甲板のワイバーン達

 レイノルズ王国か らラーナドゥール王国の港町へとバルアと竜王ゾルデルの背に乗っていたベアトリスとシエナは空から港町の様子を見ていた。 

 

 さらに近づいて見るためにベアトリスは港町の外れにバルアに降ろして貰うと近づきすぎない程度の距離から港町を眺めた。


 港町の入口に掲げられた旗がブランシュ伯爵家の家紋である事に気づいたベアトリスはバルアに乗ってシエナに近づき決起が失敗したであろうことを告げた。


 2人は相談した結果、シエナはレイノルズ王国軍の船団に報告して港町の沖に船団を待機せさてベアトリスは敗戦したバージル達を探して見つけ次第船団に報告にする事になった。


 シエナがゾルデルと船団の元へと向かうと残ったベアトリスとバルアはバージル達が何処へと向かったか考えた。


 (恐らくは東の森に、、、。)


 目星をつけたベアトリスは東の森へとバルアと共に向かった。


 森の上を低空で飛んでバルアに鳴き声をあげて貰いバージル達に知らせるようにした。


 ベアトリスの考え通り森へと姿を隠していたバージル達はバルアの声を聞いて空を見上げた。


 バージル達はバルアに気づくとベアトリスとバルアが気づくように火を焚いて煙を上げた。


 煙に気づいたバルアとベアトリスはその場所へと降り立った。


 ベアトリスがバルアと共に降り立つとバージルが近づいてくる。


 「ベアトリス卿、すまない決起は失敗した、、、、。」


 「バージル様、レイノルズ王国の援軍が来ております。戦いはまだ決していません。」


 「いくらレイノルズ王国の騎士達が強くても上陸できなければどうしようもあるまい。」


 「今のレイノルズ王国軍なら空から攻め入る事も可能です。」


 「どういうことなのだ?」


 「お話はレイノルズ王国の船でしましょう。バージル様、私と共にこのドラゴンの背にお乗り下さい。」


「エイリー卿、私達が戻るまで皆を頼む!」


 そう言ってバージルはベアトリスと共にバルアの背中に乗るとシエナが待つ船でへと向けて飛びたった。


 バルアに乗って数時間でレイノルズ王国軍の船団に辿りつく。

 

 バージル達がゾルデルとシエナのいる船の甲板に降り立つとシエナが血の繋がりのあるバージルに挨拶した。


 「お久ぶりです、叔父上。」


 「シエナか元気で何よりだ、ディレート陛下と我が妹は変わりないか?」


 「はい、元気にしております。」


 「そうか、それは何よりだ。」 


 挨拶もそこそこにバージルはシエナに疑問に思っていた事を聞いた。


 「ベアトリス卿から聞いたがレイノルズ王国軍が空から攻め入る事が可能と言っていたがどのようにして可能なのだ?」


 それを聞いたシエナは他の船の甲板を見るように促した。


 バージルが目を凝らすとワイバーン達が乗っていることに気がつく。


 「なんと!ドラゴン達の助力でだけではなくその眷属も従えているのか?!」


 「はい、竜騎士団の騎士達と私、そして偉大な竜王ゾルデルが町の砲台を打ち破りそして他の騎士団を上陸させましょう。」

 

 「叔父上は私達の合図である魔法の火花をみたら残った兵士達と共に港町への進軍をお願いしてよろしいですか?」


 「分かった我が姪よ、感謝する。」


 「ベアトリスとバルアは叔父上の軍と行動を共に。」


 「分かりました、シエナ様」


 バージルとベアトリスは再びバルアに乗ってエイリー伯爵の待つ森へと戻った。


 そしてレイノルズ王国軍はラーナドゥール王国の港町へと船を進めていった。

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