デスペレート・シチュエーション② キンデルダイク殺人事件

第2話

　加藤明日香もキンデルダイクにやって来た。ブロックウェア風車博物館。当時の衣装を着たガイドの案内で17世紀〜18世紀にタイムスリップする。

　加藤明日香はキンデルダイクの美しい風車群に感動しながら、ブロックウェア風車博物館に足を踏み入れた。館内は当時の生活を再現した展示や、実際に使われていた道具が並び、歴史の息吹が感じられる。

　ガイドが笑顔で案内を始めると、明日香は彼女が着る17世紀の衣装に心を奪われた。長いドレスや繊細なレースは、当時の女性たちの生活を物語っている。

「ここでは、風車の役割がいかに重要だったかを学ぶことができます」とガイドが説明する。明日香は、風車が水の排水や穀物の粉砕にどれほど貢献したのかを知り、ますます興味が湧いた。

　ガイドの話に耳を傾けながら、明日香は当時の人々の暮らしや風習について考えを巡らせる。彼女は、現代とは異なる生活様式や価値観に触れ、時間が止まったかのような感覚を味わった。

　展示室を巡り、各風車の仕組みや歴史的背景を知るにつれ、明日香はこの美しい土地の文化に深く感動し、学びを深める旅を楽しんでいた。

　明日香は次にネーダーヴァールト風車博物館へ足を運んだ。風車が点在する静かな風景の中に、その博物館は佇んでいる。入館すると、豊富な展示とともに、歴史的な風車の仕組みや利用方法が詳しく説明されている。

　博物館のガイドが風車の内部を案内しながら、「この風車は17世紀に建てられ、主に穀物の粉砕に使われました」と話す。明日香はその説明に引き込まれ、実際に動いている風車の迫力に胸を打たれる。

　さらに、館内には当時の道具や衣装も展示されており、明日香はそれらを手に取って触れてみる。特に、粉を挽くための石臼の重さや、昔の人々の生活の知恵に思いを馳せる。

　彼女は、風車の役割が地域の生活を支えていたこと、また自然の力を利用した持続可能な技術の重要性に気づき、心が豊かになった。博物館の最後には、風車の周りを散策し、周囲の美しい自然とともに、この地の歴史の一部としての自分を感じることができた。

　藤堂は犠牲者の死因を徹底的に調査することに決めた。彼はまず、現場に残された証拠を分析し、遺体の状態や周囲の環境を詳細に観察した。遺体には外傷が見られず、毒物の痕跡もない。

　次に、藤堂は犠牲者の身元を確認し、過去の健康状態や生活習慣についての情報を収集した。医療記録や家族へのインタビューを通じて、彼は徐々に明らかになっていくパターンに気づいた。

　調査を進める中で、藤堂は犠牲者がストレスの多い仕事環境にいたこと、また、最近の精神的な苦痛について知る。これにより、心因性の要因が死因に関与している可能性が浮上した。

　最終的に、藤堂は専門家と協力し、遺体の解剖結果を待つことにした。解剖から得られる情報が、真相を明らかにする鍵となると信じていた。