第5話 ラスト

メテオ:「さて最後はここ最近あったVTuberの出来事を紹介していこうと思いまーす」


みはり:「わー!」


『パフパフパフ〜』


 みはりは音の鳴るおもちゃを使う。


メテオ:「それでまず最初に紹介するのは『那須鷹フジ、前室にあったケータリングのたこ焼き食って、鼻からたこを出す』」


みはり:「鼻からたこ焼き?」


メテオ:「いえいえ、たこ焼きの中のたこを鼻から出したんですよ」


みはり:「なんだそりゃあ!?」


メテオ:「なんでも3Dモーションを使った収録の日に前室に置かれていたケータリングのたこ焼きを1人でぱくぱく食べていたところを松竹マイに怒られ、びっくりして鼻の穴からたこが出てしまったという珍事件です」


みはり:「食い意地はりすぎ」


メテオ:「みはり先輩はないの? たくさん食べっちゃったみたいなエピソードは?」


みはり:「私は少食だし。収録前は食べない。あっ、そういえば私のレコーディング時、前にレコーディングした誰かが、ラーメン食べてたせいでマイクがすごい臭かった。あれはやばかった」


メテオ:「それは最悪ですね」


みはり:「あれは先々週の月曜だった。夕方のレコーディングでさ。マイクがにんにく臭いのなんのって。しばらく換気したからね」


メテオ:「……(私かな?)」


みはり:「どうしたの?」


メテオ:「いえ、何も。次は『夜闇乱菊、リスナーとの解釈不一致でぶち切れる』」


みはり:「推しの話かな?」


メテオ:「攻めと受けの話ですね」


みはり:「なんか高度な話だな」


メテオ:「そうですね。これ以上は掘らないでおきましょう」


みはり:「掘る?」


メテオ:「ち、違いますよ。次のいきますよー。次は『勝浦卍、ホラゲー実況で大声をあげたら即終了という縛りをして、開始十秒で終了』したとのこと」


みはり:「あれ? 卍って、ホラゲー得意だよね?」


メテオ:「はい。これはホラゲーで怖がってつい大声を上げたではなく、水をこぼしてしまって大声を発してしまったようです」


みはり:「あらら〜。なんと間抜けな」


メテオ:「続いて『うたたね詩子、寝坊して5時間遅刻し配信をする』」


みはり:「これは大変だね。寝坊だけでやばいのに。5時間も遅刻!?」


メテオ:「みはり先輩は寝坊して遅刻したことがありますか?」


みはり:「寝坊はない。遅刻もないね。ただ、出来ないと思ったら枠を消す。そして休む」


メテオ:「まさにVのかがみですね」


みはり:「メテオはあるの?」


メテオ:「配信で遅刻はないですけど、レコーディングで遅刻は一度ありましたね」


みはり:「怒られた?」


メテオ:「めちゃくちゃ怒られました。マネもそうでし、エンジニアの人にも怒られました。もう遅刻はしません」


みはり:「気をつけよう」


メテオ:「お次は『完熟サラサ、ダイエットで腹筋トレーニングしすぎて血便』」


みはり:「おーい。汚いエピソードだ。一応私達もアイドルだよ。アイドルらしからぬエピソードじゃん」


メテオ:「しかもこれが最後でした」


みはり:「ええ!?」


  ◯


メテオ:「さて、エンディングです。今日は突破的なラジオ番組で大変でした」


 お別れ風のBGMが流れる。


みはり:「本当に疲れた。慣れないことはするべきではないよね」


メテオ:「来週からは新番組『リリィと楽しいティータイム』が始まります」


みはり:「新番組はリリィの番組なんだ。繋いだ分、リリィには何かしてもらわないとね」


メテオ:「何させるつもりですか?」


みはり:「リリィに広島焼きと言いつつ、オムそば食わせようぜ。いや、ここは目隠ししてオムそばと広島焼きを食わせてどっちが広島焼きかを当てさせよう」


メテオ:「アハハハッ」


 スタッフが指を折り、カウントダウンをする。


みはり&メテオ:「それでは皆さん、さようならー」

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