第9話 新たな展開

麗華たちが驚きの表情を浮かべる中、見知らぬ男性は深呼吸をして話し始めた。「申し訳ありません。私の名前は山田修司(やまだ しゅうじ)。鈴木陽一さんの弁護士です。」


麗華は冷静に応じた。「山田さん、何か新しい情報があるのでしょうか?」


山田は頷き、「はい。実は、鈴木さんから預かっていた重要な書類があります。それは、彼の死後に開示するように言われていたものです。」


午後4時を少し過ぎた頃、山田は鞄から封筒を取り出し、麗華に手渡した。「これがその書類です。鈴木さんは、この中に真実が記されていると言っていました。」


麗華は封筒を受け取り、中身を確認した。封筒の中には、鈴木陽一の直筆の手紙と数枚の写真が入っていた。手紙を広げると、麗華は一行一行丁寧に読み始めた。


「鈴木陽一の手紙にはこう書かれています。『この手紙を読んでいる頃には、私はもうこの世にいないでしょう。私の死には秘密が隠されています。その秘密を知るためには、これらの写真を見てください。』」


麗華は手紙を読み終えると、写真を確認した。そこには、鈴木陽一が高橋英二と共に写っている写真や、二人が何かを計画している様子が映し出されていた。


「これは…」麗華は写真を見つめながら呟いた。「これらの写真は、高橋英二が鈴木陽一に対して何かを計画していた証拠です。」


高橋は蒼白な顔で写真を見つめ、動揺した様子で言った。「これは…何故こんなものが…」


麗華は冷静に推理を続けた。「高橋さん、これらの写真はあなたが鈴木さんに対して何かを計画していた証拠です。あなたは彼の過去を暴露しようとしただけでなく、何かもっと大きな計画をしていたのではないですか?」


高橋は沈黙を守り続けたが、その目には明らかな焦りが見て取れた。麗華はさらに追及した。「鈴木さんはあなたの計画を知り、それを阻止しようとしていたのではないですか?」


その瞬間、電話が鳴り響いた。夏川警部が電話に出ると、焦った声が聞こえてきた。「警部、緊急事態です。鈴木陽一の書斎から新たな証拠が見つかりました。すぐに現場に来てください。」


夏川警部は電話を切り、麗華に報告した。「新たな証拠が見つかったようです。すぐに現場に向かいましょう。」


麗華は頷き、「皆さん、現場に向かいましょう。ここで得た情報を基に、新たな手掛かりを見つける必要があります。」


午後4時半、麗華たちは急いで鈴木陽一の邸宅に向かった。現場に到着すると、警察の捜査員たちが新たに見つかった証拠品を慎重に扱っていた。


「これは…」麗華は見つかった証拠品を見つめながら呟いた。「これで全てが明らかになるかもしれない。」


新たな展開に息を呑む麗華たち。果たしてこの証拠が何を示すのか。事件の真相は、まだ全てが明らかになっていない。次の一手を打つため、麗華は全神経を集中させた。

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