第7話「約束の川」

20XX年4月18日2時57分。屋敷の自分の部屋。


俺は今起きてしまっている。一瞬眠れたがやっぱり起きてしまった。


ガラララララ。ガラララララ。(屋敷の玄関のドアが開閉する音)


「うん???こんな時間に誰だ?師匠か?・・・。ちょっと見に行くか・・・。」


見に行こうとして部屋を開けるとサク姉の部屋が開いており、布団などはたたまれておりサク姉の机の上に「ありがとうございました。櫻蘭」と書かれた置手紙があった。

俺はそれを見て急いで玄関まで行った。あまりにドタバタするもんだから師匠も孫六兄さんも起きて玄関に出てきた。俺は探しに行くと説明をしてサク姉を探しに外に出た。


20XX年4月17日3時04分。河川敷。


屋敷の山の下を流れる川の近くまで来た。そこにサク姉は皮を見つめながら座っていた。


「そこ俺の席だよ。」

「・・・。」

「まぁ、俺がサク姉の席使えばいいのか。」

「・・・。何しに来たの?子供はもう寝る時間でしょ。」

「それを言うなら、サク姉だって。」

「私はもう20歳超えてるし。立派なレディだし。」

「サク姉がレディ??」

「・・・。なによ・・・。・・・。こんな話しに来たんじゃないでしょ?」

「なんで家出たんだよ・・・。」

「・・・。師匠から言われたの?」

「いんや?俺の意思だよ。サク姉を連れ戻しに来た。」

「そうなんだ・・・。私がいちゃいけないって思ったからだよ。私がいるとね龍之介は師匠にも兄さんにも勝てないから。」

「・・・。」

「だから、私がいない方がいいかなって思ったから。」

「ふざけるな!俺は・・・。俺は・・・。俺はサク姉のことを守りたいから強くなるんだ!ほかの誰でもない!サク姉を守るために生まれてきたんだ!!」

「・・・。私を守るため・・・。なんでよ・・・。」

「・・・だから。」

「え??」

「サク姉のことが好きだからだよ!サク姉は優しくて怖くて可愛くて強い!だからそんな人を守れるかっこいい男になるって決めたんだ!」

「・・・。」

「だから、師匠や孫六兄さんに勝って勝ちまくって、自分の好きな人に頼られる立派な男になってからプロポーズするって決めたんだ!」

「・・・・。」

「だから・・・。だから・・・。だから出ていくなんて。言わないでくれよ・・・。うわーーーーーーーーーーんん!!!!!」


「・・・。はぁ、、、もうやめてよ、、、恥ずかしいよ・・・。はたから見ればそれがプロポーズみたいなもんだよ・・・。」

そういわれて我に返った。とても恥ずかしかった。


「・・・。でも、、、わかった。出ていくのをやめる。龍之介が強くなって私に告白するその時まで私はそばにいる。そばで龍之介のことを見続ける。でも、早めに強くなってね。」

「・・・。なんで?」

「そりゃ、私だって年を取るんだよ?龍之介がいつ私のことを好きじゃなくなるかわからないし・・・。」

「サク姉以外の女には興味がない」

「まったく、こいつは・・・。さて、帰ろうか。」


屋敷に戻ってサク姉は師匠と孫六兄さんに謝罪をしてから部屋に戻った。

部屋に戻る前に自分の部屋に来た。


「龍之介、今日はごめんね・・・。」

「いや、別に・・・。」

「そして、ありがとう。おやすみ。」


そういって額にサク姉は口づけをして部屋を出て行った。

30秒くらい時間が止まった。そんな気がした。

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