第21話 私ね……
「こんばんは、
いおりん。
……ねえ、
いおりん?
あのね、
相談があるんだけど……
笑わないで聞いてくれる?
この夏休み、
伊織君といっぱい出かけたり、
お喋りしたりできたんだけど……
それはすごく楽しくて、
嬉しくて、
毎日充実した時間だったんだけど、
あのね……
その……
全然不満はないんだけどね。
それだけじゃなくて、
……
…………
私ね、
いろいろと考えたんだ。
今までのこと。
この……
伊織君のことを考えてる時の、
私の気持ち。
私ね、
伊織君のこと、
……
好きだったんだな……
って。
今までは、
幼馴染みだからとか、
いつも一緒に過ごしてたからとか、
昔からの顔馴染みだからとか、
そんな風に自分で、
思い聞かせてたんだけどね。
でもね、
改めてね、
今までのことを、
振り返ってみたらね、
やっぱり私は、
伊織君のことが……
好きだったんだ。
それ以外、
考えられないんだもん!
こんな気持ちは!
だって!
今まで以上に、一緒にいたいし!
毎日、伊織君のことばっか考えてるし!
逆に私のこと、
もっと見て欲しいし!
優しくして欲しいし!
もっと……
そのぉ……
……
…………
……でもね、
こんなの迷惑かなって。
こんな気持ち、
私だけだったら?
伊織君に、
私のわがまま、
押し付けるだけだし。
だからね?
伊織君は、
どう思ってるのかなって?
私のこと?
私のこと……
おんなじ気持ちなのかな?
もし違ったら……
わからないの、
私……
苦しくて……
どうしよう?
ねぇ、いおりん?
教えて?
どうすればいいのかな?
私の気持ち、
伝えた方がいいのかな?
でも、伊織君に嫌われちゃったら……
伊織君は、
私のこと……
……
…………」
ぎゅ~~~っ!!
(……
…………
そっか……
結衣ちゃんは、僕のこと……
もちろん、僕も……
大好きだよ!
僕もおんなじ気持ちだよ!
今まで、一人で悩ませちゃってたんだね。
ごめね。
でも、ここは僕がしっかりと、
自分の口から結衣ちゃんに、
僕の気持ちを伝えないとね)
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