第4話 立華の家

 休みが明けて、学校に行く日々が続く。立華は日に日に存在感を増していた。

 授業も積極的に手を挙げるし、体育だって毎回大活躍する。それでいて驕ったところがないし、人当たりも良いので、先生やクラス中の生徒が立華を誉めちぎっていた。

 対して私はというと、全く存在感がないと言っていいだろう。

 でも、それは今のところの話だ。そのうち、一年の頃みたいにイジメられるのだろう。平安なのは、いつも最初のうちだけだった。

 実際、その前兆のようなものがすでに現れてきている気がする。今週の火曜日の朝、教室に入ると、既に中にいた生徒たちがこんな会話をしていた。


「立花さんって、超かわいいよなー」

「ねー。しかも、勉強も運動もできて、性格も良いし、憧れちゃうよねー」

「彼氏とかいるのかなー」

「どうなんだろう。いそうだよねー」

「あんだけかわいいと、告白とかたくさんされるんだろうなー」

「羨ましいよねー」

「でもさー、なんであんなブサイクとつるんでるんだろーな」

「さぁ」

「あー、私もそれ、不思議に思ってたんだよねー」

「あれじゃね、あのブサイクを自分の近くにいさせることで、自分のルックスをより良く見せようとしてるんじゃね?」

「うわ、なにそれ、はらぐろー!」

「いやいや、立華さん性格良さそうだし、それはないでしょ」

「それもそうか」

「なぁ、なんかあいつムカつかね?」

「なんで?」

「ブサイクのくせに立華ちゃんとつるんでさ。あいつ、自分のルックスがどれほど醜いかわかってんのかな?」

「あはは、ひでー。でも、たしかにムカつくねー」


 そいつらは私が教室にいることに気付いていないのか、言いたい放題だった。

 そのうち、男子の一人が教室に私がいることに気付いて、他の生徒達に耳打ちをした。


「お、おい」

「え、あ……」


 会話していた生徒たちは私を見て、バツが悪そうに顔を逸らす。そこで、私についての会話は終わった。

 ……思い出すと、またムカついてきた。

 私だってわかってるさ。自分のルックスがどれほど醜いか、嫌ってくらいわかってるさ。なぜかアイツから積極的に私と関わってくるんだよ。たくっ。

 立華はどうして私とこんなにも関わろうとしてくるんだろうか? 立華には、いくらでも声をかけてくれる人がいるというのに……。

 しかも、立華はどんどん私との仲を深めようとしている気がする。実際、木曜日の今日、立華は私を自分の家に誘ってきた。

 今日の昼休みのときだ。いつものように豪勢な弁当を食べながら、さりげなく誘ってきた。


「ねぇ、モカちゃん、今週の日曜日空いてる?」

「うん、空いてるけど」

「じゃあ、今度は私の家に来てよ」

「いいけど……」

「よかった。じゃあ、待ち合わせは北山駅に一時でいい?」

「うん。いいよ」


 ということで、今度は私が立華の家に行くことになったのだ。


          *


 それから三日経ち、日曜日が来る。立華の家に行く日だ。

 朝、私は化粧をするために鏡を見て、憂鬱になる。

 はぁ。なんで、こんな醜い顔を毎日見ないといけないのだろう。なんで、こんな醜い顔で毎日生きていかないといけないのだろう。

 私の夢は、将来お金をたくさん貯めて整形して、ゴキブリと呼ばれない人間になることだ。

 私のお父さんは、私が整形するって言ったら、なんて言うんだろうか? あっさり了承してくれるだろうか。それとも、どうでもよさそうな態度をするだろうか。そのどちらかのような気がする……。

 今日も濃いめのメイクをする。立華に濃いと言われたが、私みたいなブサイクはこれぐらい濃くしないと、見られる顔にならないのだ。

 いいよね、元が美人だと。

 化粧を終え、待ち合わせ場所である北山駅に向かう。

 駅の目前まで来ると、既に立華が入り口の辺りにいた。私は小走りで立華の前まで駆けつける。


「お待たせ。もしかして、けっこう待たせちゃった?」


 今日はちょっとメイクに時間を掛けすぎた。けっこうギリギリに家を出てしまった。


「ううん、そんなに待ってないよ。それに、この前は私が待たせちゃったからね。全然気にしてないよ」

「そっか。そう言われて、安心したよ」

「そんなことよりも、モカちゃん今日もメイク濃い。元の方が良いのに……」


 その言葉は私を憤激させた。

 クソ、クソ、クソ。元が美人な人にはわからないでしょうね。私が濃いメイクをする理由が……。

 心の中は怒りに満ちているが、表面上はなるべく平常を保つように気をつける。


「そんなはずはない。これでいいの」

「えー、元のほうがいいのに……」


 立華が不満そうな顔をする。

 ほんと、ムカつく。ルックスが良いからそんなことが言えるんだ、まったく。


「それよりも、そろそろ行かない?」


 若干、苛立ちを滲ませた声になってしまう。しかし、立華は別に気にしていないようだった。


「あ、うん。そうだね。行こっか」


 私たちは歩き出す。駅から三分ほど歩くと、立華の家に着いた。立華の家は駅から非常に近かった。


「……すごい」


 立華の家を見て、私は開いた口が塞がらなかった。

 白塗りの壁に黒い屋根の三階建てで、見るからに裕福そうな家だ。

 家の中に入ると、廊下の床が大理石で、中央に高級そうな赤い絨毯が掛けられていた。廊下にはドアがいくつも並んでいる。いったい何部屋あるんだろうか。視線を上に向けると、天井にはシャンデリアが吊るされていた。

 なるほど。たしかに、私の家よりキラキラしている。


「「いらっしゃい」」


 一番奥のドアから男女二人が出てきて、私に声をかけてきた。

 男性の方は清潔感漂う短髪で、優しそうな垂れ目をしている。女性の方はさらさらとしたロングヘアーで、老けてはいるけれども顔立ちが立華によく似ていた。おそらく立華の両親だろう。


「お邪魔します」

「よく来たね。ゆっくりしていってね」


 立華の父親が穏やかな声で言う。優しそうな人だ。


「はい。ありがとうございます」

「立華の部屋に行くのよね」

「うん、そう」


 母親の問いに立華が答える。立華の母親は私を見て、


「後でお茶を持っていくから、ちょっと待っててね」

「あ、お気遣いなく……」


 立華の母親は、私にニコッと微笑み、ドアの向こうへ消えていった。続いて、立花の父親も私に会釈をした後、扉の中に消えていった。


「じゃあ、いこっか。私の部屋。三階だからちょっと歩くよ」


 玄関から少し歩いて右手のところにある階段を上り、三階に行く。三階の廊下も多くのドアが並んでいる。立華は手前のドアに入っていった。私もそれに続く。


「ここが私の部屋だよ」


 恥ずかしそうに、立華は顔を少し朱に染める。

 子ども部屋にしては、異常な広さだった。二十畳くらいありそうだ。私の家のリビングよりもずっと広い。高級そうな家具が溢れている部屋で、床には真紅のカーペットが敷かれている。左端のベッドがダブルベッドのサイズで、寝心地が良さそう。中央の奥には、六十インチの液晶テレビが置かれている。

 いいな、私もこんな部屋に住みたかった。


「どうかな? 変じゃないかな?」


 立華が顔をうつむかせて、言う。


「変ってなにが?」

「その、私の部屋が」

「……良い部屋だと思うよ」

「そっか。よかった」


 立華はほっと胸を撫で下ろした。そんなに心配するようなことなんだろうか。


「なんでそんなこと訊くの?」

「中学校のころ、友達に変な部屋って言われて……心配だったの」


 まぁ、たしかにこれほど立派な部屋に住んでいる子どもなんて、そういないだろうから、変わっているといえば変わっているかもしれない。

 その子がどんな気持ちでそう言ったかわからないけど、もしかしたら嫉妬でそんなことを言ってしまったんじゃないだろうか。現に私もこの部屋に対して、嫉妬で嫌味を言いたいくらいだし。


「ねぇ、モカちゃん。テレビゲームしない?」


 藪から棒に、立華がそんなことを言ってきた。


「テレビゲーム?」

「うん。テレビゲーム。私、テレビゲーム大好きなの」


 テレビゲームなんてやったことがない。両親はゲームとかを買ってくれなかったし、友達の家でもしたことがない。そもそも、友達すらいなかったし……。


「私、ゲームしたことないから、たぶんすごい下手なんだけど、それでもいい?」

「え、うそ。ほんとに? 少しもしたことがないの?」

「うん。少しどころか一回も」

「へー。今時そんな子どもいるんだー。どうしてやったことないの?」

「それは、親が買ってくれなかったから……」


 そう言った途端に、立華は申し訳無さそうな顔をした。

「あ、なんかごめんね……」

「いいよ、べつに。なんとも思ってないし」

「そっか。よかった。それならさ、なおさらやろうよ、ゲーム」

「……うん」


 テレビの横に置かれている、四段重ねの黒い収納ボックスの最上段から、立華は白くて細長いゲーム機とソフト二つを取り出してきた。それからゲーム機のコンセントを電源プラグに繋ぎ、音声ケーブルをテレビに繋げる。


「じゃあ、まずはこれをやろう」


 立華はソフトをゲーム機に入れた。しばらくして、大闘争スマッシュファイターズというテロップが出てくる。


「どういうゲームなの?」

「格闘ゲームだよ」

「格闘ゲーム……なんだか難しそうな気がするんだけど、私にできるの?」

「大丈夫だよ。ちゃんと教えるから」


 立華は丁寧にやり方を教えてくれた。でも、対戦をすると、容赦なくボッコボコにされた。ひどい……。

 でも、楽しかった。ゲームって、こんなに楽しいものだったんだ。


「じゃあ、次はさ、レースゲームをやろうよ」


 私が五戦五敗をしたところで、違うゲームをやることになった。マルオカートというレースゲームだ。これもやり方を丁寧に教えてくれたのだが、いざ勝負をすると立華はショートカットをしまくり、初心者である私に圧倒的大差をつけて勝利してきた。


「こんなに勝てたの初めてだよ。すごい気持ち良い」


 爽やかな笑みを浮かべている立華。

 少しムカッとした。初心者なんだから、もう少し手加減してもいいじゃない。

 立華をねめつけると、


「ご、ごめんね。悪かったと思ってる。そんなに睨まないでよ。私も少し調子に乗りすぎたよ」

「もうやらない」

「えー、そんなこと言わないでよー。ごめんってー」


 私の体をゆさゆさと揺すってきた。

 うざい……。やめろ……。

 そのとき、ガチャっという音が部屋に響いた。私と立華は、ドアの方に顔を向ける。ドアの向こうから、立華の母親が入ってきた。


「もー、おかあさん、部屋に入るときはノックしてって言ったじゃん!」

「あ、ごめんなさい。うっかりしてたわ。お茶持ってきたわよ。あと、ケーキとマカロンも」


 立華の母親が、持っていたトレイを部屋の中心にあるテーブルに置く。

 トレイには、紅茶とチョコレートケーキがそれぞれ二つ分と、箱詰めされた色とりどりのマカロンがあった。紅茶からは上品な匂いがこちらに漂ってくる。チョコレートケーキとマカロンも高級そうなものだった。


「遠慮しないで食べてね」


 立華の母親はそれだけ言って、笑顔で部屋から出て行った。


「……ねぇ、これ、ほんとに食べていいの?」

「うん。いいに決まってるじゃん。モカちゃんのために今日買ってきてもらったんだよ」

「そ、そうなんだ。ありがとう……。じゃあ、遠慮なくいただくね」


 まずは、チョコレートケーキを一口食べてみる。口に含んだ瞬間、チョコの甘さが口いっぱいに広がる。頬が蕩け落ちそうなほど美味しかった。

 次に紅茶を飲むと、芳醇な味が流れ込んできた。紅茶なんてどれもそんなに変わらないと思っていた。今まで飲んだ紅茶が、本当に紅茶だったのか疑いたくなるくらいの味だ。

 ケーキを食べ終えた後、マカロンに手を伸ばす。なんか見た目が黄色のマカロンだ。食べると、レモンの甘酸っぱい味がした。これも美味だった。

 ……なんだか泣きたくなってきた。

 今思うと、私はケーキとかあまり食べた事ないし、マカロンにいたっては今日初めて食べた。

 立華はあたりまえのようにこんな美味しいものを食べているのかな……。いいな……。

 マカロンを食べ終えると、立華が立ち上がり、部屋の右角に設えてある学習机に向かっていった。そして、机の三段あるうちの一番下の引き出しから、オセロの箱を取り出してくる。


「ねぇ、オセロ、やろうよ」

「オセロ? いいけど」

「私ね、テレビゲームも好きだけど、こういうボードゲームも好きなんだ」


 立華は機嫌良さそうに鼻歌を歌いながら、オセロを箱から取り出す。


「モカちゃんって、こういうの得意そうだよね」

「そう? なんで?」

「うーん……なんでだろ。いつも落ち着いているからかな?」


 落ち着いている……か。そう見えているのかもしれないが、実際はそうじゃない。いつも心の中は慌ただしい。

 そもそも、私はこういう頭を使うゲームが苦手だ。県内で一番偏差値の高い高校に通ってはいるが、それは死に物狂いで努力したから入れたのであって、地頭は悪い。

 実際、立華と何回か勝負をするが、全てボロ負けした。角を取ろうとするが、いつのまにかこっちが角を取られているのだ。

 くそ……。悔しい。


「立華……オセロ強いね」

「あはは。そんなことないよー。私、オセロについては本とか読んで結構勉強してるからね。そのおかげだよ」


 この謙遜もムカつく。


「ねー、モカちゃんはさ、将棋もできる?」

「将棋? いちおうできるけど……」

「じゃ、やろう!」


 立華は再び机に向かっていって、今度は折りたたまれた将棋盤と駒を持ってきた。立華が折りたたまれた将棋盤を広げ、駒を並べる。

 いちおうできるとは言ったが、私は将棋もすごい弱い。きっとまた私は立華にボロ負けするだろう。

 案の定、やってみるとまたボロ負けした。立華は将棋も強かった。

 クソ……ほんとコイツなんでもできるな……。


「ねぇ、立華。頭を使うゲームはもうやめにしない? 立華には勝てないよ」

「そう? そんなことないと思うけど」

「そんなことあるよ。とにかく、私は違うことがしたい。なんかない?」


 私は内心わりと必死だった。だって、これ以上惨めな目にあいたくないもの。


「うーん、そうだな……。あ、人生ゲームとかどう?」


 人生ゲーム……。私はこれに心動かされるものがあった。

 現実の人生では、こいつに勝てない。でも、せめてゲームでなら……。

 こいつに勝ってやる。せめてゲームでは、こいつよりずっと良い人生を送ってやる。


「いいよ。やろう」


 私が了承すると、立華はまた机に向かっていった。そして、人生ゲームの箱を持ってこちらに戻ってくる。

 準備を終えて、人生ゲームを始める。

 ゲームごときにバカらしいが、私はいつになくやる気になっていた。心の奥底で、メラメラと炎のようなものが燃えさかっている。

 始めのうちは順調だった。私は結婚し、子どもも三人生まれ、お金もどんどん増えていった。立華はというと、私と同じく結婚をしているが、子どもは一人しかいないし、私ほどお金持ちじゃない。

 勝てる……現実ではないけど、こいつに勝てる……。初めてこいつに勝てる。そう思っていた。

 しかし、後半になると、私は交通事故で夫と子どもが死亡し、お金も詐欺士に騙されてすっからかんになってしまった。一方、立華はいつのまにか子どもが五人に増えているし、石油を掘り当てて超大金持ちにもなっていた。

 結局私はそれから挽回できないまま、圧倒的大差をつけられた状態でゴールし、人生ゲームは終了した。

 勝てなかった。

 ゲームでも、こいつに勝てなかった。


「ど、どうしたの? そんな暗い顔して? た、たしかに後半から不運の連続だったけど、しょ、しょせんゲームなんだからさ」


 必死な表情で励まされた。私はそんなに暗い顔をしていたんだろうか。たかがゲームなのに……。でも、ショックを受けているのは事実だった。


「えーと、つ、次は何しよっか! モカちゃんの好きなことでいいよ!」


 立華が気を利かせてくれている。

 好きな事……か。何をしたいかな、私は。

 考えていると、唐突にドアをノックする音がした。


「入っていいよー」


 立華が少し大きめの声を出すと、ドアが開かれた。

 立華のお母さんかな、と思っていたら、母親だけでなく父親もやってきた。


「どうしたの? お父さん、お母さん」

「いやさ、立華のお友達のモカちゃんに、立華の学校での様子をどうしても聞きたくてね、いいかい?」


 立華の父親が穏やかな声音で訊いてきた。


「はぁ、私はいいですけど」

「えー、恥ずかしいよ! モカちゃん、変なこと話さないでね」


 私は話した。立華が授業中積極的に手を挙げていること、体育で大活躍していること、先生やクラス中の生徒が立華を褒めまくっていることなどを。

 立華の両親はそれを聞いていて、嬉しそうに何度も頷いていた。立華はというと、私が語るたびに恥ずかしそうに顔を赤らめていた。


「うん……そうか。立華はそんなにみんなから褒められているのか。よかったよかった」


 立華の父親が満足そうに笑う。立華の母親も顔を綻ばせている。

 私も二人に合わせて笑顔を繕っていたが、胸の内は絶望に近い心理状態だった。

 私の両親とあまりに違う立華の両親に、私は戸惑っていた。

 いいな……立華は。こんなに優しくて、娘思いの人たちが両親で。こんなに温かい家庭で。

 いいな。いいな……。

 ふと、時間が気になった。腕時計を見ると、五時五分前だった。

 いけない。スーパーで買い物して、家に帰って、早くご飯作らないと、お父さんに怒られる……。

 ああ……なんで私の両親は……。ああ……なんで私の家は……。


「あの、すみません。私、そろそろ帰らないと……」

「あ、そうか。長々と話させて悪かったね」


 立華の父親が私に対して頭を下げる。律儀な人だ。

 立華とその両親は玄関まで見送りに来てくれた。


「モカさん、いろいろ話してくれてありがとう。これからも立華と仲良くしてあげてね」


 帰り際に、立華の母親に言われる。


「……はい」

「じゃあね、モカちゃん」


 立華に手を振られたので、振り返す。そして、私はその家から出た。

 立華の家を出た直後、私は泣きそうになった。涙を堪えながら、私は走り出す。

 クソ、クソ。いいな、いいな。

 あんなに良い家に住んで。あんなに美味しいものを食べて。あんなに娯楽があって。あんなに優しそうな両親がいて。

 私の家とは大違いだ。私もこんな家庭に生まれたかった。

 クソ。クソ。いいな、いいな。

 嫉妬で気が狂いそうになる。

 いっそ、狂ってしまったほうが楽なんじゃないか。

 そんな破滅的な思考が頭をよぎる。

 そんな考えを振り払うように、私はスーパーに向かって走っていった。

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