ウォルレル侯爵の居城にて

 ウォレル侯爵と共に居城の城下町に辿り着いたルシアス達が目にしたのはセレディア王国の南に領地を持つアルスト伯爵ディオンの配下の兵士や騎士達だった。


 隣国で同盟国であるセレディア王国がラーナドゥール国王を名乗るアルバート達との関係を崩しかねない行為だったが、ディオンは内密に侯爵領内の安全とルシアス達のバックアップのために兵を派遣してくれたのだった。


 流石にディオン自身が侯爵領内に来ることはなかったがディオンの存在に匹敵するであろう人物が城でルシアス達を出迎えた。


 その人物はアルスト伯爵夫人のソフィアだった。

 

 ソフィアは20年前のアルムガルド帝国との戦いで活躍した英雄の一人でアルムガルド帝国の兵士達に究極の破壊魔法であるメテオストライクの魔法を使ったのは有名な話しだった。


 そしてソフィアはマリオンの最初の弟子でもありルヴェーラの先輩でもある。


 ソフィアはマリオンの姿を見ると近づいてきた。


 「お久ぶりです!お師匠様!!」


 「久しぶりね、ソフィア。」


 「お久ぶりです、ソフィアさん!」


 「お久ぶりですね、ソフィア先輩」


 マリオンに続いてルシアスとルヴェーラがソフィアに挨拶した。


 「ルシアスもルヴェーラも皆、無事でよかった。」


 ルシアス達が話してる時にウォレル侯爵の臣下が報告をしに来た。


 「侯爵様、巨大なドラゴンに乗った女騎士がアカトス公爵様に話があると!」


 「ふむ、ルシアス様のお仲間ですかな?」


 「はい、ウォレル卿、恐らく私の仲間です。通してください。」


 ルシアスの言葉を聞いたウォレル侯爵は

その女騎士を連れて来るように言った。


 しばらくするとベアトリスがウォレル侯爵の配下の兵士に案内されてやって来た。


 「ルシアス様!ご無事で!」


 「ありがとう。ベアトリス、ラスター公達の決起は?」


 「一度は失敗しましたがレイノルズ王国の王女シエナ様と新設された竜騎士団のお力をお借りして港町を奪還しました。」


 「そうか!良く働いてくれた、ベアトリス、デイル達の元へと行き今日はゆっくり休んでくれ。」


 「ありがとうございます、ルシアス様」


 ベアトリスはルシアスの言葉を聞い手城の兵士に案内されてデイル達の元へと去っていった。


 「ウォレル卿、私はドラゴンのバルアに乗ってアルバート軍の動きを見に行きます。」


 「分かりました、ルシアス様をドラゴンの元へと案内しろ!」


 「ありがとうございます、ウォレル卿」


 「ルシアス!私も行きます!」

 

 「私もお供しますよ、ルシアス」


 「2人共、、、ありがとう」


 幼馴染のマナとルヴェーラの申し出てを受けてルシアスは感謝して承諾した。


 城の兵士に案内されてバルアの元へとやってきた三人はバルアにアルバート軍の動きを探るべくその背に乗った。


 「急ぎのようだな、ルシアスよ皆も落ちないように気をつけろ。」


 「バルア!よろしく」

 

 そしてルシアス達はバルアと共にアルバート軍の偵察に向かった。

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