籠城戦
自身の領内の砦に辿りついたルシアス達はアルバート軍から 向けられた一軍を迎え撃つ為に領内の砦に立てこもりアルバートが派遣した一軍を警戒していた。
ルシアス達が砦についてから3日後アルバートの一軍は砦へと進軍して来た、予想より遥かに敵兵は多かった。
数で勝るアルバートの一軍に対してルシアス達の頼みの綱は魔法使いマリオンの魔法そして砦の堅牢さだった。
アルバートの一軍を前に見張り台に立ったマリオンは魔法使い達の間で禁じられた魔法であるハリケーンの魔法を放つため意識を集中させる。
マリオンの隣ではルヴェーラがマリオンと自身を敵軍の矢から守るため風の盾であるウィンドシェルの魔法を唱えていた。
砦を目掛けて近づいて来るアルバート軍にマリオンはハリケーンの魔法を唱えた。
巨大な竜巻がアルバートの一軍を襲った、かなりの被害を出しながらもアルバートの一軍は砦に向けてさらに進軍して来た
(あと1回唱えるのが限界ね、この数相手ではどれくらい効果があるか、、、、。)
再びマリオンはハリケーンの魔法を唱えると敵を竜巻が飲み込んでいく。
「怯むな!!生き残った兵は前に進め!!」
二度のハリケーンの魔法に大きな損害を受けながらもアルバートの一軍は進軍して城門を打ち破ろうとしていた。
ハリケーンの魔法を唱えて精神力を消耗してその場に座り込んだマリオンにルヴェーラが声をかける。
「お師匠様!」
「私は大丈夫、あなたはルシアス様の元へ行きなさい。」
「分かりました、お師匠様」
そう言ってルヴェーラはルシアスの元へと急いだ。
ルヴェーラと合流したルシアス達はマナを奥に残して覚悟を決めて砦の門へと敵を迎え撃つ為に向かった。
敵軍が砦の門を破ろうとする中、震えているアルマを見たルシアスが言った。
「アルマ殿、砦の奥へ。」
「ルシアス様、大丈夫です!私も戦えます!」
「アルマ殿、、、、。」
「私も侯爵家の娘、覚悟はしています!」
「アルマ殿、それなら奥にいるマナを守ってください!」
「分かりました、ルシアス様」
アルマがルシアスの言う通り砦の奥へと向かうといよいよ砦の門が破られアルバートの一軍が侵入してきた。
「白獅子騎士団!前へ!」
デイルの号令で白獅子騎士団は侵入して来るアルバートの一軍を相手にした。
ルシアス達と白獅子騎士団そしてハウルナートの兵士達は善戦したが徐々に押されていく。
その時砦の門の外を見ると後方のアルバート軍に襲いかかる熊の紋章の旗を掲げた兵士達を見た。
「あれは!」
「ウォレル侯爵の軍ですね。」
不意を突かれた後方のアルバートの一軍の兵士達はウォレル侯爵の騎士団と兵士達に次々と討ち取られていった。
ウォレル侯爵の援軍を見た白獅子騎士団や兵士達の士気は上がりアルバートの一軍を押し返していく。
砦内に入ってきていたアルバートの一軍の指揮官とみられる兵士を見たルシアスは戦いを挑んだ。
ルシアスはバスタードソードを両手に持ち正眼に構えると指揮官の兵士は上段に剣を構えてルシアスに振り下ろした。
ルシアスはその一撃をバスタードソードで受け止めると鍔迫り合いになった。
力では敵兵の指揮官のほうが強くルシアスは後方へと押し返された。
「非力だな!坊や」
「剣は力ばかりではない!」
「ぬかせ!小僧!!」
敵兵の指揮官はルシアスに剣を下から振り上げるとルシアスはその一撃をかろうじてかわして振り上げられた剣をバスタードソードではじいた。
そして敵の指揮官の剣は空中を舞って地面へと突き刺さった。
ルシアスは敵兵の指揮官の首元にバスタードソードを突きつけて他の兵士達と共に投降するように言った。
ルシアスに敗れた敵の指揮官は大人しく従い部下達に投降するように言った。
「勝ったぞーっ!!」
砦の兵士や騎士達は歓声を上げた、
後方のアルバート軍を打ち破ったウォレル侯爵が馬を走らせて砦までやって来てた。
「ウォレル卿、ありがとうございます。しかし領民達は?」
「セレディア王国のアルスト伯へ援軍の書状を出しております。」
(ディオンおじさんにか)
ルシアスは心の中でそう呟くとウォレル侯爵は娘であるアルマが無事か聞いてきた。
「閣下、我が娘は?」
「砦の奥にいます。」
戦いが終わった事に気づいたアルマやマナが奥から姿をあらわした、ウォレル侯爵に気づいたアルマはウォレル侯爵の元に駆け寄った。
「お父様!」
「無事で何よりだ、アルマ。」
アルマの無事な姿を見てウォレルは安堵した。
そしてアルマやルシアス達の安全を確保する為に侯爵領内へと共に行く事をすすめてきた。
ルシアス達はその提案に従い砦を後にした、道中ルシアスはバージル達の決起が上手く行ったかどうか気にしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます