第6話 ご褒美
なんで、こうなってしまったんだ??
こうなるには、朝まで遡る。
「テスト終わったわね。」
「そうだな。今日土曜日だし、ゲームやるか?」
「いいよ〜。」
「なにやる??」
「ん〜、マスコンでいいんじゃない?」
「ありだな。」
マスコン。
それは、マスターコンプレックス。
まぁ、ありきたりな対戦形式の格闘ゲームである。
キャラは沢山ある。まぁ、属性とも言うけど。
「おまっ!!それ選ぶのかよっ!?」
「ん??何か、ダメなの?」
「いや、『ツンデレ姉』は難しいだろ!!コンボとか!!」
「いや〜、これが一番簡単。即死コンボ決めれるし。」
「おまえなぁ!!」
そして、
例えば桃花が使っているキャラは『ツンデレ姉』と言って、ツンデレな姉のことである。
自由に属性と、相関を決めれる。
そして、修羅場の相関の中で最も好きな相関を決めるというゲームである。
「そういう隼人はなにそれ??」
「これだな。」
「あ、ふーん。こういうのが好きなんだぁ。」
「い、いやなぁ!?」
「へぇー、いいどきょーだね。」
「いや、そのだな!?」
と言うように性癖暴露の場でもある。
ネット対戦も可能。ネット対戦の他にネットで会話が可能となり、性癖について話せる空間もあるのだとか。
因みに隼人が選んだのは、『母性高めな幼馴染』と呼ばれるキャラである。
(キャラだけど、自分で属性を決めれる感じのスマブラ。)
対戦スタート!!
「隼人〜、手応えないんだけどー?」
「うるせー。黙れ!!お前が強すぎんだよ!!なに平然として即死コンボ決めれんの!?」
「ふっ、私はなんて言ったって、この『
「聞いてないんだが??」
「だって、中学3年生だし。」
「あ、うん。そりゃ知らないわ。」
「にしても、まぁまぁ隼人も上手くない??」
「お前ほどじゃねぇよ。」
「いや、全然世界通用すると思うけど??」
「ふーん、やってみるか。1回。」
「うん。この世界一の人が教えてあげるよ?避けるタイミングとか全部教えてあげる。」
「いいのか!?」
「大丈夫。だって、隼人だから。」
いいのか??俺だからって………。まぁ、いいか。こいつだし。優しく教えてくれそう。
「じゃ、タイマンしてこっか。」
前言撤回。
こいつはやべぇ。なんなの??数フレームだけの無敵時間だけで確実に攻撃を捌いてくるんだが??それを覚えろって言うのは頭おかしいですよ??
「あ、そろそろ出来そうだね。」
「くっそ!!ふざけんな!!無理ゲーだろ!!」
「いやいや、そうじゃなきゃ世界に通用しないからね?私に勝てないのよ?」
「くっ!!それは、ムカつく!!」
特に、お前の後にいるのがムカつく!!スペックじゃなくって!!勉強でもなくって!!ゲームで負けるのがムカつくんだよ!!………ん?待て?もう少し、もう少しで─────
「こうだっ!!」
「あ、」
「おっしゃぁ!!ワンストおとしたぁ!!」
「あ、くっ、残機1つ落とした………」
こいつまじでやばいな。今のミスも難しいとこだけじゃん。基礎コンボは完璧で、応用コンボも出来て、アレンジコンボも作ってやがってる。
因みに今ミスったのはアレンジ。
「じゃ、もう1回しよ。」
「なんで??」
「確実にさせておきたい。」
「おっけー。」
「おりゃ!!」
「ふーん、そう来るんだ〜。じゃぁ、
「なんじゃ、そりゃぁああああああああああ!?!?!?」
「ふっ、これが『
「こ、これが………伝説と呼ばれている、
「桃花。なんだこの茶番ww。」
「ほんとにねww」
「それじゃ、世界に行こっか。」
「やってやる!!」
「よっしゃ!!これで
「よかったねぇ、勝つために大変だったもんねぇ。連続15回勝利だもんね。」
実はこの「マスコン」。
VIPに行ったキャラに応じて、2つ名が付くのだ。
例えば────
幼馴染でVIPに到着するなら、『
家族(妹)でVIPに到着なら、『
家族(姉)でVIPに到着なら、『
家族(姉妹)でVIPに到着なら、『
家族(母)で到着なら、『
家族でVIPに到着なら、『
家族(姉妹)は『姉』と『妹』のどちらとも使って、VIPに到着したもの。
家族なら、『母』と『姉』、『妹』の3キャラを使ってVIPに到着した猛者。
「はいはい、よかったねぇ。」
「そういうお前は『シスコン』だろ??」
「何を言ってるの??私は全コンプしてるわよ?」
「え、『
そう。全キャラを使って、VIPに到着すれば、『修羅場作りの天災』と呼ばれる2つ名が与えられる。難易度がバカ高いため、持っている人は居ないとされていたのが───
まさか、ここにいたとは。
まぁ、それはいいとして。
「って言うか、疲れたぁあああ」
「うん、もう夜だしね。」
「あー、飯作るわ。」
「今日くらいカップラーメンでいいんじゃない?」
「まぁ、ありかな。つくるのめんどいしなぁ。」
「そうね。じゃ、風呂入りましょ。」
「そうだな。」
「さて、どうしましょうか。」
「寝たい。」
「ちょっと待って?隼人、テストどうだったの?」
「それなりに解けた。ありがとう。」
「………いえ、別に??大したことしてないし??」
「ふぁあああ」
「………ちょっと来なさい。」
「は?」
「テストのご褒美あげる。」
「え??」
「ご褒美あげるからこっち来なさい。早く!!」
「あ、はい。」
「はい。」
「え??」
手で太腿叩いても分からんて。まさか、膝枕させるわけでもあるまいし。
「ほら、はやくして。」
「んぐっ!?」
手を伸ばされて───膝枕をされた。
なんで??
「やわっこい。」
「ふふっ。どうよ。」
「うん。きもちいい。」
「眠くなってきてるの??」
「うん。」
「それじゃ、おやすみ。頑張ったね。隼人。」
「ん。おや、すみ。」
それ以降の記憶はない。
桃花side
はっず!!めちゃくちゃ、恥ずかしい!!
っていうか、隼人かわいい!!!めっちゃかわいい!!!写真とりたい!!スマホは───ラッキー!!ポケットの中あった!!激写!!激写!!レアすぎる!!
あ、眠くなった。このままソファでねようかしら?
…………ねちゃおう。おやすみー。
翌日
隼人side
なんで、こうなった???
まじで─────
なんでこうなってしまったんだ??
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます