第5話「小田原着」

20XX年4月14日16時55分。鎌倉駅前。


「そういえば、どこに行く予定なんだっけ?」

「あぁ、たしか、箱根。」

「箱根かぁ、温泉地」

「そうだね、次の電車乗るの?」

「あ、えっとね。合流してからかな。」

「???」

「あぁ、えっと、おじいさんが言ってたリリスっていう子がいるんよ。もうそろそろ来るはずなんだけど。」

「あぁ、そうなんだ。」


優姫は少し機嫌が悪くなった気がする。


「お、はやいな。ってなんか一人増えてる??」

「おうリリス。近江屋のお孫さんの優姫さんだ。箱根までの間お試しでついてきてもらうことになったんだ。」

「よ、よろしくね。リリスさん。」

「まぁ、よろしく。」

「さてと、準備はもう万端だから箱根に向かうのか?」

「いや、今日はこれから小田原まで行って泊ってから明日箱根に行くよ。」

「了解。じゃあ、優姫さんも行こうか。」


優姫は少しだけうなずいて切符を買ってから電車に乗った。

夏でもないのにこの電車は結構寒かった。


「そういえば、リリスはどこに行ってたんだ??」

「うん??まぁ、いろいろだな。今回の雪鬼についての情報集めや箱根山の地図だとかを買ってきたんだ。」

「なるほど。確かに必要な情報たちだな。」

「まぁな。」

「ありがとう。リリス。」


20XX年4月14日18時38分。小田原駅前。


「よし、ついたな。さてと、リリス。宿まではどうやって行くんだ??」

「えっとね。宿までのバスがあるはずなんだけど。どこかにないかな。」

「あ、あれじゃないかしら??」

「あれだな、肌寒いから早めにバスに乗ろう。ありがとう。優姫。」


今朝はあんなにあったかい感じだったのにだいぶ冷えた。

ホテルについて、別々の部屋となった。

19:30から夕飯ということでそれぞれ自由行動になった。

リリスは、また、どこか調査に向かった。

優姫は、おじいさんのところへ電話を掛けに行った。

俺はテレビをつけて寝ることにした。


【明日は、今日に引き続き春の陽気が続くでしょう。】

そんなことをテレビの天気予報はいっていた。


20XX年4月14日19時25分。ホテル2階バイキング会場前。


「お、二人とも来たな。」


リリスはピンク、優姫はブルーの浴衣を着て会場に現れた。


「さて、なにを食べようかな。ハンバーグに寿司、、、それにカレーもあるぞ。」

「まったく、お前は子供か。」

「やめてよ、大和。恥ずかしいよ~」

「まったく、二人そろって。こういう時こそ楽しむってもんだろう。」


部屋は結構冷えていた。あったかいものを食べて温泉に入って、

俺らはまた、各々の部屋に戻った。

明日は7:30にまた、バイキング会場らしいので楽しみだ。


まさか、次の日にとんでもないことが起こると思わずに眠ったのである。

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