第6話「箱根へ」

20XX年4月15日7時16分。ホテルの自室。


「おい、大和!起きろ!大変だ!」

「んん???リリス・・・???どうしたんだよ。」

「外を見ろ。とんでもないことになった。」


外を見ると、大吹雪が起こっていた。


「なんだこれ・・・??」

「わからないんだ。電波もつながらない。」

「テレビをつけても・・・。意味ないか・・・。」


【現在原因不明の大吹雪の影響で・・・。】


館内ではこんなアナウンスが響いていた。


「そうだ・・・。優姫は??優姫は無事か確認しに行こう。」

「そうだな・・・。」


二人で隣の部屋に向かった。


20XX年4月15日7時20分。優姫の部屋の前。


トントン!(ドアをノックする音)


「優姫!大丈夫か?起きてるか?」と呼びかけても返事がない。


「大和、そこをどいて!」

リリスはドアをぶち明けて中を見た。部屋はとても涼しくなっていた。

寒いくらいだった。奥の方で優姫が泣いていた。

その優姫は昨日までの黒髪ではなく白髪だった。


「優姫なのか??」

「・・・。うん。」

「お前、その髪どうしたんだ???」

「わからない・・・。私も・・・。」

「・・・。」


「とりあえず・・・。ここを出よう。」

「え???」

「ここを出なければ変な噂などが流れるし、ここの宿泊者にみられるリスクが大きくなる。」

「確かにそうだな。優姫、立てるか??」


僕らはホテルの裏からこっそりと出て行った。

優姫は僕が持っていたフード付きの服で頭を隠した。


20XX年4月15日8時54分。誰もいない海岸。


「ここまでくれば大丈夫だろう。」

「そうだな、優姫は大丈夫か?」

「うん、大丈夫。」

「それはよかった。」


優姫の髪色は白髪から黒髪に戻っていた。

やはり、異常気象として今朝の大吹雪は取り上げられてるみたいだ。


「さぁ、こっからどうするか・・・。」

「まぁ、とりあえず箱根に向かおう。」

「え・・・。」

「優姫のことも箱根に行けばわかるはずだ。」

「でも、それでいいのか??優姫。」

「・・・。うん。」

「わかった。優姫がいいなら、でも、絶対無理はしないでくれよ。」


僕らは箱根に向かうことにした。

嫌な予感しかしなくなっているのであった。

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