第7話 しっかり確認してから行動しよう

「大変お待たせいたしました。

 申し訳ございません、こちらの手違いで誤った金額を請求していました」

「やっやっぱりな!そうだと思ったんだこんな金額おかしいに決まってる」


 国王はホッと一息をついた。

 1億Gと見た時は心臓がバクバクだった。

 ポンと渡せる金額ではないほど高額な為本当に嬉しかった。


「申し訳ございません、正しい金額は転生者料金1億Gと速達料金4億G

 合わせ合計5億Gになります」

「5億Gだな!分かったすぐに振り込もう」

「承知しました。以前と同様請求書を流させてもらいますね、またのご利用お

 待ちしております」


 電話を終えたと同時にインバーターから請求書が送られてきた。

 国王は請求書を確認した。


「おーよかったよかった、5億Gで、で?・・・5億G・・・?

 あれ?・・・・・金額増えてるじゃないか!!」


 国王は金額が増えた事に気づいていなかった。

 むしろ最初提示された金額の5倍の5億G増えていた。

 国王は慌てて再び電話を取り、インバーターに連絡をした。


「お電話ありがとうございます!

 こちら56530番イン—―――」

「それもうはいい!なんだこの金額!さっきよりめちゃくちゃ増えてるじゃな

 いか!」

「えぇ、そちらはお客さんが電話してくださってこちらが速達料金を入れ忘れ

 てたのを教えてくださった分が含まれていますのでそちらの5億Gで間違い

 ないです。」

「なんだとーーー!私のせいにするのかお前!

 お前じゃ話にならない、一番偉い奴を連れて来い!」

「その前に一つご確認したい事があるのですが…よろしいですか?」

「なんだ?」

「こちらインバーターに連絡してこられたと言う事はチラシを見てもらったと

 思うんですけど」

「あぁ、そうだ。」

「内容確認してからこちらに電話しましたか?」

「内容?」


 国王はチラシを手にし、内容の確認をした。

 

 

 何か困った事があったらインバーターにご連絡を!!

 あなたの世界に最強の転生者を

 依頼でも護衛でも何でも可能!

 依頼値段 1億G   

 護衛値段 内容しだい5000万G

 配送時間 3週間〜1ヶ月

 ※別世界の為配達まで時間がかかります。

  速達の場合は4億Gかかります。

 住所   テュポン710+229-8=931

 電話番号 56530番


 

 とインバーターのチラシに書いてある。

 国王は内容を見ると顔がドンドン青ざめた。

 依頼値段1億G、速達の場合4億Gと先ほどインバーターのサポセンが言ってた通り書いてあった。

 国王はしっかりチラシの内容を確認していなかった。

 緊急だったこともあり見れなかったのだ。


「えーとご確認できましたか?」

「あぁ今ちゃんと内容を見た。

 …だっだが!こんな金額おかしいに決まってる」

「そのような事言われましても決まりは決まりなので」

「だっだが!」

 

 国王の言い訳に痺れを切らしたアイン。

 先ほどまで優しく対応してくださったのが嘘のように態度が180°変わった。

 

「てめぇー、さっきからごちゃごちゃうるせーんだよ。

 お前はとっとと金だけ払えばいいんだよ、これ以上駄々こねるようだった

 らそっちにいる人見にお前の国滅ぼさせるぞ」

「えっ、はっはい……払います」


 アインの態度に国王は怖くなり仕方なく了承をしてしまった。

 ほぼ強制だったが。

 国王から支払いの返事を受けアインの態度は元に戻った。


「ご支払いの返事ありがとうございます!またのご利用お待ちしております」

「はっはい」


 国王はアインに敬語になってしまっていた。

 電話が終わったと思い国王は電話を切ろうとした瞬間ボソッとアインの声が聞こえた。

 それは恐怖だった。


「バックレようと考えんなよ、見てるからな」

「ヒィィ!」


 国王はすぐに電話を切った。

 怖くなってしまった。

 声質的に20歳くらいの女にボロクソ言われ、心もやられもう、もう国王は

 

 なんだったんだ、あの女アイン。

 恐ろしく強い罵倒、俺じゃなかったら立ち上がれないよ(泣

 うぅぅ……。

 払うしか無いのか、あいつ(人見)に暴走されても困るし、、

 


「あっそうだそうだ!国王、依頼完了ってことでいいんだよな?」 

「あぁそうだ、お前の依頼は終わったぞ」


 確かに人見にお願いした依頼は終わった。

 もう用済みなのだ。

 ここで国王はある事に気づいた。


 そうだ!

 依頼は終わったんだ!

 それだったらこやつ(人見)をとっとと帰しちゃえば金払わなくってすむ!

 そうと分かれば・・・


「おぉー助かった、本当に助かった、いやーえ!もう帰るのか!

 いやー本当に残念だ」

「えっ?俺何も言ってない」

「そうかそうか、うんそうだよな、また機会あったら話そうではないか!」


 国王は人見の背中を押し受話器の方に移動させた。


「さっさ、疲れただろう?早く帰りな!」

「ちょ、ちょまてよ!」


 人見は国王の手を振り払った。

 

「どうしたんだ、早く帰れよ」

「うん、もう直球だな、

 てゆうか見てないのかよ?ほら、そのチラシの一番下見てみろよ」

「んん?」


 国王はインバーターのチラシを確認する。

 人見が言っていたチラシの一番下になにやら文字が書いてある。

 小さな文字で何かが書いてあった。

 目を細め文字を確認するとそこに書いてあったのは――――



 ※転生配送料が高い為返品は取り扱っていません。

  責任とって大事に育ててください。


「はっ?これはどうゆう意味だ!」

「そのままの意味だぞ、俺様もこれからオンバで暮らすからよろしくな」

「なんだとぉーーーーーーー!」

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