第2話 お手伝い(?)
4月某日、いつもの様にゲームをしていると、
「初太郎様〜」
お姉さんに呼ばれた。多分お手伝いだろう。
お手伝いは一つこなすと1ポイントがもらえ、これを僕やお姉さんはお手伝いポイントと呼んでいる。ちな、1ポイントで好きな物を買って貰っている。この前は美少女フィギュアを買って貰った。(第1話参照)
方向的に風呂だろうか、風呂掃除だろうか。行くしかねぇ。
「はーい」
とりあえず返事をし、その後洗面所へ向かった。
……何かって貰おうかな。
*
洗面所の扉を開けると、ほんのり塩素の香りがした。今日は浴槽だけでなく、壁などの掃除も行うのだろうか。だったらポイントは今日は2倍だな! ……多分。
塩素を使用していたからか、風呂の扉はしまっていた。
「お姉さん来たよ!」
胸を高ぶらせながら風呂の扉を開けると——
「ふぇ?」
——全裸で浴槽に入ったお姉さんが居た。
塩素の香りはしなかった。いや、嗅覚よりも視覚に集中しているだけなのだろうか。
お姉さんの双丘。それが一番に目に入った。
白く
そういえば、お姉さんに呼ばれてたのだった。
お手伝い……? シてほしいのだろうか。
……お姉さんに限って性欲が無い訳ではない。お姉さんだってメスだ。もしかしたらそういうことがあり得なくはな——
「しょ、初太郎様。そんなに見られると私も恥ずかしい物です」
そう言い、赤面させながら恥ずかしそうに手で胸元と股を隠すお姉さん。羞恥プレイも中々悪く無い。
……じゃなくて! 何故お姉さんが僕をここに呼んだのか! お手伝いの内容!
「っあ、ごめん。お姉さん、僕に何か用があった?」
率直すぎないか、そう思ったが別に変では無いだろう。
「あの……その……大変申し上げにくいのですが……」
お姉さんの顔が徐々に赤くなっていく。
やはりここでヤるのだろうか。発情期に入ったからなんとかしてもらいたいのだろうか。
「パジャマ……後下着を持って来て下さい、お願いします……ご主人、様……ブクブクブク」
そう言いお姉さんはお風呂に口と鼻を沈め、息を吐く。この際、お姉さんの吐いた息はブクブクブクと気泡になる。
何というか……あざといな。
そういえば、お姉さんは何かミスをしてしまった時には、何故か僕を『初太郎様』ではなく『ご主人様』と呼んでくる。反省の意をしめした行動なのだろうか。だけど——
*
「ご主人様♡ おかえりなさい、お風呂にしますか? ご飯にしますか? それとも、ワ・タ・シ♡?」
お姉さんが裸エプロンでこちらによって来る。
僕はそのまま深くキスをした後に、ベッドへとお姉さんを連れ込んで——
*
って何妄想してるんだよ! メイドのご主人様呼びはエロいけど!
要するに、下僕っぽくなるのだ。すごくエロいのだ。
いつもはしっかりしているお姉さんが急にドジっぽくなる。コレがギャップ萌えって奴か?
「わかった、ならば洗面所からした塩素の香りは何だったの?」
僕はお姉さんに密かに思っていた事を聞く。
「ご主人様、それはですね……洗面所を塩素系の洗剤で洗ってただけです」
全く風呂掃除じゃ無かった。僕のポイント2倍が……
「そっか、パジャマと下着で良いんだよね?」
「そうです、お願いします」
お風呂の扉を閉める。ついでにポジションを調整する。
中1に巨乳お姉さんの全裸姿は刺激強いって……まぁ。勘違いを起こした僕も悪いけど。
お姉さんの部屋は2階、寝室の奥の部屋だ。だからまずは階段へ——
——っと、その前にもう一度風呂の扉を開けた。
「お姉さん、これってお手伝いポイント入る?」
*
お姉さんの部屋に来た。不思議といい匂いがした。
ここにお姉さんの下着があるのか。ついでにパジャマも。
ん〜、とりあえず……
「棚の量イカれてるんだよこんチキショー!」
棚の量がエグいのだ。一つ、二つ、三つ、四つ……ざっと壁が埋まるレベル。ギリ届かないところにもあるし……
「おんりゃここテキトーに開ければあるだろおりゃあ!」
ヤケになり、適当に自分の高さにある棚を開ける。
するとそこにあるのは薄い服と、その上にウサギ耳のカチューシャだった。
「ナニコレ」
思わず声にして言ってしまった僕は、そのままその下にたたまれている衣装を取り出し、開いてみた。
それはバニーガールの衣装だった。
太ももを一ランクアップさせる黒タイツに、着ると見えそうで見えないギリギリのラインを攻めてくる上着。エロいな……
んじゃ他にもこの衣装はなんなんだ? ふとそう思い、バニーガール衣装の横にあった薄ピンクの衣装を取り出すと、ナース服だった。
他にもJKが着そうな制服だったり、色々ある……って、違う!
パン……下着とパジャマを探すんだろ! いやどうやって!
「取り敢えずここの棚のやつ全部見ればええやろ!!」
*
「ご主人様遅いです……何かあったのでしょうか」
そうやって笑美は初太郎を心配すると、風呂の扉が開いたので少しホッとすると、
「お姉さん! パジャマは見つかったんだけど、下着が見つからなくて……どこ⁉︎」
同時に呆れたのであった。
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