セシルの目的

 宿屋で休んだ次の朝出発してから数日ルシアス達はセシルと共にブレンダ伯爵領内の居城に向かっていた。

 

 セシルの目的は聞かせれていなかったが幾度かの魔物達との共闘で信頼が生まれつつあった、道中ルシアスがセシルに帝国が他国をどうみているかを聞いた。


 「アルムガルド帝国はラーナドゥール王国や同盟国を敵視してないのですか?」


 「帝国は確かにセレディア王国へと侵攻したわ、でもそれは当時の帝国の意向というより現皇帝のレオニス陛下の兄君ラドル皇子の暴走だったと言われてるわ。」


 「帝国領内の民は様々な民達で構成されていて国を興す前は争いを幾度となく続けてきた。」


 「長く続く戦争を終わらせる為に前皇帝セルドア陛下は武の力を使って今の帝国領内を統一して争いを終わらせて皇帝となったのよ。元々の目的は他国に侵攻する為ではないの。」


 「そして今はレオニス陛下の元で宰相や将軍達が一丸となって帝国を復興させて各国との関係を見直している所なのよ。」


 それを聞いたルシアスはそれまで話してくれなかった疑問を口にした

 

 「エマール王国には何故きたのですか?」


 「いいわ。教えてあげる。私の目的はエマール王国の王子ニール様と会うことよ。」


 ルヴェーラがその話を聞いて言った。


 「確か村の老人はエマール国王と王子ニール様は対立してると言ってました。ニール王子が国王と対峙する為に帝国へ助力を求めたのですか?」


 「ええ、エマール王国とは前皇帝セルドア陛下が帝国を興す前に南西にある細い山道を通して交流があったのよ。」


 「前皇帝セルドア陛下が帝国を統一する前にエマール王国から干渉される可能性もあったからその道に砦を建てて干渉されないように封鎖したの。そこから帝国とエマール王国は関係が一度が切れたのよ。」


 「それが数ヶ月前に砦へエマール王国の王子ニール様の使者が助力を求めてやって来て議論を重ねたうえでエマール王国の内情を見るために私が使者として派遣されたのよ」


 「セシルさん、話してくれてありがとうございます。」


 「気にしないで貴方達の事も聞かせてもらったしこれで私もスッキリしたわ。」


 話しを終えるてしばらく歩くとブレンダ伯爵の居城が見えてきた。


 疑問に思っていた事をセシルが応えてくれてルシアス達は不安が消えていた、ルシアス達六人は居城にいるニール王子のもとへと向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る