第12話「ほんとうのこと」
20XX年4月13日13時58分。雀宮姉妹保護されている部屋。
僕は、氷川さんに夜ドライブに誘われた。
それまでは部屋で自分のできることをしていた。
紅音さんとはあまり話せずにいたがドキドキは収まらなかった。
「そういえば、白虎って旅行って来たことあるのか?」
「いや、あまりそういう記憶はないですね。昔、どこか行ったことがある気がしますがあまり覚えてないなって感じです。」
「そっかぁ、、、まあちっちゃい頃の記憶は私もないな~。」
「そうしたらこの一件が終わったらみんなで旅行に行こうか。」
「そうですね。楽しみにしておきます!」
20XX年4月13日18時3分。雀宮姉妹保護されている部屋。
「さぁ、白虎君ドライブ行こうか・・・。」
「はい。」
少し車を走らせた先の湖に来た。
「どうだい、白虎君。体調などは大丈夫かい?」
「今は大丈夫です。部屋にいるときなどはちょっと・・・。」
「・・・。そうだよね。」
「氷川さんはなにかわかってるんですか?」
「まぁね。僕と会った時のことを覚えてるかい?」
「はい、あの埠頭の倉庫ですよね・・・。僕はいまいちあそこにいた理由が思い出せないんです。」
「そうそう。そのことなんだけど、わけを説明するから驚かないでね?」
「はい・・・。」
「君は、実の両親に売られそうになったんだ。それを無意識に拒絶したんだ。」
「拒絶?」
「そう。異能力者がいるってことを知ってるかい?」
「はい。見たことはないと思います。」
「君はその異能者だ。しかも世界にあまりいないと言われてる強力な幻獣の異能力を持つ【幻獣異能者】の【白虎】だ。」
「【白虎】・・・。」
「そう、君はその力がその場面で発現してしまったんだ。それによって、親などを殺してしまったんだ。」
「・・・。」
「まぁ、それでね、君のことを守るといったのはそういうことなんだ。言わなくて申し訳ない。」
「いえ、、、本当にありがとうございます。」
「それでね、君のそのドキドキだが、おそらく雀宮紅音との【共鳴】だと思うんだ」
「共鳴?」
「お互いがお互いの気配を干渉しあってできるものをいうのね。二人の力が拮抗してるからってことなんで。」
「拮抗ってことは、紅音さんも【幻獣異能者】ってことですか?」
「そういうことだ。能力の発現はアレルギーの発生と同じで、嫌なことや似たようなものの接近でも表れてしまうんだ。また、お互いの力を認めるまではドキドキしたりするんだ。」
「そうだったんですね・・・。」
「また同系統の異能者同士は引き寄せられる。今回の雀宮紅音は【朱雀】。だから四神同士で引き寄せられてる可能性があるんだ。」
「・・・。」
「そしてまだ四神はまだいる。今後は【青龍】や【玄武】の幻獣異能者とも会う可能性があるんだ。だからそのときはまた頑張ろう。」
「はい。氷川さんたちに迷惑かけられないように頑張ります。」
「僕らはチームだ。まずは明日がんばろう。」
「はい。」
すると氷川さんに寒川さんから電話が来た。
「もしもし?どうかしました?」
「今すぐ戻ってきて。」
「わかった。」
僕らは慌てて部屋に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます