第14話「高尾の鬼」

20XX年4月17日11時15分。鎌倉中央図書館。


「そういえば、図書館来てみたはいいものの高尾のことがここにあるのかな。」

「どうだろうな、まぁでもちょっとはあるんじゃないかな。民俗資料室とかあるかな。」

「えっとね、ここの階にあるはずなんだけど・・・。」


探してみたがあまりなかったが唯一あったのが『全日本鬼図鑑』という胡散臭い本だった。

高尾の酒吞童子は、高尾山に住む大きな酒好きな鬼で過去に酒呑童子の異能者の大山鬼刹のことをいうらしい。過去に童子切の異名を持つ大室沚利と戦い続け片目の視力を無くしたが痛み分けで終わった。13人の子分がいる。ということしかわからなかった。


「まぁ、分からないことが多いなぁ。」

「そうだな・・・。どうしようか。」

「高尾に向かえば結構わかるかもしれないな。」

「ちょっと予定より早いけど高尾に向かおうか。」

「そうだね。じゃあ行こうか・・・。」


20XX年4月17日11時15分。東京・高尾。


ここは高尾。俺の住処だ。いや、俺らの住処という方が正しいか。

最後に人間とやりあってから俺の悪名だけが外に知れ渡った。

その中には、いわれのないことが多かったがそれは俺とは違う価値観があったからである。俺らは人間だ。


「親方!大変です!」

「どうした、そんな慌てて。」

「また、向こうで揉め事が起こってます!」

「またか、今度は何があったんだ??」

「それが、だれが先に親方にものを献上するかで揉めてるらしく。」

「え~~~。それ俺が止めに行くのもやなんだけど。」

「でも、それやってるのが最高幹部トリスカイドの皆さんでして。」

「もっと行きたくなくなった・・・。」

「そこをなんとか~~~~~!!!!」


ここは高尾だ。俺の城だが俺の思い通りにはならない。


「おれが、親方にこの肉を献上するんだ!!!」

「なにいってやがる、お前は3番目だろ!!!俺は2番だ!!!」

「その順番だったら私は7番じゃないの!!!」

「こらこらこら!!!お前ら何やってやがる、部下たちが困ってるおろう」

『親方ぁぁxっぁぁぁぁっぁぁぁぁ!!!!!!』


こいつらは13人の最高幹部『トリスカイド』である。

俺の部下の中で、戦闘力が高く部下からの信頼も厚い。

だが、こいつらは・・・。


ボカ!!!!!


「反省したか???」

『はい、すみませんでしたぁ。』

「わかればよろしい。片付け等をしてから会議室に来るように。側近たちも連れてきてよし。大事な話だ。」

『かしこまりました。』


ここは高尾。俺の住処だ。いや、俺らの住処という方が正しいか。

最後に人間とやりあってから俺の悪名だけが外に知れ渡った。

その中には、いわれのないことが多かったがそれは俺とは違う価値観があったからである。俺らは人間だ。

そして、こやつらは俺の家族だ。


20XX年4月17日14時21分。東京・高尾。


「ここが高尾か。確かに鬼の一人や二人いそうだな。」

「そうね。」

「もう着いたの早いじゃない。」

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