第2話 お手伝い(?)

 4月某日、いつもの様にゲームをしていると、


「初太郎様〜」


 お姉さんに呼ばれた。多分お手伝いだろう。

 お手伝いは一つこなすと1ポイントがもらえ、これを僕やお姉さんはお手伝いポイントと呼んでいる。ちな、1ポイントで好きな物を買って貰っている。この前は美少女フィギュアを買って貰った。(第1話参照)

 方向的に風呂だろうか、風呂掃除だろうか。行くしかねぇ。


「はーい」


 とりあえず返事をし、その後洗面所へ向かった。

 ……何かって貰おうかな。



 洗面所の扉を開けると、ほんのり塩素の香りがした。今日は浴槽だけでなく、壁などの掃除も行うのだろうか。だったらポイントは今日は2倍だな! ……多分。

 塩素を使用していたからか、風呂の扉はしまっていた。

 

「お姉さん来たよ!」


 胸を高ぶらせながら風呂の扉を開けると——


「ふぇ?」


 ——全裸で浴槽に入ったお姉さんが居た。

 塩素の香りはしなかった。いや、嗅覚よりも視覚に集中しているだけなのだろうか。

 お姉さんの双丘。それが一番に目に入った。

 白くつやがあり、水に浮かぶその胸は正に島、二つの島だった。これこそがダブルおっ○いアイラン——

 そういえば、お姉さんに呼ばれてたのだった。

 お手伝い……? シてほしいのだろうか。

 ……お姉さんに限って性欲が無い訳ではない。お姉さんだってメスだ。もしかしたらそういうことがあり得なくはな——


「しょ、初太郎様。そんなに見られると私も恥ずかしい物です」


 そう言い、赤面させながら恥ずかしそうに手で胸元と股を隠すお姉さん。羞恥プレイも中々悪く無い。

 ……じゃなくて! 何故お姉さんが僕をここに呼んだのか! お手伝いの内容!


「っあ、ごめん。お姉さん、僕に何か用があった?」


 率直すぎないか、そう思ったが別に変では無いだろう。

 

「あの……その……大変申し上げにくいのですが……」


 お姉さんの顔が徐々に赤くなっていく。

 やはりここでヤるのだろうか。発情期に入ったからなんとかしてもらいたいのだろうか。


「パジャマ……後下着を持って来て下さい、お願いします……ご主人、様……ブクブクブク」


 そう言いお姉さんはお風呂に口と鼻を沈め、息を吐く。この際、お姉さんの吐いた息はブクブクブクと気泡になる。

 何というか……あざといな。

 そういえば、お姉さんは何かミスをしてしまった時には、何故か僕を『初太郎様』ではなく『ご主人様』と呼んでくる。反省の意をしめした行動なのだろうか。だけど——



「ご主人様♡ おかえりなさい、お風呂にしますか? ご飯にしますか? それとも、ワ・タ・シ♡?」


 お姉さんが裸エプロンでこちらによって来る。

 僕はそのまま深くキスをした後に、ベッドへとお姉さんを連れ込んで——



 って何妄想してるんだよ! メイドのご主人様呼びはエロいけど!

 要するに、下僕っぽくなるのだ。すごくエロいのだ。

 いつもはしっかりしているお姉さんが急にドジっぽくなる。コレがギャップ萌えって奴か?


「わかった、ならば洗面所からした塩素の香りは何だったの?」


 僕はお姉さんに密かに思っていた事を聞く。


「ご主人様、それはですね……洗面所を塩素系の洗剤で洗ってただけです」


 全く風呂掃除じゃ無かった。僕のポイント2倍が……

 

「そっか、パジャマと下着で良いんだよね?」


「そうです、お願いします」


 お風呂の扉を閉める。ついでにポジションを調整する。

 中1に巨乳お姉さんの全裸姿は刺激強いって……まぁ。勘違いを起こした僕も悪いけど。

 お姉さんの部屋は2階、寝室の奥の部屋だ。だからまずは階段へ——

 ——っと、その前にもう一度風呂の扉を開けた。


「お姉さん、これってお手伝いポイント入る?」



 お姉さんの部屋に来た。不思議といい匂いがした。

 ここにお姉さんの下着があるのか。ついでにパジャマも。

 ん〜、とりあえず……


「棚の量イカれてるんだよこんチキショー!」


 棚の量がエグいのだ。一つ、二つ、三つ、四つ……ざっと壁が埋まるレベル。ギリ届かないところにもあるし……

 

「おんりゃここテキトーに開ければあるだろおりゃあ!」


 ヤケになり、適当に自分の高さにある棚を開ける。

 するとそこにあるのは薄い服と、その上にウサギ耳のカチューシャだった。


「ナニコレ」


 思わず声にして言ってしまった僕は、そのままその下にたたまれている衣装を取り出し、開いてみた。

 それはバニーガールの衣装だった。

 太ももを一ランクアップさせる黒タイツに、着ると見えそうで見えないギリギリのラインを攻めてくる上着。エロいな……

 んじゃ他にもこの衣装はなんなんだ? ふとそう思い、バニーガール衣装の横にあった薄ピンクの衣装を取り出すと、ナース服だった。

 他にもJKが着そうな制服だったり、色々ある……って、違う!

 パン……下着とパジャマを探すんだろ! いやどうやって!


「取り敢えずここの棚のやつ全部見ればええやろ!!」



「ご主人様遅いです……何かあったのでしょうか」


 そうやって笑美は初太郎を心配すると、風呂の扉が開いたので少しホッとすると、


「お姉さん! パジャマは見つかったんだけど、下着が見つからなくて……どこ⁉︎」


 同時に呆れたのであった。

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