第14話「決断」

20XX年4月15日16時49分。倉庫。


『そこまでだ!!!』


「くそ!!もう来やがったか。」

「泡部??つけられてたんじゃないのか??」

「そんなわけない。私の能力で消してきたのに。」

「私たち兄妹の能力には劣るってことだな。」

「まぁいいさ、お前ら来るのが遅かったな。」


「うわぁぁぁっぁぁぁっぁぁぁぁ!!!!!」

「今の声は??」

「森田のだ!てめえら森田に何しやがった???」

「なに???怖い顔しちゃって。私たちは彼女を楽にさせてあげただけよ??」

「許さない。【大噴火】!!!」

「おっと、危ない。」

「おい、もう終わったから帰るぞ??」

「はいよ。」

「待て。てめぇら・・・!!!」


黒装束に包まれた奴らは一瞬で姿を消した。

僕らは急いで森田さんのことを保護をしに行った。


「森田!!大丈夫か!!!???」

「うぅ・・・。」

「救急車呼んでくれ。」

「はい!!!」


その後救急車が来て、森田さんは運ばれた。

西元さんと土御門さんが付き添いで病院に向かった。

僕らは一度事務所に向かって各々解散をしていた。



20XX年4月15日18時56分。病院。


僕は、仕事が終わってから病院に向かった。


「土御門さん。お疲れ様です。」

「あぁ、お疲れ・・・。」

「大丈夫ですか??西元さんは病室ですか??」

「うん。ずっと。森田さんの横でずっといるよ。」

「そうですか・・・。森田さんは??」

「うん、まぁ眠ってるだけだけどなんか見た目が変わった気がするんだよね。」

「見た目??」

「うん、気のせいかもしれないんだけどね・・・。」


しばらくしてから土御門さんと病室に向かった。


「西元さん、少し休んだらいいんじゃないですか??」

「うん??いや、いい。こいつが目覚めたらだ。」

「でも、西元さんも休まないと・・・。」

「こいつは戦ってるんだ。こいつが起きた時に誰もいない天井はいやだろ。」

「・・・。」

「そいたら、僕がここにいます。暖かいコーヒーでもコンポタでも飲んできてください。」

「水鶏・・・。」

「さぁ、いきましょ。水鶏が見ててくれますから・・・。」


20XX年4月15日19時15分。病院。


「水鶏、ありがとうな。」

「いえいえ。僕にとって西元さんは憧れの方の一人です。そんな人が憔悴しきってたらしなくてもいい考えも出ちゃうので・・・。」

「すまないな。」

「・・・。それにしてもあの黒装束たちはいったい何が目的で・・・。」

「そうだな。」

「・・・。」


「あのな、水鶏、土御門。俺がこの事務所をやめると言ったらどう思う??」

「え??」

「あくまで仮の話だ。」

「私は反対です。死んでも大けがになっても勝てないとわかっていても全力出して止めます。」

「ふむ・・・。水鶏は??」

「複雑です。やめては欲しくないです。僕は豹洞さんがやめたときもすごく嫌でした。ですが、僕らは一生ここにいるわけではないです。何かあれば辞めます。僕にだってその時は来るかもしれません。でもやめては欲しくないです。」

「そうだよな、お前らはそういうだろうな・・・。」

「やめようと思ってるんですか???」

「まぁ、この事件の真相を調べたいとは思ってる。だが、これは依頼者がいない。俺ら探偵は依頼者がいてこその仕事だ・・・。」

「だからやめて自分だけで調べたいと・・・。」

「それはだめですね・・・。いくら西元さんでも無謀すぎる。」

「そうだよな。無理あるよな・・・。」

「僕らはいくらでも協力しますから頼ってもらえたらうれしいです。」

「あぁ。ありがとう。」


そこで、話は終わった。僕は妹もいるので家に帰った。


20XX年4月16日8時27分。探偵事務所。


「おはようございます・・・。って誰もいないか・・・。」


いつもと同じように誰もいない朝だがなにか物寂しさを感じた。


「ん???これは???」


そこには西元さんの2週間の休職願いが置いてあった。

置手紙も置いてあった。

『待っていてほしい』と書いてあった。

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九十九異能者物語 “錦蝶” 白木飛鳥 @Shiraki_aSuka

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