第8.5話 昔のお話
隼人side
うぅーん。なんだ??これ。まるで────昔のことを思い出しているかのような………感じだなぁ。まぁ、多分夢なんだろうけどね。だとしたら、とんでもない悪夢だなぁ。まぁ、振り返るか。すっごい悪いことをしたんだから。起きる訳には行かないか。
そもそも最初に『三島桃花』と出会ったのは小学生の頃。
父親がいた時だ。
隣に住んでいた頃だった。
とあるいい天気にばったり出会った。
入学式当日だった。
「あ、おはようございます。」
「う、うん。」
仕方ないじゃん?人見知りだったんだから。まぁ、桃花はめちゃくちゃ陽キャぽかったけどね。小学一年生からでも桃花は綺麗な方だった。
「ねぇ、あなたの名前は??」
「はやと。たけだはやと。」
「ふーん。はやと、ね。よろしく!!私は桃花。三島桃花だよ!!桃花って呼んでね!!」
「あ、そう。じゃぁ、ももかさん。よろしく、ね。」
「そんな他人ぽくしないでいいのに。まぁいいや。よろしく!!はやと!!」
そうして、一緒に学校に行った。あ、でも、遅刻はなかったなぁ。
「となりの席なんだ!!よろしくね!!はやと!!」
「あ、うん。よろしく。ももかさん。」
「うん!!」
そして、先生が───
「お、全員いるなー。それじゃ自己紹介して行こうか。」
自己紹介を終えて、桃花は『少し話していい』と先生に言われた時は凄く囲まれてた。男女隔たりなく。
ん?俺?そんなもんぼっちに決まってんだろ。人見知りなんだから。
んで、さっさと帰ることにした。嫌だったから。
帰宅途中。
「うるさかったなぁ。周りが。これもうるさくなるんだなぁ。」
と独り言を喋っていると、
「そうかな?私は騒がしいの好きだよ??」
と後ろから声を掛けられた。
「うわぁ!?……も、ももかさん?」
「うん!!にしても、騒がしかった??」
「まぁ。でも、僕が我慢すれば良いでしょ??」
今考えると小1で考えることじゃないな。
「そうかなぁ?私はそうは思わないかなぁ。」
「なんで??」
「我慢より、しっかり言った方が良くない?」
「言えないのに?言う勇気がないのに??」
「じやぁ、私が言おうか??」
「仲間外れにされるかもよ?僕みたいに。」
そう。幼稚園に通っていた時があったがよく仲間はずれにされていた。だから、必死に勉強していた。人の考えとかをすぐ見抜けるように難しい本とか読むことまでして。
この時に少し桃花に話した。自分が仲間はずれされていたことを掻い摘んで。なんで話そうと思ったのかは分からない。覚えてない。ただ、知って欲しかった。自分の話を。
「そうなんだー。私はどうでもいいなぁ。」
「なんで??」
「なんでだと思う?………私はね。どうでもいいんだ〜。人を仲間はずれにするとかっていう考え方自体ね。だから、隼人が人見知りって言うのはいい事だと思う。私はそれを全力で肯定するよ??」
もう一度言おう。
こんな難しい話してるけど、小1です。
マジで俺らっておかしかったのかもしれないね。
「そう、なんだ。」
ここからだった。桃花にだけでも上手く会話が出来るように努力したのは。
多分、家族以外で肯定してくれる人が桃花が初めてだったから。家族以外の人は認めてくれなかったから。人見知りを認めてくれなかった。それから幼稚園でも虐められてた。守ってくれる人はいなかった。
自分から先生に言っても、全部認めてくれなかったから。
『みんなと仲良くしようね?』とか、
『なんで仲良く出来ないの??』とか、
『仲良く出来ないのは君が悪いからだよ。』とか、
全部俺が悪いみたいな感じで言われてて。更に人見知り度合いを上げていく要因となった。
「あ、ありがとね。ももかさん。」
「ん?なんで??」
「いや、嬉しかったから。僕を、認めてくれてたから。」
「ふふ。なんだ、そんな簡単だったの??私はね。君と仲良くしてみたかったんだぁ。」
「なんで??」
「隣の家に男の子が居るって家の家族が言ってたんだよ??どんな子か興味が出るじゃん??」
「そう、なの??」
「え?私の事もしかして聞いてない??」
「いや、聞いてたけど声かける勇気がないから。」
「そうなの?じゃぁ、これから一緒に行ったり、帰ったり、家を行き来しよ??」
「いいの??」
「うん!!じゃあ、友達だね!!よろしく!!」
「うん!!よろしく、桃花!!」
それから、一緒に家を行き来したり、学校を一緒に行ったり、帰ったりした。
凄い楽しかった。
だが、問題は中学生からだ。
小学生から可愛かった桃花は中学生になってから、大人っぽさが追加されて、胸も膨らみ始めたりして言葉に出来ないほど可愛くなった。因みに、まだ付き合っていない。
「あ、桃花。おはよ。」
「うん。おはよ!!どうしたの??目逸らしちゃって??」
「い、いや。なんでもないよ??」
この時は仕方ないじゃん??可愛かったんだから。可愛くって目を逸らすしかなかったんだから。
「そうなの??ほら、学校行こ!!」
「あ、うん。ちょっと待ってよ!!」
学校に着いてから。
「ちょっと、やっぱり視線強くない??」
「そうかなぁ??気のせいじゃない??」
「気のせいじゃないと思うなぁ。あ、今日部活いく??」
「うん。今日もね。あ、隼人も行くよね。」
「まあね。あ、そろそろテストだなぁ。」
「そうだね。じゃぁ、今回も勝たせていただきます。」
「くっそ、余裕ぶりやがって。勝ってやる!!」
「ほら、頑張ってよ〜。」
というようにテストで1位と2位を争っていた。まぁ、絶対的に俺が2位なのだが。
ちなみに桃花はテスト勉強を一切していない。
「勝てないんだけど。」
「まあまあ。頑張って?勝てたら私を好きにしてもいいよ?」
やめろ。誘惑しないで欲しかったね。
「っ!?そ、そんなこと言っちゃダメだぞ!?」
「ふふ、隼人にしか言わないわよ。」
「それでもダメだよ。」
「はぁい。」
という風に凄く学校が楽しかった。
でも───それからだ。独占欲と嫉妬にまみれ始めたのは。
男子が桃花に近づくごとに、イライラし始めた。
女子は大丈夫。だって目線とかがしっかりと顔を見てるから。それに同性だから。
男子はアウト。だって目線とかががっつり胸や尻に言ってるから。あと何故か姿勢もおかしかった。理由は考えないようにしてた。それに異性だから。
そこで父親が─────
『なぁ、他の男にお前の幼馴染取られちゃってもいいのか??具体的に言うと、他の男に桃花ちゃんが媚びへつらってもいいのか??』
そこで俺はよせばいいのに考えてしまった。
他の人にベットで上になって媚びているところを。
『嫌だ。自分のモノにしたい。』と考えてしまった。
だから、俺は─────桃花が部屋に来ることをいいことに、無理やりキスをしようとした。ただ、未遂で済んだ。それだけが不幸中の幸いと言えるものだろうか??
まぁ、だが、体をどかされて部屋を脱兎のごとく逃げられた時に何をしているのか気付いた。猛烈な吐き気と共に。
それからは、常に吐き気と謝罪の言葉で溢れてた。人見知りだから、頑張って心理学の本を読んでたのに。それを生かせなかった。心理学を学んで、自分をコントロールしようと幼稚園児から考えていたはずなのに。
何はともあれ、おれは、犯罪者予備軍の一員に成り果てた。
当然、桃花には会わせて貰えなかったが、桃花の母親と父親にはありのままのことを全て話した。
白い目で見られた。当然だと思った。だが、
『今までのあなたに免じて許してはあげる。警察には言わないし、訴えもしない。でも、桃花には会わせられない。』
とありえないくらいの赦しを頂いた。
だから、一生懸命に勉強と家事を手伝いながら、桃花の母親を手伝って、必死に信用を取り戻そうと頑張った。
だが、学校で、『隼人は犯罪者である。』と噂が広まり始めた。家族と幼なじみの家族にしか言っていない情報が全て漏れていた。
そして直ぐに俺は学級裁判や校長先生と話をすることとなり、学校側は、『この噂は真実である』とされ、俺は『犯罪者』となった。だが、学校のことは、家族にも、誰にも言わなかった。
誰からの情報で漏れたのかは分からない。
ただ、推測するに、父親だったのではないだろうか??
そして、なぜか父親と母親が口論となり、離婚。
当時の俺はとにかく父親のことは全く信用できなかったため、母親について行くことにした。裁判までに発展して、慰謝料もこちら側がとった。
そして、父親の行方は今も知らないし、興味もない。
話は戻すが、家族にバレないように体を殴られたり、蹴られたり、先生が率先して殴ってきたり、授業はまともに受けてるはずなのに、授業態度が悪いと言われたり、『隼人に発言権はないけど、質問されたら答えること。』とか矛盾していることを強要されたり、拒否したら当然の暴力。
とにかく学校で味方はいなかった。周りに便乗して暴力を振ってくるか、無視をしていた。
ただ、中3になってからは、1人だけ味方になってくれた。隣の女子で、わざわざ質問を作ってくれた。たまに庇ってくれた。因みに、桃花とは別クラスとなっている。
教師側が授業態度などの成績表を書き換えているようで、テストの点数なども全て零点や通知表は最低にされた。まぁ、全部シュレッダーにかけたが。
三者面談に関しては全て『欠席』の旨の手紙を書いた。俺だとバレないように筆跡を変えるようにした。
余談だが、筆跡を変えるのは特技になった。
そして、受験期となり、当然のごとく推薦は貰えないため、自分で全部提出することにした。
昔、桃花と『この高校に通おう』と約束していたので、とりあえずその学校に行くことにした。
受験で入試のテストがあるがそれは解けた。余裕で解けた。ほぼ満点という自信があった。だが、面接もあった。面接官は何故かちょうど校長先生だった。
「ねぇ、君はどうしてここまで授業態度が悪かったの??」
「さぁ、どうしてでしょうか。自分の目で確かめてみればよろしいのではないでしょうか??」
「っ!?」
「まって。あ、この人は………」
「別に興味無いです。秘書さんかなにかでしょう??」
「うん。察しがいいね。それで僕の婚約者候補かな?」
「へぇー、未婚なんですか??………面接に関係ありませんでした。すみません。」
「ううん。いいよ。そこそこ態度悪いって聞いてるし。」
「そうですか。」
「それじゃ、質問に戻るよ?」
「はい。」
「なんで、ここの高校なの?」
「………約束、です。」
「ふーん。約束、ね。どんな??」
「自分から疎遠にした幼なじみとの約束です。」
「ほぅ??自分から疎遠にしたのに??なのに、約束は守ると??」
「そう、ですね。訳ありです。」
「そ。じゃぁ、次の質問。『犯罪者』ってほんと??」
「捉えたいように捉えれば良いかと。」
「ふむふむ。じゃぁ、認めるのね?」
「はい。未遂ですが。」
「ふむふむ。手を出したのは認めるのね。誰に手を出したのは………あぁ、その疎遠にしたっていう幼馴染ね??」
「そうです。」
「愛読書は??」
「…………今はライトノベルですね。小学生の時は純文学を読んでましたね。純文学で好きなのは『舞姫』ですね。幼稚園の時は心理学の本を読んでましたね。」
「え〜??ねぇ、小学生で『舞姫』??幼稚園は心理学??年齢変わってる??それか人生逆転してる??」
「私もそう思います。」
「変ですよね。昔からいじめられる体質だったので人の心理を学ぼうとしました。まぁ、それでも、暴走したので意味はなかったのですが。」
「そうだったんだー。それは大変だね。」
まぁ、そんな感じに順風満帆??に終えた。最後に───
「それじゃぁ最後に、入学したら、カウンセラーがつくんだけど、気にする??」
「別に気にしません。」
「そ、じゃぁ、どうぞ〜。って、忘れてた。君の場合だけ合否がかなり遅れそうになりそうかなー。」
「………そうですか。ありがとうございました。それでは、失礼します。」
話して感じた印象はめっちゃ掴めない人だった。
校長side
「ねぇ、
「私の印象としては別に入学しても問題ないかと。むしろちぐはぐのイメージを受けました。」
「そうだよねぇー。不思議だよねぇ。応答は問題なし。パッと見テストも問題無し。字もかなり綺麗と見た。でも『犯罪者』と噂持ち。授業態度も悪い。と学校は言ってる。どう思う??」
「学校が記録を改ざんしているか、あの『武田隼人』が本性を隠しているか。のどちらかと。」
「ま、それはそうだね。最初に言ってたっけ??えーと………」
「自分で確かめて見ればいい。との事でしたね。」
「じゃぁ、お願いしていい??」
「わかりました。一応免許は持っていますので、問題はありません。」
「それじゃぁ、実習生として入ってもらおっか。」
「承知しました。それでは、少し準備があるので、失礼します。」
「うん。おつかれ〜。」
1日経ってから、愛梨side
『武田隼人』とは一体何者なのだろうか。いや、野暮なことは考えるな。彼が何者だろうと私は見抜くだけ。彼の本性を。
「本日、実習生の『藤田くらい』さんが、こちらへ来られます。それでは、挨拶お願いします。」
「ご紹介頂きました『藤田くらい』です。本日はよろしくお願いします。」
「「「よろしくお願いしまーす。」」」
どこだ??あの、『武田隼人』という人物は─────あ、見つけた。まぁ、知ってたし同じクラスにと計らいをしたのだが。
朝のHRを終えて。
「これは………酷いですね。」
まさに惨状。いじめの横行。教師も嬉々として認めて、『隼人』をいじめている。ボイスレコーダーと録画しているスマホがあってよかったと思うくらいイジメが酷い。これは学校側が率先してやってる様子かな??一応、声はかけてみるか。
「あのー、これイジメじゃないんですか??」
「イジメじゃありませんよ。………いいですか??確かにいじめは多対1ですが、犯罪者をいじめて何が悪いんでしょうか??」
「いや、法律が────」
「法律というなら彼が訴えればいいですし、我々が黙っていたり、発言権を無くせばいいでしょう??犯罪者に人権なんて必要ないでしょう。」
「そう、ですか。」
ここの学校はダメだ。これは犯罪者への断罪をやっているんだ。と言い張っている。いじめだろ。これは。ありのままのことを話すか。あのお方に。
隼人side
うん。ようやく分かった。あの人────実習生は、校長の後ろに立ってた秘書さんだな。帰りたそうにしてるわ。わかるなぁ。学校から帰りたい。特にこの学校。犯罪者の断罪と謳いながら、いじめをする。しかも教師は止めずにむしろ率先して行う。まぁ、自業自得だけどさぁ。
愛梨side
あの隼人さんは知っているのだろうか。学校の抜け道を。教えてもらうか。
「すみません。ちょっといいですか??」
「なんですか??犯罪者に何か用ですか??くらいせんせ。」
「すこし、どいて貰えますか。」
「お、断罪します??」
「ええ、そうです。(嘘)ですから、さっさとどいてください。」
「はーい。せんせ。あんたも悪ですなぁ。」
「…………」
軽いな。こいつ。軽薄すぎる。チャラい。よっぽどこいつの方が成績も態度も悪い。ダメだな。こいつらは、切り捨てた方が高校のためになる。とはいえ、授業を見ないのは違う。とりあえず、振りだけして、内緒話でもしておくか。
「ねぇ、あなたが噂の犯罪者??」
「ええ、そうですけど??」
「ふーん。」
「なぁ。」
怖いフリをして、頭を掴んで内緒話をする。
「学校から出る方法、知ってる??」
「ええ。」
「どうやって??」
「──────」
「ありがと。」
そろそろ痛そうだし、手を離しておくか。演技をすることも忘れずに。
「はん。やっぱり、犯罪者は犯罪者か。」
振り返ろ。もう飽きた。
「演技上手。」
こいつまじか。指での符丁使えるのか。
「どーも。」
じゃぁ、こっちも指使って符丁するしかないよね。
隼人side
いったい。頭が痛いですね。
「学校から出る方法、知ってる??」
ほーん。出たいのね。あー、もうあの掴めない人に伝えるのね。事実を伝えておくか。ワンチャン助けてくれるかも??
「ええ。」
「どうやって??」
手順教えておくか。ってか、痛い。ロッカーに頭ぶつけないで。演技マジで上手いなこのひと。
「───────」
「ありがと。」
おお。礼いえるんだ。このひと。人ってお礼言えないかと思ってたわ。
ってかようやく離してくれた。あぁ、忘れてた。符丁しとこ。
「演技上手。」
「どーも。」
いや、この人も使えるんかい。秘書さんすげえな。
多分授業は見ていくな。午前中だけかな??まぁ、いいけど。
午前中の授業を終えて。
「終わった。いつもありがと。」
「…………」
無視かぁ。あ、頷いた。珍しいな。隣の人が頷くなんて。
実は俺、窓から2番目だったりする。だから、
「えー、突然ですが、藤田さんはお帰りになられました。」
「えー、もっと喋ってたかったよー。」
いや、お前とは、喋ってない気がするんだが??
ま、いっか。
放課後
「さっさと帰ろ。」
「やぁやぁ。来たよ。」
「帰って貰えますか。誘拐犯ですか??」
「いやいや、犯罪を犯すつもりはないさ。合否の連絡をしに来たんだよ。」
「そうですか。」
「愛梨から全部聞いてね、君を───」
「なぁなぁ、犯罪者〜、お前は不合格だろ??」
「………」
こいつ、馬鹿だろ。ずっと「馬鹿だ、馬鹿だ〜」だって思ってたけど、『流石に弁えるでしょ』って思ってたけど、こいつ、正真正銘の馬鹿だ。
「ん?隼人さんの友達かい??」
「いえいえ〜、こんな犯罪者の友達なわけないじゃないですか〜。犯罪者と友達だなんて〜経歴に傷がつきますよー。」
うっわ。こいつやば。経歴ねぇ。中学で考えることかね??
「まぁ、いいや。隼人くん。君を───合格にする。ただし、僕のカウンセリング付きで。」
「ありがとうございます。」
「それと、この学校はもう終わりかな。」
「なぜに??」
「答えは簡単さ。イジメと犯罪者の断罪は違うのさ。」
「例えば、どこがでしょうか??」
「正直に答えて。きみは───暴力を振られたかい??」
「はい。」
「ふむ。では、この学校でされたことを全て話して??」
「はい。暴力を振られました。『犯罪者の成績なんてたかが知れてる』と言われ、テストの点や、成績表を最低点にされました。」
「続けて??」
「わかりました。手を挙げてもないのに、『手を挙げた犯罪者くん??これはなにかな??』といわれて、冤罪をかけられて学級裁判にかけられ、断罪されかけました。」
「断罪の内容は??」
「『犯罪者は死ね。』とのことでした。」
「死のうとしたのかい??」
「いいえ。教師側が『この学校で人が死ぬのはこの学校の沽券に関わる。』として、私に自殺はしない代わりに『犯罪者として生きてもらう。』と言われました。」
「ふむ。通報されたのかい??」
「いいえ。通報もダメとのことで、イジメを犯罪者の断罪の名目し、黙認することになりました。」
「親には言ったのかい??」
「言ったら、こうなっていませんよ。」
「なるほど??転校を促されると。」
「はい。」
「そのイジメは誰が行ったか分かる??」
「はい。私の現在の左隣の席である女の子と幼馴染だった女の子以外全員です。」
「ふむ。ありがとう。これを警察に出せば───」
「出したら俺が捕まりますよ??」
「あー、そもそも何したの??君。」
「強制わいせつ罪だろ??な?」
「…………未遂ですけど。」
「未遂も何も変わらねぇだろ!?お前は犯罪を犯した。だから、犯罪者だ!!犯罪者は───断罪すべきなんだよ!!」
「随分と義憤が高まっているようで。」
「当然だろ!!ってか、てめぇなんだよ!!犯罪者がよぉ!!」
「じゃぁ、話しかけんなよ。俺は犯罪者なんだろ??」
「はん、せめて見た目だけでも仲良くしとかねぇとなぁ、女どもにモテねぇんだよ!!」
「あ、話の途中すまないんだが、隼人くんとその左隣の子と私が直々に選んだ子は合格だが、他の人達は不合格の連絡をするよ。これからね。」
「んなっ!?なんでだよ!!」
「君みたいな敬語も使えない生徒は必要ないし、見た目を求めるやつは尚更いらない。それに、君たちはいじめと断罪の区別がつかないような奴も必要ないからね。この─────『帝廻学園』にはね。」
「んな─────」
「残念だったな。この学園にはこの学校の多くの生徒が入ろうとしていたのにね。」
「っ─────、お、お前のせいだろ!!お前が賄賂をしたんだろ!!」
「賄賂??やっておいしいのか、それ。」
「美味しいだろ!!自分だけいいものが手に入るんだぞ!!」
「まるで実体験だなぁ。」
「お、おれがそんなことするはずがな、なななないだろ!!」
「あ、そうそう。君は、賄賂の疑いで逮捕状が出てるらしいよ。頑張って逃げてねぇー。まぁ、もう逃げれないと思うけど。」
「そ、そんな。俺の完全なる計画がぁああああああああああ!!!」
「お前に計画ってあったんだ。知らなかった。」
「くっそぉ!!せっかく学校1の優等生を演じてたのにぃいいいいいい!!!」
「えー、あれで演技??下手だねぇー。この人の秘書さんの方がよっぽど演技上手いよ??」
「くっ。」
「そもそも演技っていうのはー、こうやるんだよ??………なぁ、今どんな感じだよ。自分は首席合格してます〜。みたいにイキってたのに??結局不合格。どんな感じ??挙句の果てに俺より酷い犯罪者。なぁ、どんな感じだよ??」
「っ………だから嫌いなんだよ!!俺よりも点数が高いくせに犯罪者でよぉ!!」
「ふーん。ただの嫉妬ね。くっだらない。はぁ、やっぱ中学生ってほんとくだらないなぁ。」
「君も中学生でしょう??」
「そうですね。それでは、失礼します。」
「うん。気をつけて帰りなよ??これから僕は連絡するから。」
「はい。ありがとうございました。」
「いいよ。あ、それと全部提出していい??」
「ボイスレコーダーでしたか。お好きにどうぞ。そしたら、俺は入学できませんが。」
「ふふっ、面白いこと言うね。残念ながら、君の罪は存在していない。」
「揉み消したわけですか??」
「いや??消したわけじゃない。それよりも学校の方が重いってわけよ。まぁだから数週間は謹慎かもね。」
「そうですか。本当にありがとうございます。」
「いいよ、いいよ。気にしないで。僕がやりたかったのさ。クズじゃない幼馴染が縁をきって付き合わないなんて面白くないからね。」
「………ラノベそこそこ読んでますね??」
「まぁね。やっぱり勝つのは幼馴染の純愛ストーリーだよ。」
「それは俺も好きですが、2次元ではありませんので。恋愛感情は激重感情くらいがちょうどいいと思いますね。」
「そう。それじゃ、いつかね。」
「
「お、行くのかい??夏コミ。」
「地球温暖化がありますが行きますよ。」
「「東京ビックサイト」」
「やっぱり同士か。それじゃ、またいつかね。」
「はい。それでは、失礼します。」
みたいな感じだったんだよなぁ。「…て」すんげえ長かった。そりゃ何年も振り返ってたら、長くなるか。「…きて」これから高校に入学して今に至るのか。ハードすぎるわ。人生が。「お………」ほんと、これからたいへんだな─────
「起きろぉおおおおお、この、馬鹿馴染みぃいいいいいいい!!!!!」
はい。ちょっと終わり悪いですが、終わりです。次回を楽しみにして頂けると幸いです!!そのために、星、フォロー、ハート、コメントで意思表示をください!!欲しいです!!
他作品もどうかよろしくお願いします!!
『創作魔法』
https://kakuyomu.jp/works/16818093077642944669
『俺修羅』←かなり逃走中。
https://kakuyomu.jp/works/16818093079474544953
どうか見てください!!よろしくお願いします!!
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