第10話
庭に準備されている
彰吾は、子供の頃からの謎がやっと解けた、と感じた。
母親や父親に
今日は
猫神様は現れるだろうか。
宵を迎える前に丁寧に体を清め、装束に袖を通す。
「着かたを勉強したのか。でももう少しだな。まぁ、そのうちに慣れるさ。」
父親はそう言い、手直しをしてくれた。
「そろそろ行こうか。」と父親が立ち上がり、彰吾を裏庭に促した。
父親にならい彰吾も両手を合わせる。
しばらくそうしていると、
白い封筒をくわえている。
彰吾の近くで腰を落とし、優雅にしっぽを前脚に絡める。
本当に美しいお姿をされているな。
同じように封筒に手を添え、彰吾はそれを受け取った。
書かれていた住所は、2つ先の駅のものだった。
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