第11話「新たな家族」

20XX年4月18日14時9分。屋敷跡。


サク姉のいとこさんはそのまま家に帰るということになり今晩は千葉のホテルに泊まるらしい。次の日にお迎えが来るとのこと。

その際、サク姉はどこかに電話をかけていて何か緊張してきた。

師匠と師匠の妹さんも目覚めていた。


「目覚めましたか・・・?」

「うん。お兄様。申し訳ありません。ご迷惑をおかけして。」

「いえ、大丈夫です。旦那さんに連絡は取れますか?ご心配されてると思うのですが・・・。」

「・・・。」

「どうかされましたか?」

「えっと、、、私捨てられたのです。数週間前に・・・。」

「どういうことですか??」

「あの家に無理やり嫁いだんですが、何もできないうえに夜の営みも怖くてできず愛されなくなってしまって・・・。」

「そうだったんですね・・・。」

「もう行く場所ないなとなってるときに捕まってしまって・・・。・・・。お兄様が来ていただけるとは思わず・・・。」

「何を言ってるんですか・・・。助けに行くに決まってます。唯一の兄妹ですよ。」

「お母様やお父様からは止められなかったですか?お二人はお元気ですか??」

「あなたが家を出てからすぐに失踪しましたよ。彼らが来た頃です。」

「そうだったんですね。私はなにもしらないんですね・・・。」

「仕方がありませんよ・・・。私はこうして数年ぶりにあなたに会えてよかったですよ。」

「わたしもとてもよかったです。」

「行く場所はないのであれば、うちに戻ってきますか??」

「いいのでしょうか??」

「もう、父母もいないし、私が家主なのであなたがいいならいいですよ。」

「あの方たちに許可は取らなくていいでしょうか??」

「彼らには僕から話します。彼らはいい方々ですから大丈夫ですよ。おそらく櫻蘭さんも喜びますし。」

「では、できれば、お世話になってもよろしいでしょうか??」

「はい、いいですよ。・・・。おかえりなさい。涼さん。」

「ただいまかえりました。お兄様。」


師匠から僕らは話を聞いた。大歓迎だった。大室涼(おおむろりょう)さんという名前らしく年齢は24歳だった。


20XX年4月18日15時44分。屋敷跡。


自分母親だという女性は目を覚ました後に師匠が駅まで連れて行った。

師匠は戻ってきても何も言わずにいた。

涼さんのこともあったので僕らはのんびり電車で帰ることにした。


「あの、、、涼姉(りょうねえ)って呼んでもよろしいでしょうか??」

「え・・・。大丈夫です。」

「やったぁ。私にお姉ちゃんができた。」

「よかったですね。」

「龍之介も涼姉って呼べばいいんじゃないか??」

「僕もいいですか??」

「はい、いいですよ。櫻蘭さん、龍之介さん。よろしくお願いします。」

「「孫六兄さんは??」」

「俺は来た頃に会ってるし、今も昔も涼さんだから・・・。」

「え~~~~????」


僕にもう一人姉ができました。もう一人家族が増えました。


20XX年4月18日16時53分。???


「なにをやってるんだ。陽間のやつ。」

「まったくだ。あいつが勝手にやってしまったから計画は台無しだ。」

「おい月野。必ず仕留めてこい。」

「かしこまりました。」

「大室流は撲滅せよ。」

『は!!!!』

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