」

「お、おー?」


よく分からない同盟が組まれちゃったわね。だけどちょっとワクワク!!



「あ、もう時間だわ。帰るぞ。香澄。」

「はぁい。もう少しいたかったなぁ。」

「しゃぁないだろ。さっさと帰んぞ。」

「はぁ。………それじゃ、じゃーねー。」

「あぁ、気をつけろよ。」

「気をつけて帰ってね。」












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