第14話 どんな子がね……

「こんばんは……


 いおりん。


 あのね……


 聞いて。


 今日の昼休みにね、

 伊織君がね、

 真島さんと、

 仲良く話してたんだよね。


 授業のことだと思うんだけどね。

 でもね、けっこう長い時間、

 ず~っと話してて……


 ……


 …………


 二人とも楽しそうで……


 時々、笑ったりなんかして……


 私と話してる時、

 あんなに楽しそうな顔、

 してないよ、伊織君。


 やっぱり、真島さんみたいに、

 綺麗で、明るくて、

 勉強できる子が好きなのかな?


 ……


 ……どうせ私、

 愛想ないし、

 可愛くないし、

 面白い話、できないし……


 放課後もきっと二人で、

 お昼の続きでも話すのかな?

 と思って、


 黙って私一人で、


 帰ってきちゃったんだ……


 ……


 ねぇ? いおりん?


 伊織君って、

 どんな女の子が好みなのかな?

 

 それが分かれば、

 私も真似したり出来るんだけど……


 ……


 どうせ、

 帰り道が一緒だから、

 私と帰ってるだけで、


 本当は真島さんみたいな可愛い子と、

 仲良く話しながら歩いた方が、

 嬉しいんだよね……?


 邪魔なのかな……私……?


 あ~あ、

 私も美人で頭が良くて、

 話上手だったらなぁ~~


 ブサイクだし、

 口下手だし、

 話題が思い浮かばないし、

 

 だからこうやって、

 いおりんと、話す練習してるんだけどね。


 でも全然うまく話せるようにならないし、

 伊織君の前では、

 本当に思ってること、

 伝えられないし……


 不思議だね、

 いおりんの前だと、

 こんなにも素直に話せるのに。


 あ~~ぁ~~


 なんで、うまくいかないんだろう。


 やっぱり私って、

 ダメな子なのかな?


 ねぇ、いおりん?」



 ぎゅ~~~っ



(……


 えっと……


 そのぉ……


 真島さんとは別に……

 授業の内容のことで、話してただけなんだけど?

 それ以上でもなんでもないんだけど?


 放課後も気が付いたら、

 結衣ちゃん、いなくなってたし?


 ……


 …………


 これって……


 嫉妬? なの……?


 僕は結衣ちゃんと

 一緒にいて楽しいよ。


 それに……


 ちゃんと可愛い女の子だから、


 心配しないでね)

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