港街の戦い
レイノルズ王国軍の船団はラーナドゥール王国の港町が見える距離まで近づいていた。
レイノルズ王国軍の船団に気づいたブランシュ伯爵の臣下は指示を仰いた、ブランシュ伯爵は港町から海に放つよう設置された砲台で威嚇射撃をするように命じた。
放たれた砲弾はレイノルズ王国軍の船団の前で落ちて水しぶきをあげた。
シエナの乗る船団の先頭の船の船長がシエナに聞く。
「もう少し近づきますか?」
「この距離でいい。」
シエナは竜王ゾルデルの背に乗って空へと飛びたち、後に続く竜騎士達とワイバーンと共に港町の砲台を破壊する為に空を駆けた。
ブランシュ伯爵達は船から空にあがる竜王ゾルデルとワイバーン達を見て驚いていた。
「なんだ?!あれは!!」
「まさか?ワイバーン?!」
「あれに砲弾を放つのだ!!」
「伯爵様!あの高さでは届きません!」
シエナを乗せたゾルデルナと竜騎士達の乗るワイバーンは上空から急下降して真上から真下へ砲台と砲兵達に向けて炎のブレスを吐いていく。
炎のブレスをその身に浴びた砲兵達は次々と焼かれていった。
「弓兵!ワイバーンを狙え!!」
ブランシュ伯爵が弓兵達に命じると弓兵達はワイバーン達に矢を射った。何体かのワイバーンにに矢が当たり数名の竜騎士達とワイバーンが地に倒れた。
シエナは竜騎士達に上空へ上がるよう命じてゾルデルに弓兵の前に出るようにいった。
ゾルデルは弓兵達にブレスを吐くと弓兵達は火だるまになって倒れていく。
「あの巨大なドラゴンに矢を放て!」
ブランシュ伯爵の命令どおりブレスに焼かれるのを免れた弓兵はゾルデルに矢を放ったがゾルデルの固い鱗には何の効果もなかった。
そしてゾルデルは残った弓兵に炎のブレスを吐くと弓兵達はほとんどが焼かれていった。
「伯爵様!このままでは我々も、、、」
「ぐぬう!撤退の準備だ!」
ブランシュ伯爵と臣下、僅かに生き残った弓兵と砲兵を連れて町の騎士や兵士達を連れて港町から撤退しようとした。
シエナは空へと魔法を放つと火花が散った、その合図を見たバージルとエイリー伯爵の軍が港町へと進軍していく。
囲まれたブランシュ伯爵は港町から出ようとバージルとエイリー伯爵達に戦いを挑んだが上空からの竜騎士達の乗るワイバーンの炎のブレスで次々と倒れていき投降した。
捕らえられたブランシュ伯爵の前にバージルがやって来て言った。
「ブランシュ伯爵、そなたにはエイベル王暗殺やカレス公について聞きたいことがある。」
「、、、、、私の生命の保証はしてくれるのか?」
「命の保証だけはしよう。」
ブランシュ伯爵を捕らえて勝利して港町を取り戻したエイリー伯爵とバージルの軍は歓声をあげた。
戦いが終わり町が安全になると港町の人々はラスター公バージルの帰還に喜んだ。
勝利したのを見て地上へと降り立ったシエナにバージルが礼を言った。
ブランシュ伯爵と部下達は町の牢屋へといれられた。
港町の沖に停まっていた船団は港町に入り白狼騎士団と黒狼騎士団の騎士や兵士達がラーナドゥール王国へと上陸していった。
ベアトリスはシエナとバージルに挨拶するとバルアの背に乗ってルシアス達の元へと急いだ。
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