第4話

 藤堂の調査が進む中、さまざまな証拠が集まってきた。次第に、すべての死因が一つの人物に結びついていることが明らかになった。その人物は橋本杏奈だった。


 彼女は、他の犠牲者たちと密接な関係を持ち、彼らの弱点や秘密を知っていた。藤堂は杏奈が巧妙に人々を操り、意図的に危険な状況を引き起こしていたことに気づく。ストレスや健康問題を利用して、犠牲者たちの心身に影響を与えていたのだ。


 さらに、藤堂は杏奈の過去に目を向ける。彼女自身もまた、深い苦しみや孤独を抱えていた。その影響が、彼女の行動に繋がっていたことが浮かび上がってきた。


 ついに、藤堂は杏奈を追い詰め、彼女に対峙することに。彼女は、すべての出来事を自分の手の中で操っていたことを認めた。藤堂は、彼女の真の動機を探り、事件の背後にある人間の複雑な心理を解明することを目指していた。


 杏奈は10人を殺したことにより殺人だけでなく事故や自殺すら回避出来るようになった。

 杏奈は以前勤務していた会社を乗っ取ろうとしていた。それを葛城や山田に気づかれ、脅された。


 葛城は昔言われたことを思い出した。

「おい、葛城烈!お前、まるでカツレツみたいやな。硬くて、なんもおもろないわ!せやから、みんなから敬遠されるんやで!」


 葛城烈はムッとしながらも、杏奈の独特なツッコミに少し笑ってしまう。


「ほんま、そんなんじゃ勝てへんで。もっと柔らかい考え持たな、アカンやろ!」


 周りの仲間たちも思わず笑って、場の雰囲気が和んでいく。


 葛城烈は、絶体絶命の状況に追い込まれていた。暗い洞窟の中、彼は敵に囲まれ、退路を失っていた。鋭い刃物を持った敵の視線が彼に向けられ、緊迫した空気が漂う。


「これが終わりか…」と葛城は心の中で呟いた。しかし、彼の意志は強かった。諦めず、冷静に周囲を見渡すと、洞窟の奥に薄暗い隙間があるのに気づいた。


「ここしかない!」葛城は自らを鼓舞し、反撃のチャンスを狙った。運命を切り開くため、彼は全力でその隙間に向かって突進した。運命の分岐点が今、目の前に迫っている。


 杏奈は、歴史の香り漂うキンデルダイクの異人館に足を踏み入れた。周囲は静まり返り、彼女はその美しい建築に圧倒された。重厚な扉を開けると、中には豪華な調度品や絵画が並び、過去の物語が息づいているようだった。


 杏奈は、館の中を慎重に歩きながら、壁に掛けられた絵画に目を留めた。それぞれの作品には、かつての住人たちの人生や思い出が詰まっている。彼女は、異人館の持つ独特の雰囲気に魅了され、心を奪われていた。


 ふと、奥の部屋からかすかな音が聞こえた。好奇心に駆られた杏奈は、その音の正体を確かめるため、ゆっくりとその方向へ歩み寄った。何が待っているのか、彼女の心は期待と緊張で高鳴っていた。


 

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