ニコイチッ!
たかてぃん
第1話
「最後まで見てくれてありがとう!この動画がいいと思ったらチャンネル登録と高評価よろしく!」
カメラの録画を止めて地面にへたり込む
エンジェル潤チャンネルを初めて1年、、、
チャンネル登録者は1400人、平均視聴数は120回、投稿数は320、、、
なぜか伸びない、、、動画自体は面白いと思う
だって、コモドドラゴンに追いかけながら火の輪くぐりしてみたとか、体に豚バラ肉巻いてライオンと一夜を過ごしてみたとか絶対面白いのに
ピロンとスマホに通知が来る。
どんなに辛い時でも動画にコメントが付いた通知だけで頑張れる
『雪乃:今日の動画も面白かったです!潤さんの動画で明日も頑張れます』
「雪乃さんか、、、毎回1コメで応援コメントは泣くって、、、」
固定のファンはいるが今の現状、仕事としてYouTubeを続けるのは厳しい
今年いっぱいで結論を出さないとな、、、
とりあえず、動画編集するか、とまたPCに向かい合う
辞める理由を探すために
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「みんなー!!!今日もありがとう!最高のライブだった!」
舞台に立つ女の子の一声で数万人という観衆が湧く
『シャイニーエンジェルサイコー!!!』
『ゆめちゃーーーん!』
場所は控え室に映る。
「ふぅ、今日のライブも大成功だったぁ」
男勝りに椅子に座るシャイニーエンジェルのリーダーゆめかの言葉に対し、メンバーは大はしゃぎ
「ゆめかのMCも良かったよ!」
「まさか武道館でライブ出来るなんて思って無かった!」
とそれぞれが喜んでいる中、ゆめかが切り込む
「ただひとつ言うとしたら、ゆきの!あんたはもっと主張しなさい」
「うぅ、ごめんなさい、、、」
ゆきのは存在感がなく、握手会0人の記録を持っており、特定の人達からはネタにされているそんなような存在であった。
「はぁ、あんたは可愛し、メンバーの中でも1番頑張ってるんだからもっと前に出てきて欲しい」
「ありがとう、、、私、頑張るね」
ゆきのは家に着くとベットに倒れ込む
スマホを充電して、YouTubeを開く
どんなに疲れて大変な時でもこの時のために頑張れる
「あ!今日は動画アップされてる!今日の動画は、、、」
【コモドドラゴンから逃げながら火の輪くぐりしてみた(コモドドラゴンは予算の都合上、CGまたは、チワワとなっております)】
思わず吹き出してしまった。
「この人馬鹿だなぁ」
その馬鹿らしさを毎日おってしまう。
自分の悩みなど全て吹き飛ばしてしまうほどに笑えて、毎日の活力を貰っている。
また明日も頑張ろうって
ゆきのは疲れからか動画を見終わってそのまま眠りについた。
翌日
朝起きるとマネージャーからLINEが来ており、事務所に来ていた。
「ゆきの、プロデューサーが呼んでるから一緒に来て欲しい」
マネージャーに連れられ、ゆきのはプロデューサーの元へ行く。
3回ノックしたあと部屋の中から「どうぞ」と聞こえたので中に入る。
「忙しい所ありがとう。最近の調子はどう?」
「最近、、、ですか、ずっとになるんですが皆がフォローしてくれてるから元気にやっていけてます!」
「そうか、、、」
プロデューサーはそう言い終えると長いため息の後、ゆきのにとって最悪の一言を告げる。
「シャイニーエンジェルを卒業して欲しい」
反応が出来なかった。というより、理解が出来ない。
卒業?どういう事?なんでプロデューサーは私に卒業しろと?
「どうして!」
「1人だけ実力が伴ってない。もう決定した事だ。」
プロデューサーはそう言い終えるとそっと私の肩に手を置き、一言だけ
「すまなかった、、、」
1人になったゆきのの頬に一筋の涙が溢れた
………辞めたい者、辞めたくない者
2人の物語が始まる
ニコイチッ! たかてぃん @takatin1020
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