援軍

 ラーナドゥール王国の港町から飛んで半日でバルアとベアトリスはレイノルズ王国に着いた。


 レイノルズ国王ディレートの居城の門番にルシアスの書状を見せて少しの間待つと

中から城の従者がきてディレートの元まで案内された。


 謁見の間に着くとディレートが玉座座っていた、ベアトリスはルシアスからの伝言を伝えた。


 「ディレート陛下、ラーナドゥール王国の港町の決起は行われております。」


 「ふむ、状況は?」


 「港町の手勢は少なく恐らくラスター公爵様の軍が圧倒しているかと」


 「そうか、船から援軍を送るのはもちろんだが先に竜騎士団を派遣しよう」


 「竜騎士団?ですか?」


 「うむ、このコーレリア島を守護する竜王ゾルデルの事はお前もレイノルズ王国出身なら知っていよう。」


 「はい、陛下」


 「この20年の間に竜王ゾルデルは自身と眷属達をこの島に呼び出した。」


 「そして竜王の協力の元、我らはその竜族の眷属であるワイバーンを従える騎士団を発足したのだ。それが竜騎士団だ」

 

 ベアトリスに竜騎士団の話しをするとディレートは臣下に言った。


 「急ぎ、竜騎士達を船に乗せるように準備をせよ!」

 

 「準備が整い次第白狼騎士団と黒狼騎士団と共にラーナドゥール王国へと向かうのだ!」


 「父上、我が娘マナと甥ルシアスの為に私もゾルデルに協力を頼み共ににラーナドゥール王国へと向かいます。」


 「よかろう、シエナよ我が孫達を頼んだぞ。」


 謁見の間を後にしたベアトリスとシエナは城下町の外にいるバルアの元へと向かい 

その背に乗る。


 そしてゾルデルの住む山までバルアは飛んでいく、山に着くとドラゴン達が空を舞っていた。

 

 ドラゴン達がシエナ達に気づくと白銀の鱗を持った一際大きい竜王ゾルデルが地上に降りてシエナに話しかけてきた。


 「久しぶりだなシエナよ、何用か?」


 「偉大な竜王ゾルデル、我が娘と甥の為に貴方の力をお借りしたい。」


 「よかろう、シエナよ約束に従い我が汝の為に喜んで力を貸そう、お前達は私の帰りを待つがいい。」


 そうゾルデルは自らの眷属達はに伝えるとシエナに自分の背に乗るように促した。


 シエナを背に乗せてゾルデルはラーナドゥール王国の港町へと進みバルアに乗ったベアトリスはその後に続いた。


 それから数時間後、白狼騎士団と黒狼騎士団そして竜騎士団を乗せた船団はラーナドゥール王国の港町へ向けて出発した。

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