エディとセシル

 バルアの背に乗った六人はラーナドゥール王国の王都の近くに着くとバルアから降りて城へと向かった。

 

 城の門に辿り着いて門番にエディとの謁見を求めると門番は公爵であるルシアスに気づいて衛兵にエディに知らせに行くよう

話した。


 「いきなり、国王と謁見なんて貴方達は何者なの?」


 セシルの質問にルヴェーラが答えた。


 「ルシアスはこのラーナドゥール王国の東の地の領主である公爵です。私達はその仲間でこちらのアルマは東北の領主ウォレル侯爵家のご令嬢です。」


 「そうだったのね、まさか爵位を持つ貴族達がいるとは思わなかったわ。」


 「すみません、隠すつもりはなかったんですが言うタイミングが掴めなくて。」


 そう話ていると衛兵がルシアスにエディが謁見の間でルシアス達を待っていると伝えて謁見の間へと案内した。


 謁見の間に着くと玉座にエディが座ったいてその前には大臣のカートと近衛騎士団長のトリスタンが控えていた。


 ルシアス達はエディの前に膝まづく、それを見たエディはルシアス達の報告を聞きたいと言って面を上げさせた。


 報告はルヴェーラが行った。エマール王国の国王が恐らく魔物にとって代わられそれに気づいた王子のニールと対立していること、ニールが援軍を欲している事、エマール王国内のシェイダル教団の司祭達が弾圧されようとしていることを。


 報告を聞いたエディは考えた。国王が魔物に取って代わったこと、そしてシェイダル教団の司祭達が弾圧されようとしてる今司祭やニール達の為に援軍を送ることを。

 

 「エマール王国の今の国王は確かに魔物なのですね?」


 「ニール殿下が確かに見たと仰りました、それにエマール王国の惨状は魔物達に民が襲われても救援せず、ニール殿下の話では民の為に意見する貴族達を処刑していると聞きます。それは嘘ではないでしょう。」

 

 「分かりました、ルヴェーラ殿、後は私達が考えましょう。今日はこの城で休んで頂きたいのですが、ひとつ。そちらの黒い甲冑の方は?」

 

 エディの疑問を聞いたセシルは膝まづいていった。 


 「お初にお目にかかりますエディ陛下。

私はアルムガルド帝国軍、黒虎騎士団の団長セシル・ヴァン・ウォルドールと申します。」


 「帝国の?!」


 大臣カートが驚いて反応するがセシルは話を続けた。


 「アルムガルド帝国はエマール王国の王子ニール殿下の救援要請を受けて内情を探る為に私をエマール王国へと使わしました、そこでこの方々に出会い共に行動しています。」


 「そうですか。私はルシアス達を信頼しています。ルシアス達が貴方を連れているということは貴方が信頼にたる方なのだと私は思います。アルムガルド帝国はニール殿下にへ援軍を送るのでしょうか?」



 「はい、私がレオニス陛下へ報告すれば恐らくレオニス陛下はそう決断するでしょう。」

 

 「後ほど私からもレオニス陛下へ書状を書くのでそれを届けていただけますか?」


 「かしこまりました。」


 「エディ陛下、私達も同行いたします。」


「、、、、、分かりました。今日はこの城でゆっくり休んでください皆さん。」


 ルシアス達が衛兵に案内されて客室に向かった後エディはカートとニールの元へ援軍を出すか否か話し合った。


 アルバート達との争いや空位になった領地の問題、諸侯達と新王エディの信頼関係など問題は様々あったがエディは王立騎士団である聖騎士団をシェイダル教団の司祭達やニールの為に派遣する事を決めた。


 その日ゆっくり休んだルシアス達は翌朝エディに挨拶してエディからレオニスへと書かれた書状を手にバルアの背に乗ってアルムガルド帝国へと向かった。

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