第10話「散歩」
20XX年4月13日7時07分。ホテル。
「おはようございます。」
「おう、おはよう。よく眠れたか??」
「はい、あれ・・・?・・・氷川さんは??」
「あいつなら、散歩行ってくるって言ってたな。」
「お散歩ですか・・・。」
「あぁ、あいつはこういう大事な時は散歩に行くんだよ。ずっと前から。」
「鹿島さんと氷川さんって結構長いんですか??」
「あぁ、まぁ、だいぶ。寒川や浅間もそうだが。」
「あ、そうなんですね。」
「まぁ、腐れ縁って感じだな・・・。氷川ならおそらくあそこだ。」
そういって、鹿島さんはホテルの部屋から見えた公園を指さした。
僕はそこに向かうことにした。
20XX年4月13日7時18分。ホテル近くの公園。
「氷川さん。おはようございます。」
「おおお~~。おはよう、白虎君。よく眠れたかい?」
「はい。」
「それはよかった。・・・。どうしてここに?って聞こうと思ったけど鹿島君か。」
「鹿島さんがおそらくここにいるって言ってたので。」
「ははは。すごいな、鹿島君は。なんでもお見通しだ。」
「どうかしたんですか??・・・。」
「うん??あぁ、まぁね・・・。俺はこういう人助けとか戦いとかそんなに好きじゃないんだ。」
「・・・。」
「嫌いじゃないよ?でも、僕が助けた相手は一生僕のことを尊敬したり感謝を述べなきゃいけないよね?」
「・・・。」
「戦った相手も捕まえたやつも僕のことを一生恨むよね。」
「・・・。」
「それって、どちらにしろ【依存】されてるし、ことあるごとに思い出されてしまうじゃない?そうはならずに、自由に生きてほしいって思っちゃうんだよね。」
「・・・。なるほど、、、でも、僕は氷川さんに助けられました。確かに依存してしまってますが、それ以上に氷川さんの力になれればいいなって思ってます。」
「ありがとね。・・・。よし、じゃあコンビニ行ってから鹿島君と合流してから山梨県支部に向かおうか。」
「はい。」
「お前らの荷物は持ってきたぞ。そのまま向かおう。」
「お~~~!!さすが鹿島君。すごいでしょ?白虎君。これが鹿島君。」
「すごいです。すごすぎます。あと、ありがとうございます。」
僕らは山梨県支部に3人で向かった。
20XX年4月13日7時39分。山梨県支部事務所。
「おはよう~~~。」
「あ、おはよう。よかった寝坊しなかったね。」
「おはよう。トラチャンよく眠れた??」
「はい、ってなんでその呼び方を??」
「あぁ、昨日ミナチャンと電話で話したときにそう呼んでたからw」
「あ、そういうことですね。」
「今日は結構な重労働になるから水分補給とかこまめにやっていこうね。」
「はい!」
「それで?これから保護してる姉妹のところ行くんだよね?」
「うん、そうそう、でも結構警戒心強いから気をつけてね。」
「年齢は何歳だっけ??」
「姉は21歳、妹は18歳よ。妹と白虎君は共通点多いからお願いね。」
「はい、頑張ります。」
「そしたら、ここから車移動だから忘れ物しないように。」
事務所の前から2台の車で保護している姉妹の家に向かった。
とても緊張感が伝わる車内だった。
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