第18話イベント①
ーイベントエリアに入場されますー
!?
「ここは…」
イベントが開始されたら俺達はいきなり廃れた建物内の扉の前に転移させられた。
それにしてもこの建物内、俺達3人だけか?見える範囲に俺たち以外の気配はしないんだが。
「他の方々はいないですね」
「そうみたいだな」
俺たちはとりあえずこの建物内を探索することとなり5分後、一階建てのこの建物が何の建物か大体分かった。
足が折れたテーブルや皿やスプーンが床に散乱している大きめの一室、その隣には台所やコンロ、冷蔵庫が取り付けられている厨房が見つかった。
「この建物は食堂か?」
広さ的に何組かの人が食事が出来そうな雰囲気だしな。
「2人とも見てください。薄暗いと思ったら外は雨が降っていますよ」
「…本当ですね」
レオが指をさした方向を見ると、窓に水滴がついていて雨が降っていることが分かる。それに外からザザーと音いうが少し聞こえていたが雨音だったのか。
「外に出てみますか?先ほどから、ちらほら人が傘をさして外を歩いているようなので」
「そうだな。ここはあらかた見たようだし…」
俺は外に出るためドアノブを握る行動を取ると、ピコン♪という音が鳴り俺の目の前にディスプレイが現れた。
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【このエリアは43地区セーフティーエリアです】
◇43地区セーフティーエリアとは一時的にあなた方の滞在先となった宿です。[Cain]やパーティーメンバー以外の人は招待しない限り入ることは不可能となっております。
※セーフティーエリアから外に出れば、生産行動・販売行動が出来なくなっているのでご注意ください。
選択:43地区セーフティーエリアから出ますか?
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ここは…今、表示された内容からしてイベント中の俺たちの仮居住区みたいなものか。ここで料理や販売するための物品を作る場所だと予想される。
それと販売行動に制限をかけられている現状に、このイベントはある程度自分たちで自給自足をしなくてはならなくなりそうだなと思った。
理由としてはこれから拠点となる仮居住区に招く・招かれるしなければ物を交換することはできなく、仮拠点での窃盗が起きるかもしれないというデメリットを背負ってまで招くことはないから、取引は少なくなるだろう。
生産職を囲っているパーティーは楽できそうでいいな今回のイベント~
「お姉様、わたくし今回のイベント思うのですが…メガロニカ紙幣を使うことが可能なのでしょうか?」
!?確かにその考えはなかったな。
「どうゆうことですか?」
「レオさん…考えてみてください。セーフティーエリアより外で販売行動が出来ないということはNPCのが売っているはずの食材も買うことできないのです。つまり、私たちはど・こ・か・で・食材を調達しなくては餓死して死んでしまうのです」
「今回のイベント会場は街中ですよ。野菜や畜生が近くにいるんですかね?」
「一応、NPCがこの町にいると言ことはイベント概要に明記されていたから、この町の住人分に行きわたる食べ物があるはずだ」
俺たちは一旦、街でNPCに聞き込みをした方がいいと言う結論に達したため、玄関近くに置いてあった人数分の白い傘をそれぞれさして外に出た。
なのだが…NPCがいねぇ!
雨が降っている影響なのか、NPCが家の中にて外出していないのだ。
結局歩き回った結果、プレイヤーが密集している時計塔の前に来てしまったわけだが、あいつら何をしているんだ?
「セイさん、雪花さん」
レオが暇そうにしていた茶色髪の男性に、何の集まりか聞いてきてくれたみたいだ。
なんでも、この時計塔は宝場所や敵を倒してポイントを得るダンジョンで、ダンジョンに一度入るとデバイスでポイント売買ができるようになる仕組みらしい。
「そこでポイントと食材や道具を交換するのか。面白いな」
「入ってみましょうか」
「あぁ」
時計塔のダンジョンメインフロア
ーこのエリアではデバイスを使用して機体を取り出す行動は禁止されていますー
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