第10話「5×6」

20XX年4月18日12時26分。屋敷。


「・・・してください。」

「なんかいったか??」

「覚悟してください。」

「あぁ??」


今まで見たことないほどの殺気が師匠からあふれ出ていた。


「沚利!それを使ったら!!!!」

「大丈夫です・・・。痛みが伝わる前に・・・。彼女らを守ってください。」

「「「鉄壁大防御(ウォールモール)!!!」」」


「大室流最上奥義‼【八千六百壱豪鍍零簾(はっせんろっぴゃくいちごうとれす)】!!!!!」

「うわぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁっぁぁx!!!!!!!」


陽間は師匠が放ったものによって粉々になった。

血すら残らない、周りの者も消し去った。僕らでさえも意識が飛びそうだった。


バタン!(師匠が倒れる音)


「師匠!!」僕らは駆け寄った。

「ははは、、、あんなものを使うのは数年ぶりでした。少し休ませてください。」

「あぁ、、、ゆっくり休め。櫻蘭、女性たちの保護をしてくれ。龍之介は師匠を運ぶのを手伝ってくれ。あそこの木陰にもっていこう。」


女性陣と師匠は唯一残った気のそばで寝させていた。

僕らも疲れたので休息をとっていた。


次に目を覚ますと、サク姉がいとこさんと話していた。


いとこさんいわく、仕事の帰りに突然誘拐されたという。

いとこさんが来た時にはほかの三名もいたという。


20XX年4月18日13時3分。屋敷跡。


師匠と師匠の妹さんはまだ目を覚まさず、孫六兄さんのお姉さんと孫六兄さんは歩けるくらいになっていた。お姉さんの名前は如月維樹(きさらぎいつき)さんというらしい。


「姉貴、背中は大丈夫か??」

「うん、さっきよりはいたくないよ。・・・。ありがとうね。」

「うん??」

「家を出た姉のことなんかほっといてくれてもよかったのに・・・。」

「ばかやろうか。」

「ごめん、、、」

「・・・。」

「ごめんね、、、ほんとに怖かった・・・。」

「俺も怖かった。唯一の家族をなくすところだった・・・。」

「・・・。」

「なぁ、姉貴・・・。」

「だめだよ。」

「え???」

「一緒に住もうとか言おうと思ってるでしょ??」

「・・・。うん。そのほうが安全じゃん。」

「私はもう家を出たの。お父さんお母さんが死んじゃっていないとしてもだめだよ。」

「でも・・・。」

「でもじゃないよ。あなたにはもう、大切な家族がいるでしょ。」

「・・・。」

「私は大丈夫よ。・・・。でも、、、何かあったらまた助けてもらってもいいかな?」

「・・・うん。・・・。」

「ありがとぅぅ・・。睦樹(むつき)・・・。泣かないのぅ・・・。お兄ちゃんでしょ。」

「いまだけはいいだろうぅぅぅぅぅぅぅ・・・・」


孫六兄さんは、駅までお姉さんを送ってくると言っていた。

孫六兄さんは本名:大松睦樹(おおまつむつき)という。

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