第15話「参る」

20XX年4月14日11時00分。山中家。


『森厳包(しんげんづつみ)!!!!』


山中家の7名が同時に放った技で僕らはばらばらになった。


20XX年4月14日11時00分。山中家森厳包の西端、寒川相模がいる部屋。


「まったくなによこれ??」

「ほほう、お前ひとりでいいのか??」

「てめぇらがバラバラにしたんだろうが・・・。」

「いかにも。一人ひとりを確実に仕留めるための秘策であるからな!がはははは。」

「まったくこえがでけぇな。」

「それは誉め言葉と受け取っておこう。ほかに言い残したことはあるか???」

「逆に言い残したことはないのか??私はないぞ。お前らを倒すからな。」

「その強気な発言素晴らしいぞ!!そういう生意気女は大好きだ!!」

「声がでけえだけだと思ったら変態でもあんのか。私は大嫌いだ。」

「構わん。この宝骨陽久地(たからぼねひくじ)。山中家角行武者参る!!!」


20XX年4月14日11時00分。山中家森厳包の東端、鹿島常陸がいる部屋。


「ひやははははっはははっはっはは!!!!驚いたか???俺らの力は???」

「さすがに驚いたぜ。いきなりこんなものができるなんて。」

「そうだろう。これが我ら山中家だ・・・。」

「お前らは山中なんていうんだ??俺の相手になれたことを喜ばせてやるさ。」

「ほう。その挑発も今日で最後だ。名乗っておいてやる。山中家飛車武者:平野湾堂(ひらのわんどう)だ。」

「平野か。今日で最後なのはてめぇらだ。覚悟しておけ。」

「ひやはははははっは!!いい心使いだ!だが、お前は自分の命を大切にしなかったな!!これで死んでも恨んでくれるなよ。」

「あぁ、そのままお前に返すぜ。」

「参る!!!」


20XX年4月14日11時00分。山中家森厳包、雀宮天音がいる部屋。


「鬼沙美さんと戦うことになるとは思いませんでした。」

「私もよ。私は今からでも間に合うと思うよ。こっちへ来て。」

「・・・。だめです。私には妹を守る義務があります。ここにいたら安心して守れないです。」

「・・・。私が力になるわ。あなたもあの子も私が守るから・・・。」

「すいません、鬼沙美さん。あなたのことは好きですが山中家のことはもう信用できないんです。」

「だから、あの人たちってわけか・・・。」

「はい、まだ出会ったばかりですがあの人たちは私たちを守ってくれるそうです。」

「そう・・・。よかったわ。でも、ここであなたを連れ戻さないと私も居る場所がないから全力で行かせてもらうわ。」

「はい!!こちらも全力で行きます。」

「参る!!!!」


20XX年4月14日11時00分。山中家森厳包、浅間甲斐がいる部屋。


「よぉ、裏切り者。」

「どうも。鷹丸さん」

「まったくお前らのせいで俺らは仕事盛りだくさんだよ。」

「あら、よかったじゃない。もともとそんなになかったじゃない。」

「馬鹿野郎、雑務を俺らがやる必要なんてなかったのによぉ!!!」

「そういうところが部下からの信頼がなくなるのよ。まぁあなたはとくに。」

「うるせぇ。参る!!」


20XX年4月14日11時00分。山中家森厳包、氷川武蔵がいる部屋。


「いやぁ、まさかあなたと戦えるなんて私は運がいいですね、あなたは私の部下も倒しましたし。」

「あの殺気丸だしなやつか。」

「彼も緊張しておりましたからね。とにかくあなたを倒させてもらいますよ。」

「お好きにどうぞ」

「なめられてますね。参る!!!」


20XX年4月14日11時00分。山中家森厳包、雀宮紅音がいる部屋。


「桂さん・・・。」

「気軽に呼ぶんじゃないわよ・・・。この恩知らずが。」

「・・・。すいません。」

「まぁいいわ。あなたの顔を見て安心した自分がいるのが悔しいわ。」

「・・・。」

「ちなみに体調はどうなのよ。大丈夫なのかしら??」

「はい、比較的ですが。」

「それはよかったわ。悪いことは言わないわ。私のもとに戻ってきなさい。紅音。」

「・・・。」

「今までのことは水に流せとは言わないからまた私たちの・・・。」

「すいません。私はお姉ちゃんを傷つけたこの家を許せません。」

「・・・。そう。残念だわ・・・。参る!!!」


20XX年4月14日11時00分。山中家森厳包中央、西野白虎がいる部屋。


「お前さんももしかして幻獣異能者か??」

「そうですが・・・。」

「素晴らしい。ぜひ私らの仲間にならないか??」

「いやです。あなたがた山中家から天音さん、紅音さんを助けるために来たので。」

「私たちを倒すというのですか???」

「その通りです。」

「残念だ。だが、あなたと紅音は生かしておいてあげますよ。それ以外は・・・。」

「氷川さんたちはそう簡単に倒せませんよ。」

「ははは。参る!!!!!」


20XX年4月14日11時03分。山中家森厳包。


『参る!!!』


ぱき!(7人が何かをかむ音)


その音のあとに彼らは形態変化が起こった。

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九十九異能者物語 “宵寅” 白木飛鳥 @Shiraki_aSuka

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