第3話「口合」
20XX年4月12日13時14分。緋野鳥探偵社。
「じゃあ、今日は神崎兄妹の事件について行くべきかな。」
「あ、ほんと?水鶏が来てくれるならうれしいよ。」
「すいません、先輩がた、俺はまだ仕事任せてもらえない感じですか?」
「まだだ。阿賀。お前は今日豹洞の仕事を見学して落ち着きを学べ。」
「はい。」
こんな感じで複数人で探偵業をやっている。今日僕は神崎兄妹の付き添いです。
「よし、準備はOKだ。水鶏行くぞ~。」
「はい!」
今回の仕事は、戸塚で起こった連続不審火事件である。
先日発生した4件目でとうとう消火しようとしたおばあさんが亡くなったそうである。
これから仕事依頼してきたお孫さんの姉弟さんから話を聞きに行く予定である。
「ここであってるよな?」
「うん、あってるよ。」
待ち合わせをしていた喫茶店につき、入るとその姉弟がいた。
軽い挨拶をしてから今回の依頼について確認した。
「あれは事故ではない!」
ドン!(弟さんが机をたたく音)
「小山さん、落ち着いてください。」
「事故ではないというと?」
「実はですね、私たちの祖母が消火活動をしていたのは我々の小さい頃のアルバムを守ろうとしたそうなんです。」
「うんうん」
「別に足腰が悪かったわけではないし、アルバムを持って逃げることができたはずで。」
「たしか、弟さんは犯人を見たとおっしゃってるんですよね?」
「はい、、、私も弟から聞いて警察で話しても何かの見間違いではの一点張りです。」
「ズバリ犯人は誰なんです?」
「犯人は、隣の室山というじじいです。」
「なぜ、その人が犯人だと思うんですか?」
「事件の際、犯人は犯行現場に現れるというじゃないですか?」
「まぁ、言いますね。」
「室山も火災が起こってからすぐに現れましたし、消火活動中にそいつは笑ってたんですよ。」
「ほう、どんなふうに?」
「どんなふう??まぁ、なんか、、、人を馬鹿にしたような笑いです。」
「『はは』、こんな感じですか?」
「まぁ、そんな感じです。それがどうかしたんですか?」
「いえ、参考までに。」
淡々とした話が終わり小山さん姉弟は帰宅をした。
神崎兄妹は各々推理モードに入った。
玲央さんの方は足を組み腕を組み、理央さんの方はペンをとりリズムをとり
『わかった!』
二人は口をそろえ立ち上がり店を出る準備をした。
「さぁ、水鶏。これは忙しくなるぞ。」
「まずはタクシーで1件目の不審火事件の現場へ行こう。」
「そこでなにかわかるんですか?」
「あぁ、まぁ。そんなところだ。」
「そこでわかりきるとはわからないけど推理があってれば・・・」
『犯人はあいつしかない!!』
また、口をそろえて二人は店を出た。
会計を済ませ、タクシーを拾って1件目に向かった。
急いで、かなり急いで。
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