第8話 コンビ

プレイヤーになりたいと声をかけてきた女。石動流美、るみでいいと言っていたけど、急に名前でも呼びずらい。


「ねぇねぇ!なんかこういうの決めた方がいいってのある?」


「・・・強いて言うならどうやって戦うかのスタイルかな。」


「スタイル?」


「手に入るスキルにもよるけど、俺ならヒット&アウェイに徹するとか。」


「そうだね・・・じゃあ回復とかできる前衛になりたいかな。」


まあソロでやるならそれが一番だと思うけど。


「ほら、君と二人だとさ、回復いないと困るじゃん?」


「えっ?」


「えっ?もしかして見捨てるの?」


「いや、依頼されたの協会まで連れてくだけでそのあとのこと頼まれてないし・・・」


「ふーん・・・」


なんかすごい目で見られてる・・・


「はぁ、スキル手に入れてからな。」


そんなこんなで話していたら協会に着いた。中に入り手続きを行うために窓口に向かう。


「あの、プレイヤー登録したいというかプレイヤーになりたいって子連れてきたんですけど・・・」


「あら、修斗君。貴方も隅に置けないわね!」


「あ、そういうの良いんで。」


そういうと受付のお姉さんは石動の前に行き手を握ってブンブン振っている。コミュ強こっわ。


「じゃあ修斗君もついてきて。」


なんで・・・


「ここのダンジョンに入ったらプレイヤーになれるわ。」


「なんで俺も?」


「プレイヤーになったらすぐに下の階層に突っ込んでケガをする馬鹿が絶えないのよ。だからある程度の実力者を同伴させる決まりなの。」


あぁ、そういう。

気を取り直してダンジョンに入る。石動の目の前にポップアップが出てくる。あ、これ他人にも見えるんだ。俺ソロだから知らなかった。


「何これ?SR『音響』?」


「ちょっと使ってみて。スキル名言ったら発動できるはず。」


「えっと、スキル『音響』」


石動を中心に音が発せられダンジョンが大きく揺れる。


「おおっ!すっげ!防御にも攻撃にも使えるいいスキルだ。」


「じゃあ早速もぐろう!!」


「まあ今日はすぐ下の階層で慣らすだけね。」


「あ、ではこちらの武器をプレゼントしますね。」


「あ、ありがとうございます。」


ショートソードが渡される。


「R等級の武器ですので最初の階層の敵なら問題なく扱えるはずです。」


「やったー!」


のんきに言ってるけどこれから下手すりゃ死ぬこと自覚してるのかな?


「ほら、気抜くな。下手すりゃ死ぬんだから。」


「りょーかい!」


本当にわかってんのか?


二人で階段を降り、クリアリングをして敵がいないことを確認、歩き始める。


「おっ、あそこにゴブリンいるじゃん。あ、でもデカいのいるな。」


「無理め?」


「あぁ、俺が先行してデカいのとその他殺すから、残ったやつにスキル使って戦って

みて。」


そう言い残し俺は走りでかいゴブリンの首を刎ねる。そして10匹いる小さいゴブリンの内7匹を斬撃を飛ばし殺す。


「スキル『音響』!」


爆音でひるんだゴブリンの脳天に剣を叩き込む石動、それを見たゴブリンの一匹がと

びかかるが、音の出力を上げ吹き飛ばす。


「見て見て!!超すごくない!?」


そういいながらぴょんぴょんと飛び跳ねる。


その後ろからギリギリ生きていたゴブリンがよろよろと立ち上がり襲い掛かろうとしていた。


「気を抜くなって!」


斬撃を飛ばしゴブリンをバラバラにする。


『レベルが上昇しました。』


Lv20→21


『スキルを獲得しました。』


・Rスキル:発射

《自身が触れたものを発射することができる。射程距離15m》


そこそこいいスキルだな。これなら発熱で発生した炎を飛ばすことができる。


「あ、レベル3になった!」


「なんかスキル手に入ったか?」


「うん。えっとね、Rスキル:察知だって。」


「下に説明書いてない?」


「んと・・・5m以内に危険が迫った時に感知することがあるって。」


さすがにRだとそのくらいの効果になるか・・・レベル上げたら範囲が広がるのか制度が上がるのか・・・


「まあそのスキルは発動したらいいくらいの認識で使おうか。」


「うん、じゃあこの落ちてるの拾ってから帰ろっか。」


なんか落ちてる・・・俺の時落ちてないのに、なんだこれ。


「魔石ってやつかな?もってこー!」


なんかテンション高くない?


受付に石を渡すと、そこそこの値段で買い取ってくれた。


代金を折半し帰途に就く。

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