侯爵令嬢アルマ
サイクロプスを倒したルシアス達はウォレル侯爵領内の兵士達に案内されてウォレル侯爵の居城まで来ていた。
兵士に案内されて謁見の間まで来るとウォレルが玉座に座っていてその横にウォレル侯爵の令嬢であるアルマがいた。
ウォレル侯爵とアルマは公爵であるルシアスに気づいていたがそのままサイクロプスを倒したルシアス達の事を兵士から聞いていた。
話を聞き終えたウォレル侯爵はルシアス達に玉座から立って礼をして話かけてきた。
「アカトス公、この度は真に有り難い助力をいただきました。」
「兵士達から話を聞きました。私に用があり会いに来たと聞いておりますがどのような用ですかな?」
「ウォレル卿、此度のラーナドゥール王国の争いはご存知かと思われますが、前国王エイベル様の遺言の通り王国の真の王位継承者であるエデイ様の為に共に戦って頂きたいのです。」
「ふむ、、、、。」
アルマはルシアスの言葉に納得して若き頃から交流のあるエデイの為に父であるウォレル侯爵がエデイの側に立って戦うとおもっていた。
しかしウォレル侯爵はルシアスの話を聞いて少しの間沈黙して再び言葉を発した。
「アカトス公閣下、私はこの戦いのどちら側にも参加するつもりは御座いませぬ。」
「お父様?!」
「お前は黙っているのだ、アルマよ」
「争いになれば我が領民や兵士や騎士達も被害は免れませぬ、そして魔物達も活発化してきている。侯爵として私は自らの領民達を守らねばならない。どうかこのままお帰りを。」
「ウォレル卿、、、、分かりました。」
ウォレル侯爵の言葉にルシアスはそう言って仲間と共に謁見の間を後にした。
ルシアス達が去った謁見の間に残ったアルマとウォレル侯爵は言い合っていた。
「お父様!!エデイ様をどうしてお助けにならないのですか?!」
「私は侯爵としての責務を果たさねばならぬ。」
「ルシアス様が言われた通り王位継承者であるエデイ様を助けるのも侯爵としての責務では?!」
「エイベル様を暗殺したとの報告も受けている。」
「エデイ様がそんな事をするはずがない!お父様もそう思っていらっしゃるでしょう!?」
「アルマよ、話しは終わりだ自分の部屋に戻りなさい。」
「お父様がエデイ様の助けにならないなら私だけでもいきます!!」
アルマはそう言って謁見の間から走って行った。
「まちなさいっ!アルマ!?衛兵!」
ウォレル侯爵に呼ばれた衛兵がアルマの行く手を遮るとウォレル侯爵の命令通りアルマを部屋に連れて行った。
「離しなさい!!」
そう言うアルマを衛兵は部屋に入れると部屋の外の扉の前に立って見張りをした。
夜になっても衛兵は見張りをしていた。
アルマは何とかルシアス達の元へ行ことした。
部屋のカーテンやシーツをロープにして2階の窓から外へと降りていった。
衛兵達に気づかれないように隙を伺い慎重に城の外へと出ていった。
(この時間ならまだ城下町に。)
アルマはルシアス達を探して町の宿屋を訪ねた、いくつかの宿屋を探してルシアス達が泊まっている宿屋につくと店主にルシアス達を連れて来るように言った。
ルシアス達に会うとアルマは自分もついていくと言って聞かなかった。
「剣術には自身があります!皆さんの足でまといにはなりません、どうか私も一緒に!」
アルマの勢いにおされたルシアス達は迷った末にアルマを連れて行くことにした。
ウォレル侯爵にバレないようにその日の夜の中に馬屋で馬を買ってデイル達に合流するべくして城下町を後にした。
ウォレル侯爵の協力をえられなか戦いは非常に厳しいものになると誰もが思っていた。
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