第9話「待ち伏せ」
20XX年4月16日5時18分。宿の部屋。
箱根から帰る前に時間を調べていた。
「これから帰るとしてやはり山道よりも車道を通って行った方がいいのでは?」
「そうだな、その方が安全だろう。」
「タクシーって呼べるかな?」
「無理そうだな・・・。歩くしかないか。」
歩いて帰ることにした。これから帰れば8時には着くだろう。
20XX年4月16日5時23分。宿前の玄関。
「よし、じゃあ、行くか。」
「雪は降ってないから大丈夫だろう。」
「・・・。」
優姫は具合は悪そうではなかったがずっと黙っていた。
宿を出てから車道の方を歩いて帰っていた。
「おやおや、もう下山ですか??」
「!!!!!」
「驚かせてしまって申し訳ない。ただ単に聞いただけですよ。」
「なんでこんな時間にあんたがここにいるんだ??」
「まぁ、あなた方を待っていた感じですね、用事があって。」
「俺らに用事??」
「そちらの雪鬼さんを渡していただけないでしょうか??そうしてくれればあなたがたに用事はありません。」
「いやだって言ったら??」
「まぁ、あなた方も含めて・・・。切り殺します。私の手で。」
「・・・。」
「そうはなりたくないでしょ?はやめにわたしてくれませんかね?」
「・・・。嫌だね。」
「ほう、私に殺されたいということですか??」
「いんや??俺はリリスと優姫と一緒に旅をするって決めたんだ。これから、あんたと戦ってからでも生きて帰るんだ。」
「あいにくですが、だれもいませんよ。私と切りあって生きてる人は?」
「まぁ、その伝説というか自慢というかは今日で終わりだな。」
「・・・。残念です。」
「俺も残念だ。」
「どうしますか?おひとりで戦いますか?お三方で戦いますか??」
「うん、ひとりだな。」
「いいのか、大和?私は戦えるぞ??」
「私も戦えるよ・・・?」
「女の子を守るのが男の役目よ。それに、お前のじいちゃんに任せられてこれから帰るっていうのに傷だらけの孫を見せられるかよ。」
「すばらしい愛のカタチですね。・・・。残念です。あほすぎて。」
「お前に理解されようなんて思ってねぇ。俺は俺の信念を貫くだけさ。」
「まぁ、いいでしょう。この【大典太】で信念だけは残してあげましょう。」
「やれるもんならやってみろ!!!」
俺とこの貂ノ原の戦いは緊張状態が続いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます