第9話








「でっきるかなー、でっきないかな~」


「はてはて、hoo hoo」


 さて、今夜のクラフトタイムのお時間です。


 まずは、木製スコップから。

 コレはスコップと言うよりも、どっちかと言うと鋤に近いかな?

 まだ切った木から板にできないので、流木の板状のものを使用してます。


 流木なら割と、形がそれっぽいものは見つかるのだが、やはり流木なので、強度に不安がありますが、まあ、使い捨てぐらいの気持ちで、いくつか作っておきましょう。

 あとは、ツルハシの頭の部分。

 片方がとがっている片手持ちのでいいかな?先がとがっているクワみたいなの。


 石をすりすりしょりしょりするよりも、先に大き目の石を割って、割れた石の尖ってるのをすりすりして形整えるのが楽かな?

 初日は、それっぽい石を探して一生懸命にごりしょりし続けてたけど、それはそれでスキルが上がったような気も?

 こんどは、カンカンと石を割りつつ、それっぽいのをすりすり。

 打製石器を作りつつ、磨製石器も作ってたので、これで、打撃スキルと、擦りスキルが上がるに違いない。


「って、擦りスキルってなんやっ!?」


 削り?摩擦?

 それともネタを擦るのがうまくなるのか?

 確かに自分けっこうネタは擦るタイプなのだけど―――


 ―――あ、ちがいますよね。そういう話じゃないですよね。

 はい、わかっています。


「研磨スキルのことですよねー」


 わかっていますとも。


 宝石研磨とか、そういう風なやつ?

 いずれそっちでもスキル活用できるんかなぁ。


 宝石だと道具には利用できなさそうなので、アクセサリー関係かな?

 ステアップとか、特殊効果とか、もりもりでつけたいところですね。


 川が見つかれば、川原に流されてきている可能性も。。。

 場所によっては水晶、翡翠、瑪瑙、柘榴石あたりは川原で見つかる可能性があるって話だっけ。


 日本ではそうだったって話だけどね。

 でもまぁ、原理的には一緒のはず。

 長い年月の中、山の岩が石となって川の流れに流されて、流れに流れて削られて、川辺にたどり着いて河原に数多ある石となる。

 種類は違えど、ここの土地にある宝石、鉱石は流れ着いてるはず。

 海につながる川があれば、そのあたりの砂利浜にも流れ着いてる可能性はあるけど。


「川は見つかってないんだよなぁ」


 探索の結果、川があるようなら、そっちを拠点にしてもいいかな。飲料水にできそうなら、海水を浄水するよりも簡単に浄水できそう。

 海辺は塩と魚介類を採るには便利だけど、水を抽出するのはめっちゃ大変。



 あ、魚介類と言えば、砂浜に仕掛ける魚の罠籠作らないとね。

 海の中に保管してた貝を食べられた?可能性があるので、食べられないように罠を仕掛けて、ついでに魚が獲れればベストかな。



 ツタを使って、編み編み網。



 あーみあみ



 二度目だからか、スキルのおかげか、もう手慣れたもんですよ。

 罠籠はどうせ消耗品のようなもんだし、いっぱい使うと思うのでいくつか作っておこう。



 あーみあみ



 砂浜ならキスとかカレイ、あとハゼ辺りが獲れるといいなぁ。

 キスのてんぷらとか、カレイの煮つけ、ハゼのから揚げとかめっちゃ好き。



 あーみあみ




「まぁ、油も醬油もないけどねぇ―――」



 油は獣脂か植物油があれば、なんとか使えそうだけど、醤油は流石に難しそう。

 スキルで何とかなればいいんだけど。調理スキル辺りを育てていけば何とかなるかなぁ。


 って事はやっぱり、せっせと料理しないと。

 魚獲りつつ、すぐ出来そうな調理法の焼きと、あと煮炊きに挑戦しよう。


 煮炊き用の土器を作るためにも、粘土状の土の採取が必要になってくるので、明日は土の採取をさっさと済ませて、土器作りにチャレンジ。

 乾燥と焼きが必要なので早めに準備しないとね。



 さて、寝る必要はないみたいだけど、明日のために、ゆったり横になっておこう。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る