第四話 いよいよ彼女の家でして。
(スーパーの店内の音、タイムセールのせいか少し騒がしい)
「え〜っと、飲み物買ったお菓子買った、ご飯系は少し買ったから…、あとは必要な分買いたい冷食買ってキミにアイスを奢ってもらう!これでいい?」
「了解、じゃあこれ終わったらお会計だからキミに奢ってもらう分のカゴはもう君に渡しておこっと、よいしょっ……はい!」(カゴがガシャンとなる音)
「よし!そしたらキミが食べたいの、一緒に買いに行こ〜」
「あ、あとさっき私の好きなものばっか聞いて、キミの好きなものジンジャーエールと味噌汁くらいしか知らないからもっと教えて?」
「…『考えたことない』?え、マジで?キミもしかして今までずっと特に好みもなく生活を送ってきた感じ……?
っ、うん、って……。そっかぁ…なら、これから一緒に好きなもの探していかない?ほら今日みたいな日をこれからもちょっとずつ作ったり、放課後一緒にどっか行ったり!」
「良い!?だよねだよね〜そしたら今度一緒に帰ろ〜」
「『いつも一緒に帰ってる』?そ、そうだけど!…それでもこういう機会はあったほうがいいでしょ〜
そういうのでもっと仲良くなって、いつかデートとか………………」(だんだん声が小さくなる)
「ご、ごめん今の後半のとこやっぱなし!!聞かなかったことにして恥ずい!」
「もう一回もなし!!!はい!この話終わり!この話は別の機会に!!
ほら話脱線してる!キミ、強いて言うならとかもないの?」
「オムライス?え、かわいい…!好きなものあるじゃん!オムライスあるじゃん!
じゃあじゃあ冷食のちっちゃいオムライスとか……あった!あったよオムライス!決まりこれ買う!」
「さすがに今日は作れないからなー。他にも買った後にちゃんとしたオムライスはお腹には入んないから、今日はこれになっちゃうけど、今度キミにオムライス作ってあげる、それまでに私ももっと料理練習する!」
「え…、『楽しみにしてる』……?っよし!決めた!私はこれから料理を極める!料理を極めて、キミにいっぱい美味しいもの食べさせる!」
「笑わないでよ、冗談じゃないし。……私は本気で言ってんの。だから…………少しくらいはほんとにしてもらえるって、思ってて」
「そんなニヤニヤしないでよもう!!!!
ほら、ご飯はこれで決まり!あとはアイス買うから、アイスは君の持ってるカゴに入れるね。奢りだから」
「ん〜どーしよ、せっかくの奢りならちょっと高いの買おっかな。……………よし、これにする。ダ○ツのキャラメルクリスピー」
「『しっかり高いの買ったね』、ってそりゃ買うよ。私を待たせたのはキミ、私を怒らせたのもキミなんだから当然の報いだよ」
「えーじゃない。よし、これで買うもの全部買ったと思うしそろそろお会計しちゃおう。
お会計終わったらスーパーのドア付近集合ね!」
◆◇◆
「お疲れ様〜!意外と君のほうが早かったね。
まぁ買うもの買ってるけど私よりは少ないもんそりゃそっか」
「それじゃ、私んち帰ろ!そんで打ち上げね!」
(ローファーとスニーカーの足音、レジ袋が擦れる音)
「いやーあのときキミが良いよって言ってくれてうれしかったなぁ〜、ほらキミってあんまり打ち上げとかそういうみんなで集まったりするのとかあんまり来ないタイプじゃん?
一、二年の時もクラス一緒だったけどこういう集まりの時見かけなかったし」
「ふ〜ん、あのテンションは私には合うけどキミには合わないんだ。そっかぁまあそういう人も一定数いるよね」
「……私みたいなギャルはそういうの考えないと思ってた?ん〜、他のがどんな感じかはあんまり考えたことないけど、私は、いろんな人がいるからそれをできる限り尊重したいって思ってるんだ〜。ほら劇に出てくる人たちもみんな、個性があるから!」
「私、意外と繊細で感受性豊かだから!」
「それよりも私は、キミが私に告白してくれたことが今でもずっと嬉しい。」
「私がギャルってのもあるんだけど、世間的に見たらあんまし良くないイメージを持たれたりはする。不真面目だ〜、遊び人だ〜とか、確かにちょっっとは不真面目だけど!」
「…だから、告白されてもいつもは断ってた。表面的なところだけ見られてた感じしたから。
でもね、キミが告白してきて私の好きなとこを言ったときにさ、キミは気づいてないかもだけどキミは私の内面を見てたんだよ。」
「そん時にさー私!ビビッときちゃって!
あ、この人なら付き合っても私のこと内面もみてくれそうだな、って!
だから君の告白に私はOKしたワケ!」
「え………『絶対に、幸せにする』…………。
(赤面しながら)わ、わわ、わ私も!キミのこと幸せにする!絶対!」
(………………………………これ、
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