第11話「共鳴」

20XX年4月13日8時8分。山梨県某所。


「ついたな。ここが姉妹のいる家か。」

「浅間さん、桂川さん、そして神奈川県支部の皆さん、お疲れ様です。」

「ありがとう、この人が宇久井峡(うぐいきょう)君で、」

「宇久井です。よろしくお願いします。」

「こっちが国中昇(くになかのぼる)君。」

「国中です。よろしくお願いします。」


「ここにいるんですね・・・。そのご姉妹は・・・。」

僕は何か禍々しいなにか赤いものの気配を何か感じた。


「そうよ。入るわよ。」


「失礼する。浅間です。」

「浅間さん。お帰りなさい。その人たちは??」

「安心してください。私が信頼している人たちよ。紹介するわ。」


そこから僕らは全員順番に自己紹介をした。


「という感じで、私の元同僚で今は神奈川で活躍してる皆さん。」

「よろしくお願いします。皆さん。雀宮天音(すずめみやあまね)です。」

「天音さん、特に問題はありませんでしたか?」

「大丈夫でした。妹も特に問題はなかったです。」

「それはよかった。妹さんはどこに??」

「先ほどからトイレから出てこないんですよね。」

「ちょっと見てきますよ。」


「紅音ちゃん??浅間だよ?大丈夫???」

「・・・。うん。」

「体調悪い??」

「・・・。ううん。誰か来てるよね?」

「あ、うん。あなたたちを助けに来た私たちと同じのあなたの味方よ。」

「・・・。怖い・・・。なにか感じる。心のざわざわがすごいの。」

「・・・。そう・・・。そしたら、桂川のこと呼んでくるから待ってて。」


「ごめん、桂川。紅音ちゃんの方行ってて。トイレにいるから。」

「わかりました。」

「あと、白虎君と天音さん、あと氷川君来てくれる?」


僕らは二人が保護されていてトイレから一番遠い部屋に入った。


20XX年4月13日8時20分。雀宮姉妹保護されている部屋。


「どうしたんですか?紅音に何か??」

「いえ、実はですね・・・。白虎君。いまなにか変なことが体で起こってたりしない?」

「え???」

「たとえば、心が落ち着かないとか、気持ち悪いとか・・・。」

「あ、えっと、何かがいる気配とかはここに近づくたびに多くなった気はします。」

「やっぱりか・・・。わかったわ。ありがとう、白虎君。みんなのとこ行ってくれる?あと、鹿島君と寒川さんも連れてきてほしい。」

「わかりました。」


僕と入れ替わる形でお二人が同じ部屋に入った。


「今の話は本当か??」

「もしかして、雀宮さんの妹さんもそれを感じたってこと??」

「おそらくそうね。」

「えっと。。。どういうことでしょうか??」

「妹さんと白虎君が【共鳴(ハウリング)】してるということです。」

「【共鳴(ハウリング)】???」

「お互いがお互いの気配を干渉しあってできるものをいうのね。」

「なるほど、二人の力が拮抗してるからってことか。」

「西野さんも妹と同じってことですか??」

「おそらくそういうことですね・・・。」

「彼にはまだ言ってませんが彼は【白虎(びゃっこ)】の幻獣異能者です。」

「彼らが共鳴してる以上、彼らが認め合うか離れなければ打開できないな。」

「氷川、やっぱり白虎にもこのことを伝えたほうがいいんじゃないか。」

「だけど、それをしてしまったら、彼は自分が人を殺したことも認めなければならなくなる。それをここでいうのは・・・。」

「確かにそうだが。いつかは言わなければならないのよ??」


「わかった・・・。今日、夜に言おうと思う。・・・。二人きりでもいい??」

「あぁ、それは構わん。」

「ありがとう。」


20XX年4月13日10時27分。山梨・山中家。


「おい、まだ進展なしなのか??」

「はい、申し訳ございません。もう、応援も呼ばれてしまってるせいで下手に動けないとのこと。」

「何をやっておるんじゃ・・・・。潜入してるあいつからは?」

「彼からも全く連絡がないため・・・。」

「もうよい。こうなったら必殺奥義しかなかろう。」

「かしこまりました。今すぐご準備いたします。」


20XX年4月13日10時41分。雀宮姉妹保護されている部屋。


作戦は、明日決行することになった。だが今日はここで男子女子に分かれて寝ることとなった。昼間に天音さんの妹:雀宮紅音(すずめみやあかね)さんと顔は合わせができた。

それまでは、各々自由の身となった。


氷川さんは、国中さんを呼んで家の裏に回った。

氷川さん曰く、国中さんは体調が悪そうだったため返したという。


20XX年4月13日10時46分。山梨・山中家。


「報告です。潜入していた隊員から生命反応が消えました。」

「もうばれたのか・・・。そんな強者がいたのか・・・。」

「氷川です。あの、最強と恐れられてる氷川武蔵がいます。」

「なんだと・・・。いますぐ、攻撃をやめさせろ。」

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