第七話 一緒にお風呂でして

(お風呂のドアを開ける音)


「やっぱちょっと恥ずいね…。『なんで』ってそりゃ恥ずいよ!いくら付き合ってるとしても、…やっぱ、裸は……。」



「『別にタオルもしてるから問題ないだろ』……

……?ま、まあそうかも知んないけど!………確かに、一緒に入ろって言ったのは私だし、よし、腹くくる!」

(風呂のドアを閉める音)


「…あ、そうだ。ねぇもし良かったらなんだけど、キミの髪私が洗っても良い?

ありがと!じゃあ早速洗うね〜」




(シャワーで髪を洗い流す音)


「それじゃ、始めるね。目、閉じててね。

うわぁ、すごいキミ髪サラサラ!超羨まし〜!ずっと触ってたい〜。キミ、なんかケアとかしてんの?」



「…え!こんなきれいなのに何もしてないの?!え〜いいな〜、元がこんなにいい感じの髪ならしっかりケアしたら超きれいになりそう!」


「え〜、絶対いいって〜もっとカッコよくなっちゃうんだよ〜!あでも、それでキミがカッコよくなりすぎて他の人から気になられまくるのはヤダな〜。ほどほどならいいけど」



「あ、ほら今からシャンプーするから目開けないで?うん、そのままじっとしてて」


(シャンプーする音)



「どう?かゆいとことかない?今んとこない?うん、ならよかった!いや〜私さ人に髪触られるのも好きだけど触るのも好きなんだよね〜、前髪触られんのも気にしたことないし!」




「……キミが私の髪洗ってくれんの?いいの?!じゃあキミのお言葉に甘えちゃおっかな〜!

(シャワーで流す音)

はい!終わり!じゃあ今度はお願いしまーす!」




「…わぁ〜キミすごい髪洗うの上手……。すごいきもちぃ……。ん、なあに?―――……意外と髪の毛が長い?まあのばしてるからね〜〜ちょっと洗うのと乾かすのに時間かかる」



「んー大変っちゃ大変だけど私は手入れすんのが楽しくてこのままな感じ。割と友達とかはめんどくさがってる子多い。もー何で髪乾かす時間あんなに長くならなくちゃなんだー!とか言ってる」




「あとは……、こういうお泊りとかのときに髪の毛をちょっとだけ長い時間触ってもらえるからってのもある。

……終わり?うん。ありがとね」



「じゃあお次は……体、洗い合いますか……。

……え?私は別に君の体洗うなんてなんともないけど……。そうじゃない?じゃあどういう―――――。………キミが私の全身を洗うとしたら、少なくとも私の胸を触ることに………」



「(恥ずかしくなって)っっッ?!?!や、やっぱなし!体は自分で洗う!恥ずかしくなってきた!」



「え!?『私がいいなら構わない』?!

もう!真剣な顔して言わないでよ!!洗い合いはなしで!!!キミ体洗ったら先湯船入って!」



「何でじゃない!いいからさっさと洗う!そんで早く入ってさっさと出ろ!この、バカ!バーーーカ!!」





◆◇◆



(風呂場で声が反響しながら)

「…ねぇ、まだそこにいる?」



「………あのさ、さっき…、ば、ばかって言ってごめん……咄嗟に出ちゃって」



「…え、『気にしてない』。………そっか、ならいいんだけどさ」



「私そろそろお風呂上がるから、先にリビング行ってて。今は見られんの恥ずいから」

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