Ⅱ-Ⅵ 月島綾人



 *一二月二三日 土曜日 自室



「ん……」

 静かな朝だった。

 身体を起こし、窓の外を見る。

 深々と雪が降っていた。

 そうか、今日は土曜日だから……。

「休みの日は、起こしに来ないん――――」

「ちょっといっちゃん! 何時まで寝てるのさっ!」

 大声と共に、綾人が部屋に飛び込んできた。

「もう一一時になるよっ! 神田くんとの待ち合わせ、遅れちゃうじゃん!」

「あ」

 しまった……。

 すっかり寝過ごしちまった。

「最近、すげー眠いんだよな。成長期なんかな……」

「そういうのいいから!」

「にゃー」

 猫と綾人が文句を言ってくる。

「ボクはねこさん連れて玄関で待ってるから、早く用意してきてよねー」

 そう言ってひょいと猫を腕に抱えると、鼻歌を歌いながら楽しそうに階段を下りていく。

「あ……ちょ、待てよ……っ」

 俺は慌てて着替え、綾人の後を追った。



 *一二月二三日 土曜日 駅前



「…………」

「にゃー」

 休日の駅前は、先週と同じく人でごった返していた。

 クリスマスを明後日に控えているということもあり、何だか街全体がキラキラしている。

 巨大なクリスマスツリーが、駅ビルのまん前にどかんとそびえ立っていた。

 雪の降る中、制服を着た学生達が写真を撮ったり、楽しそうに見上げたりしている。

 そして、今度は道を挟んだ反対側の道。

 誰も見向きもしない、謎のモニュメントがある方。

 地下道につながる階段のすぐ横に、ものすごい数の人だかりができている……。

「ねえねえ、いっちゃん……」

 綾人が背中をつついてくる。

 それも無理はない。

 その人混みの中心にいる人物……。

「神田くん……だよね?」

「だよな……」

 あまり見慣れない私服姿だが、顔は神田で間違いない。

 薄手の黒いセーターに、ベージュのジャケットを羽織っている。

 黒いワークパンツが体格のいい神田によく似合っていた。

 何やってんだ、アイツは……。

「!」

 と、周りを取り囲んでいたうちの一人が、神田に掴みかかる。

 おいおい、真昼間から喧嘩かよ!?

「あぶな……」

 しかし、神田は動かない。

 それどころか、不敵な笑みを浮かべたまま……。

「え……?」

 どうしてこうなったのか、分からなかった。

 神田を取り囲んでいたヤツラは、まるで軍人のようにくるりと踵を返すと、バラバラに歩き出していた。

 辺りにいた野次馬達も、まるで焦点の合わない目でフラフラとどこかへ歩いていく。

 なんだ……これ?

 まるでさっきまでのトラブルが嘘のように綺麗サッパリなくなっていた。

 それはまるで、魔法のように……。

「よお、オマエら」

 俺達に気づいた神田は、ギャラリーにわき目もふらずこちらに歩いてきた。

「えっと……」

 どういう状況だ、これ……。

「……ああ、悪いな」

 神田は先ほどの間で自分がいた場所に、一瞬だけ視線を落とす。

「ケンカ売ってくるからつい……な」

「いや、言ってるのはそういう意味じゃなくて……」

 どうしてさっきまで殴ろうとしていたヤツラが、何事もなかったかのように去っていったかってことで……。

「細かいことはいいんだよ」

「…………」

 さっさと話を打ち切られてしまった。

 どうやら、それ以上聞くなということらしい。

 ひと睨みされて、思わず萎縮してしまう。

「というわけで、猫くれ」

「あ……はい」

 綾人が言われるがままに猫を差し出す。

「おー、なかなか美人な猫だな」

 神田は猫に顔を近づけ、ジッとその目を見つめる。

 見たことのない、優しい微笑みだった。

 ……なんか、さっきとキャラ違くねえか?

「いつもあんなことばっかしてんのか?」

「あんなこと?」

「ケンカ」

「仕方ねえだろ、あっちから売ってくるんだから。それに、こっちは手加減してやってんだ」

 一瞬だけ見せた寂しそうな表情は、長い前髪に隠されてしまった。

「……さねえっつってんのに」

「?」

 拗ねたようにフンと、横を向く。

「まあ、何をしようと勝手だけど……ケガはしないようにな」

 委員長が心配する。

「へえ……煉みたいなこと言うんだな、オマエ」

 存在感があるくせに、今にも消えてしまいそうなくらい儚く笑う。

 ああ……やっぱり委員長が心配するわけだ。

「それじゃあ、オレは今から行くとこがあるから」

「ああ」

 そういや、委員長が大会とか言ってたな……。

 もしかして、応援にでも行くんだろうか?

「あ」

 そこで俺は思い出す。

 もう一つ、どうしても訊かなきゃいけないことがあったんだ。

「ちょっと待て!」

 慌てて神田を引き止める。

「なんだよ」

「えっと……この前の水曜日なんだけど……」

「水曜?」

「田端さんに……」

 やはり訊くのは怖い。

 だけど、結果を知っているのはコイツだけなんだ。

 俺は意を決して、深く息を吸い込んだ。

「こ、告白されたって……本当か?」

 ……ああああ。

 自分で言うのも何だが、ついに訊いてしまった。

「は? 田端……? って、あの田端桃香か?」

 しかし、帰ってきた反応は想像していたものとは違っていて……。

 なんていうか……薄い。

「なんだっけ……告白……?」

 しかもいまいちピンときていない顔だ。

 しばらく考え、そして僅かに目が開く。

「ああ……あの時の……」

 ようやく思い出したようだ。

「で、どうなんだよ……!」

 俺は一歩神田に近づく。

 しかし神田は俺をからかうように、口角を上げた。

「……さあ、どっちだと思う?」

「な……」

 どうやら素直に答える気はないらしい。

「どういうつもりだよ……っ」

「どういうって、オマエに教える筋合いはないだろ?」

「う……」

 ニヤニヤしながら見下されるのが、めちゃくちゃ悔しい。

「た、確かにそうだけど……!」

 俺がそのまま言い返せないでいると、神田はすぐに穏やかな表情に変わった。

「……安心しろ。そもそも、水曜日のは告白なんかじゃねーよ」

「へ?」

 間の抜けた声が出てしまった。

 告白……じゃない……?

 だったら、何だっていうんだ……?

 だって綾人は……。

 そんな俺から目を逸らし、神田は今度は綾人を見る。

「月島」

「!」

 突然名前を呼ばれた綾人は、ビクリと肩を震わせる。

「やる」

「え……っ」

 神田がポケットから何かを取り出し、綾人に向かって放り投げてきた。

 それは小さな猫のぬいぐるみだった。

「オマエら待ってるとき、ヒマだったからゲーセンで取ったんだけど……いらないから、やる」

 そう言って神田は俺達に背を向け、歩き出す。

「あ、ありがとう……っ!」

「おう」

 神田は前を向いたまま、右手を軽く上げる。

 綾人の礼は、ちゃんと神田に届いたようだ。

 キザというか、なんというか……。

「何もらったんだ?」

「んとね……」

 綾人はもらった小さなぬいぐるみをじっと見つめる。

「はっ……! これ、『猫童話シリーズ』の『にゃんデレラ』だよ……っ!」

「……なんだって?」

 猫童話……?

「いっちゃん、知らないの!? 今、女子高生に人気の『猫童話シリーズ』! 猫がいろんな童話のコスプレしてるんだ。結構昔からいたキャラクターなんだけど、何故か今、爆発的に人気になってきたんだよ! 昔のグッズなんか、プレミアついてるのもあるんだから!」

「へえ……」

 早口で説明されるが……興味が全くない。

 というか、詳しいな綾人……。

 オマエ、女子高生じゃないだろ。

 そういやコイツ、昔から可愛いキャラクターものが好きだったっけな。

「……『にゃんデレラ』ってことは、シンデレラに由来してんのか?」

「…………」

「……綾人? どした、ボーっとして」

「な、なんでもないよ!」

 綾人は慌てたように首を振るが、すぐに視線をそのぬいぐるみに移した。

「やっぱり、神田くん……いい人だねっ!」

「……単純」

 子供のように喜ぶ綾人に聞こえないよう、小さく呟いた。



 *一二月二三日 土曜日 商店街



「フフフーン」

「うるせえ」

 横で鼻歌を歌う幼馴染を睨み付ける。

 その手にはさっき買ったばかりの、服屋のロゴが入った紙袋を持っていた。

 昼をファストフードで簡単に済ませ、その後服が欲しいと言うので、前回と同様古着屋で買い物をしたのだ。

「…………」

 それにしても。

「告白じゃない……」

 俺の頭は、まだ神田の言った言葉がグルグルとまわっていた。

「なあ、綾人。オマエ本当に告白現場見たんだよな?」

「ええー……改めてそう言われると」

 綾人は眉毛を八の字に下げる。

「……またモノマネする?」

「今度こそぶっ飛ばすぞ」

「うわ、暴力反対」

 そう言って頭を抑える。

 この話題に関しては、これ以上進展することはなさそうだ。

 ぴょんと、俺から距離を取った綾人が、進行方向を指差す。

 先の広場に、運動会の来賓席のようなテントが設営してあった。

「ねえ、いっちゃん! あっちでクリスマス特別抽選会やってるんだって。古着屋のお兄さんが、教えてくれたんだよ」

 ああ……そういえばそうだったな。

 服を買ったから、抽選券もらったんだっけ。

「ま、頑張って当ててくれ」

 ボックスティッシュを。

「うん! がんばるよ! あ、いっちゃんこれ持っててね」

 綾人は俺に紙袋を渡すと、抽選会場へと走っていく。

 俺は前回と同様、近くの木製のベンチに腰を下ろし、隣にズボンの入った紙袋を置いた。

 ベンチは冷え切っていて、尻が冷たい。

「そういえば、前ここで渋谷を見たんだっけ……」

 ベンチに座りながら、ふとそんなことを思い出す。

 すると、目が勝手に転校生を捜していた。

「…………」

 ……いないな。

 まあ、多少の時間のズレもあるしな。

 知っていることをうまく利用して未来を変えるって、難しいことなんだな。

「いっちゃん……」

「あ」

 そんなこんなで、綾人がフラフラと戻ってきた。

 ……フラフラ?

「いっちゃん……どうしよう……」

 しかもボックスティッシュ持ってないぞ?

 それじゃあ、なんで……。

「三等、当てちゃった……」



 *一二月二三日 土曜日 公園



 街灯の点いた公園には、俺達以外はいなかった。

 近くの家から、夕食のカレーの匂いが漂ってくる。

「で。三等は、『ホテルのディナーペアチケット』だったと」

 三等賞品と書かれた紅白の封筒を、空に透かして見る。

 薄っすらと、駅前にある高級ホテルの名前が書いてあるのが見えた。

 高層ビル群に囲まれた一等地にあるホテルで、確かつい最近オープンしたばかりものだった気がする。

 イーストなんとかっていう大企業がホテル業にも手を出したとかで、一時全国ニュースにもなっていたところだ。

 前回はボックスティッシュだったのに、どうなったらその結果につながるんだ。

 マジで、未来を変えるなんて不可能なんじゃないのか。

「そうなんだよー! 前の人が靴紐結び直すから先どうぞって譲ってくれたんだけど、そのおかげで引いちゃってさ!」

 立ったままさっき買ったばかりの甘ったるいココアを飲む綾人。

 ベンチにもだいぶ雪が積もっていたため、座ることができなかった。

「オマエの両親にでも渡してやれよ」

 俺は封筒を綾人へ返した。

「うん……そうだねー……そうするー……かな……」

 曖昧な返事。

 ……渡す気あんのか、コイツは。

 吐きだした白い息。

 ゆっくりとした、時の流れ。

 なんだか贅沢な時間の過ごし方だ時思った。

「ふー、おいしかった」

 ココアを飲み終わった綾人は、何故かゴミ箱と三メートルほどの距離で向かい合っていた。

「何してんだ?」

「シュート!」

 スッと……わりと綺麗なフォームから投げられた空き缶は、ゴミ箱のフチに当たって地面へと落ちた。

「ヘタクソ、その距離で外すな」

「だってぇ……」

「…………」

 足元に転がる空き缶を拾う。

 地面にも薄っすらと雪が積もっていた。

「帰るぞ」

 俺はその空き缶を、綾人と同様にゴミ箱へ放り投げる。

「あ、入った……」

「フ……まあ俺の実力があればこんなもんだ」

 髪をかき上げてみる。

 昔からこういうのは得意な方なのだ。

「……ねえ、いっちゃん」

「なんだ? 称賛の言葉ならもっとくれてもいいぞ?」

 綾人頭の上に手を置く。

「えと……ボクのズボンどこ?」

「え……?」



 *



「見つかって良かったよぅ……!」

 綾人は大袈裟に紙袋を抱きしめた。

 あの後俺達は先週と全く同じパターンで、商店街に戻り、ベンチにちょこんと置かれていた紙袋を何事もなく見つけたのだった。

「なんで同じ行動をとるんだ俺……!?」

 たかが一週間前の過ちを繰り返してしまう自分に、逆に驚く。

 次は隣に置かず、ちゃんと手で持っておこう。

 次があるのかは不明だが……。

「いっちゃん……」

 綾人が俺の背中をつつく。

「今度はなんだ?」

「あそこにいるの、煉くんと……神田くんじゃない?」

 綾人が指差した先、確かに委員長と神田がいた。

 ここから結構距離があるのに、綾人のヤツよく気が付いたな。

 委員長はグレーのピーコート姿。

 神田は朝と同じ服装に、マフラーがプラスされていた。

 いかにもガラの悪そうな……メッシュがたくさん入った派手な色の頭のヤツと一緒に路地裏へ入っていく。

 ああ……あったな、こんなこと……。

「そういや……」

 確か路地裏に入った瞬間、あの二人……消えちまったんだよな。

 まるで、魔法みたいに。

「よし、今度こそ……」

「え、いっちゃん。どこいくの……!?」

 俺は、二人が入って行った路地裏へ急いで向かう。

 委員長達より少し遅れて、そこを覗き込んでみるが……。

「うわ、もういない……」

 覗き込んだ先は、真っ暗な道が続いているだけだった。

 とりあえず奥に進んでみるが、やはり二人の姿を見つけることは出来ない。

 先週は一番奥まで行ったが、空き地で路上ライブしようとしてるヤツがいただけで委員長達はいなかったんだよな。

 こんな場所に、食事をするところなんかどう考えても無いだろ……。

「ちくしょー……」

 また、見逃してしまった。

 アイツら、忍者かよ……。

「い、いっちゃんすごいね……こんな怖そうな場所、一人で……」

 後ろから綾人が顔を出す。

「え……あ、まあ……」

 前回はかなり躊躇した記憶があるが。

 一回行ったことあると、恐怖心ってなくなるもんなんだな。

「戻るか……」

 二人を捜索することは諦め、綾人を連れ元いた商店街に向かう。

 やはり路地裏と違って、商店街は安心するくらい明るい。

「何やってるんですか、先輩?」

 聞き覚えのある声に振り返ると、そこには前回と同じ、黒いダウンコートを着たモデルのようなヤツが立っていた。

 実際、モデルなんだけどな。

「悠希……」

「こんばんは」

 いつも通りの屈託のない笑顔に、思わずこちらの気持ちも穏やかになる。

「…………」

 しかし、綾人の表情は強張ったままだ。

 本当に仕方ないヤツめ。

「だいぶ冷え込んできましたねー」

「ああ……そうだな」

「ところで先輩。この辺は夜になると、ガラの悪い人達がうろつき始めるから危ないですよ」

「ああ……」

 それは前回も言われて知ってるんだが……。

「もしかして、神田先輩でも見たんですか?」

「え……」

「やっぱりそうなんですね。神田先輩なら、たまに見るんですよ。ガラの悪そうな人達と一緒にいるところを、ですけど」

「…………」

 昼間会った神田は……。

 とてもそんな風には見えなかったけどな……。

「アイツ、やっぱり危ないヤツなのか?」

「危ない? ああ……例の噂の話ですか?」

 どうやら悠希は何でも知っているらしい。

 交友関係広そうだしな……。

「まあ、危険といえば危険かもしれないですね。もちろん、敵に回せば……ですけど」

 どういう意味だ?

 しかもいつもの悠希と雰囲気が違うような……。

「……ねえねえ」

 綾人が急かすように俺の袖を引っ張ってくる。

 なんだか顔色が良くない気がする。

「それじゃあ、忠告に従って帰るとするよ。というか、オマエも早く帰れよ有名人」

「はい、そうします。雪の量も増えてきましたし、風邪ひいたら嫌ですしね」

「それじゃあな」

「さようなら、先輩」

 悠希は顔の横で小さく手を振る。

 その笑顔は、いつまでも俺達を見送っていた。



 *一二月二三日 土曜日 就寝前



 夕食と風呂を済ませ、部屋のベッドでくつろいでいると、窓を軽く叩く音がした。

「ったく……」

 読んでいた漫画を閉じ、身体を起こす。

 カーテンと窓を開くと、降り続いている雪が室内に入り込んできた。

「やほー」

 隣の窓から、綾人が顔を出してくる。

「ねこさんいないから、静かになっちゃったねー」

「まあ……そうだな」

 まだ部屋の隅に置いてある、空になったケージを見る。

 綾人の言う通り、たった二晩だけ一緒に過ごしただけだったが……寂しいもんだな。

「そういや……ディナーチケット、渡せたのか?」

「えーと……ううん」

 綾人は窓の縁にもたれて否定した。

「なんで」

「……だって」

 オドオドした様子で目を伏せる。

「なんなら、俺が渡してやろうか?」

 毎食のお礼も言いたいし……。

「それはダメっ!」

 そこは、ハッキリ拒否されてしまった。

 本当、俺には容赦ないよなコイツは……。

「だったら、ちゃんと自分で渡せ。これを機に、会話が増えるかもしれないだろ」

「……うん」

 渋々だが、綾人はハッキリと頷いた。

「んな緊張すんなって。もし、オマエがちゃんと渡せるって約束するなら……明日クリスマスパーティーを開いてやる」

「え……っ」

 心底驚いたように、綾人が目を見開く。

 失礼なヤツだな。

 せっかくのクリスマスイブをオマエのために使ってやろうというのに……。

 ……あ。

「そうか。オマエ、確か用があるんだったよな」

 クリスマスは一緒に過ごせないって、そういえば、前から言われていたような気がする。

「え……あ……ううん」

 歯切れの悪い返事だ。

「あの……昼間はダメだけど……。でも……夜は平気……っ! たぶん、帰ってこれる……」

「え、そうなのか?」

 この前は深夜になっても帰ってこなかったよな……。

 夜帰ってこなかったのは綾人の予定にない、急なことだったのだろうか?

「本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫!」

 その力強い返事に、俺も思わずテンションが上がってくる。

「それじゃあ、明日の夜はクリスマスパーティーだ!」

「おー!」

 綾人もそれに乗っかってきた。

 やっぱり綾人は……笑顔の方が落ち着くな。

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