第2話 帰りにね……

「こんばんは、いおりん!

 ねぇ、聞いて!


 今日ね、

 伊織君が話しかけてきてくれたんだよ!

 ほんと久しぶり!

 せっかく同じ学校に入学して、同じクラスになったのに、全然話すきっかけが無くて……


 すっ~ごく、嬉しかったんだ!!


 でもね……

 嬉しすぎて、なに話してたのか、全然聞いてなかったの。


 せっかく話しかけてくれたのに……

 私、ドキドキして、

 伊織君がなに話してたのか、

 ほとんど聞き取れなかったのぉ……


 だめだなぁ……私って。


 でも、たしか……

 私の部屋のことを聞いてたような?

 ぬいぐるみが……とか?

 あと、夜なにしてるの?とか?

 いつも何時くらいに寝てるの?とか……?


 ……なんでそんなこと聞いてくるんだろう?


 なんか……


 はずかしいなぁ~~


 はぁ……


 もっと色んなこと……


 お話しできたらいいのになぁ~~


 回りにみんながいると、

 やっぱり、恥ずかしいんだよね。


 できたら二人っきりで……


 学校の帰り道とか?


 昔はよく一緒に帰ったのにねー

 高校に入ってから部活とか委員会があって、なかなか一緒に帰れなくて……


 私、いつも一人……


 さみしいなぁ~~


 せっかく帰る方向も一緒なんだし、


 伊織君と一緒にお喋りしながら……


 帰りたいなぁ……


 そしたらきっと……


 あっ! もうこんな時間!


 じゃぁまたね!


 おやすみなさい!」



 ぎゅ~~~っ!



(……


 ……たまには、


 一緒に帰ろうかな)

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