第2話 スイーツとゲーム
メテオ:「では次にスイーツ・トークのコーナー」
メテオは音の鳴るおもちゃを使い、パフパフと鳴らす。
みはり:「うおっ! 急に音が鳴ったらびっくりした」
メテオ:「ずっとここにあったけど使うの忘れた。みはり先輩はこれ知らない?」
そう言って、メテオはまたパフパフと音を鳴らす。
みはり:「それも昭和の古の遺物」
メテオ:「違う。業界の人なら知ってるよ」
みはり:「そうなの?」
みはりは怪訝な視線をメテオに向ける。
メテオ:「そうだよ。さ、スイーツ・トークだよ。みはりは最近ハマってるスイーツってある?」
みはり:「いなりもち。炭酸煎餅。タコプレス煎餅」
メテオ:「タコプレスは流行ったけどさ。スイーツでお願い!」
みはり:「スイーツじゃん」
メテオ:「ここでは洋菓子でお願い」
みはり:「ならメテオは何さ?」
メテオ:「私は台湾とか韓国スイーツに──」
みはり:「洋菓子じゃねえーよ! お隣のスイーツだよ。アジアだよ。何、可愛く言ってんだよ」
みはりが声を上げて突っ込む。
メテオ:「でも、使ってるのはクリームとかだよ」
みはり:「クリーム使えば洋菓子か?」
メテオ:「でも洋菓子に近いじゃん。映える洋菓子を言っていこうよ」
みはり:「映えるお菓子? ううん? シュヴァルッツヴェルダー・キルシュトルテとか?」
メテオ:「本格過ぎ! 個人がさらっと買えるやつじゃねーだろ! もっとこう台湾カステラとかさ」
みはり:「注文が多いなー。おっ! カンペだよ」
みはりがカンペに気付き、メテオを教える。
メテオ:「えー、『最近食べたスイーツ』か。私はショートケーキ食べた」
みはり:「普通だね。ちなみにショートケーキって、本場ではシュークリームのように生地の間にクリームを挟んだやつを言うんだよ。それとシュークリームって言葉は日本だけ。海外ではクリームパフだよ。それとフランスではシューアラクレム。日本はこのフランス語経由で、シュークリームになったんだろうね」
メテオ:「詳しすぎだろ! もしかして子供の頃はパティシエになろうとした?」
みはり:「パティシエはフランス語で男性名詞。だから私の場合は女性名詞のパティシエールが正解だよ」
メテオ:「だから詳しすぎるだろ!」
みはり:「でも、スイーツ・トークは出来たとじゃん」
メテオ:「結果的にはね」
◯
メテオ:「えー、お次は『おすすめのゲームコーナー』です」
メテオが音のなるおもちゃを使ってパフパフと鳴らす。
みはり:「まさにVTuberらしいお話だね」
メテオ:「みはりは何かおすすめのゲームある?」
みはり:「うーん。『ファイナル・フェアリー・クエスト12』かな」
メテオ:「それ配信でやってるからでしょ?」
みはり:「ソンナコトナイヨー」
メテオ:「カタコトだよ」
みはり:「メテオは何かあるの? やっぱ『世紀末モブ王』とか『荒くれフリーダム』とか?」
メテオ:「そんな物騒なのおすすめしないよー」
みはり:「これを聞いているリスナーはメテオのアーカイブを見てね」
メテオ:「駄目だかねー。絶対見ては駄目だよー。それより本当におすすめを言わないと!」
みはり:「おすすめと言われてもね。人によっておすすめって変わるからね」
そう言って、みはりは頬杖をつく。
メテオ:「カンペが出てますね。『子供向けといえば何でしょう?』」
みはり:「『Fight out the crown』かな?」
メテオ:「略して『FOC』。アスレチック型アクションゲームですよね。ファンシーな小さいアバターを使って、アスレチックエリア駆けて王冠を獲るという。老若男女に人気だよね」
みはり:「VTuberの皆もやってるからね」
メテオ:「……リスナーの皆さんは配信を見ないでくださいね」
みはり:「メテオ、めっちゃハジけてたよね」
メテオ:「……私だけではありませんからね。次は大人におすすめのゲームですかね」
みはり:「『燃焼系フィットネスアドベンチャー』かな?」
メテオ:「ダイエット系ね。確かにおすすめだよね」
みはり:「遊んでダイエットって素敵やん」
メテオ:「なんですか? そのエセ関西弁?」
みはり:「メテオはおすすめないの?」
メテオ:「そうですね。『集合! アニマル天国』ですかね」
みはり:「のんびりスローライフ系。リアルの疲れを忘れたい人がやるやつね。ネット回線で赤の他人と繋がったりする」
メテオ:「ええ。あれはあれで味があって面白いですよ。おすすめです」
みはり:「でもメテオは配信ではやってないよね?」
メテオ:「特定されたらファンが押し寄せてきますからね。だからVTuberや芸能人は配信しませんね」
みはり:「それに配信してなくても特定されるから恐ろしいよね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます