愛する娘の為に
ウォレル侯爵の居城からデイル達、白騎士騎士団の騎士達やハウルナートの兵士達と合流してルシアス達はデイルにアルバート軍の動きを聞いていた。
「アルバート軍の動きは?」
「アルバート軍の本隊が西の地に来ております、敵は一軍をこちらに向けて進軍させている模様です。」
「そうか、ブランシュ伯の兵とラスター公は?」
「はい、ブランシュ伯爵の軍は港町から離れてアルバート軍と共に西の地に来ているようです。ラスター公爵様は決起の準備を整えているようですね。」
「バルア!ベアトリスを乗せて直ぐにラスター公へ決起を促してからレイノルズ王国へ援軍を求めてくれ、その後はそのままラスター公の決起に加勢してくれ」
「承知した、ルシアスよ。」
「ありがとうバルア、ベアトリスもよろしく。」
「はい、ルシアス様。」
ルシアスの言葉を聞いてベアトリスはバルアの背に乗った。
(ドラゴンの背に乗る日が来るなんてね)
そうつぶやきながらバルアと共にラスター公バージルの元へと向かった。
飛びたったバルアとベアトリスを見送ると残ったデイルがルシアス達に聞いた。
「我々はいかが致しましょう?」
「我々が敵の一軍を引き受けている間にバージル様達が港町を取り返し、レイノルズ王国の援軍が来れば敵は王都まで引くでしょう。」
マリオンの言葉に続けてルヴェーラが提案する。
「アカトス領内の西にある砦で籠城するのが良いかと思いますがどうします?ルシアス」
「ルヴェーラの言う通り籠城して時間を稼ごう、皆!厳しい戦いになるがついてきてくれ!」
そしてルシアス達はデイル達白騎士団と兵士達と共にアカトス領内の砦まで後退した。
その頃ウォレル侯爵は居城でアルマが失踪した事を聞きていた。
「恐らくはアルマ様はアカトス公爵と行動を共にしているかと、、、。」
(まったくあの娘は、、、)
そう心の中で呟くとウォレル侯爵は今は亡き妻の顔を思い出していた。その時臣下の一人が言った。
「アイザック様、このままではアルマ様も。」
(お前の忘れ形見を失うわけにはいかないな。)
そう思いながら臣下に言った。
「直ぐに騎士団と城内の兵士達を招集せよ!そして北のセレディア王国のアルスト伯に伝書鳩を!」
(アリシア殿の友人であるアルスト伯なら息子であるルシアス殿の為に我が領内に兵を派遣してくれるだろう。)
そう考えながら私室に向かい侯爵領内の安全の為に兵を出してくれるようにアルスト伯へ書状を書き、自身も愛する娘の元へ援軍に向かう為甲冑を身に着けて剣を手にした。
そしてウォレル侯爵達は僅かな兵と臣下を残して居城を後にした、その頃ウォレル侯爵の書状を運ぶ伝書鳩が城から放たれた。
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