第2話
緊張からか、いつもより眠りが浅かったのかな。
彰吾は、朝から何度もあくびをしていた。
儀式か…どんな事をするのだろう。
出掛けに店先に掲げられていた貼り紙を思い起こす。
【本日は都合により、午后より閉店とさせていただきます。
ー店主】
「ひとまず、儀式を執り行おう、それからだ。」と父親は言い、特殊能力に関しては、一切説明をしてもらえなかった。
学校に行ってはみたが、夕方の事が気になり授業がとても長く感じられた。
裏庭に続く木扉を開けると、庭には
祭壇が祀られており、鯛や昆布、果物や干菓子なども、たくさんお祀りされていた。
テレビアニメで観たような、紐で結ばれた結界のようなものもある。
居間に入ると父親が、白装束の男性に話しかけた。
「息子の彰吾です。」
「あぁ、彰吾くん。久し振りだね。
本日は、心して務めさせていただきます。」
神社で遊び、時折お見掛けしていた頃より、歳を召して厳格さが増した印象の神主のおじさんがいた。
「…どうも、よろしくお願いします。」
こういう時に何と答えれば良いのかわからず、
モゴモゴと無難な返答をしてしまった。
神主さんが来るくらい、こんな物々しい感じなら言っておいて欲しかったな。
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