決起

 ルシアス達が砦に着くまえ、港町の東にいたラスター公バージルとエデイそして数少ないラスター公爵派の諸侯の一人であるエイリー伯爵はバルアの背に乗ってやって来たベアトリスから決起の機会である事をきいた。

 

 港町に情報収集していたバージル指揮下の兵士達からもブランシュ伯爵が港町から離れて警備が手薄になっている事を聞いていた。


 バージル達が港町のブランシュ伯爵軍を港町から誘いだして狼煙を上げれば兵士や騎士達が一斉に決起する手はずになっていた。


 ベアトリスと兵士達から話しを聞き終えたバージルは港町から敵を誘い出すように港町の近くまで少数の部隊で陽動するようにした。


 ベアトリスはバージルにルシアスからの伝言を伝えた後ルシアスの指示通りレイノルズ王国へと向かう事をバージル達に告げた。


 「レイノルズ王国へ援軍を求めた後必ず私達も参戦します!それまでご無事で!」


「ベアトリス卿、よろしく頼む。」


 バルアとベアトリスがレイノルズ王国へと向かってから2日後、港町の直ぐ近くまできたバージルは自身に仕える者達に言った。



「我が騎士と兵士達よ!今こそ我らが領を取り戻す時だ!」

 

「エイリー卿、よろしく頼むぞ!」


 「はい、バージル様」


 バージルの言葉を聞いた騎士達そして兵士達の一部はブランシュ伯爵の駐留軍を誘い出す為にごく少数で敵軍を陽動する作戦を決行して港町の近くへと進んだ。


 港町からバージル達が進軍して来るのを見たブランシュ伯爵の駐留軍は陽動するバージルの騎士や兵士達を追って港町から進軍した。


 ブランシュ伯爵の駐留軍が陽動するバージル軍の部隊を追って迫ってくるとバージルは決起の合図である狼煙を上げて自身の軍の本隊をブランシュ伯爵の駐留軍へと向けた。


 戦いは数の多いバージル軍が圧倒的に優勢だった、ブランシュ伯爵の駐留軍を打ち破り歓声が上がったその時、西から新たな敵軍が姿を現した。


 「これでラスター公爵派の残党共を一掃できますなブランシュ様」


 「ふん、我らに従わぬ者がどうなるかみせてくれよう!!」


 ブランシュ伯爵の新たな軍に気づいたバージル軍は混乱していた。


 「何故新たな軍が!?」


 「内通者がいたのか!!」 


 唖然としていたバージル軍に向けてブランシュ伯爵軍は兵を進めた。


 バージル軍とブランシュ伯爵軍は熾烈な戦いを繰り広げたが数で勝っていたブランシュ伯爵軍が次第に優勢になっていく。


 「バージル様、撤退を!!」


 エイリー伯爵の一言にバージルは無念に思いながら撤退を開始した。


 バージル軍が撤退していく様子をみたブランシュ伯爵の騎士は追撃をするかを聞いたが決起した港町の制圧するようにブランシュ伯爵は命令した。 


 (レイノルズ王国軍が上陸するのは絶対に避けねばならぬ)


 ブランシュ伯爵は自身も港町の制圧に向かった。

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